2024.11.22
第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城2024)は11月24日、宮城県松島町の文化観光交流館前をスタート、仙台市の弘進ゴムアスリートパーク仙台(仙台市陸上競技場)へフィニッシュする6区間42.195kmのコースで行われる。
2年ぶり優勝を飾った積水化学ら前回上位8位までのシードチームと、10月20日の予選会(プリンセス駅伝in宗像・福津)で16位までに入ったチームの計24チームが出場。杜の都で繰り広げられる、駅伝女王の座を懸けた熱戦を占う。
優勝候補の筆頭に挙げられるのは現女王・積水化学だろう。2021年に初優勝を飾り、22年に連覇を狙ったが、資生堂に大差で敗れて2位。前回のV奪還を経て、今回、再び連覇に挑戦する。
豊富な選手層は、他の追随を許さない。前回、3区(10.6km)、5区(10.0km)を担った佐藤早也伽、新谷仁美のマラソン陣が健在。さらに、前回1区(7.0km)で5位と好走した田浦英理歌、昨年は脚の故障で急きょメンバーから外れた楠莉奈(旧姓・鍋島)も2017年ロンドン世界選手権5000m出場の実力者だ。1区を含む長距離区間はこの4人が担うことになりそう。
ショート区間も充実。前回ルーキーながら2区区間賞の山本有真がパリ五輪5000mに出場とさらに成長した。地元・仙台育英高出身の佐々木梨七、前回Vテープを切った森智香子、19年ドーハ世界選手権5000m代表・木村友香もいる。6区間とも隙のない布陣が完成しそうだ。
独走の可能性も十分あるが、それを阻止するとすればJP日本郵政グループ、資生堂、第一生命グループあたりか。
JP日本郵政グループは19年、20年と2連覇して以来の頂点へ、エース・廣中璃梨佳の復調具合が大きなカギとなる。
今季は膝を痛めた影響で、代表入り目前だったパリ五輪も逃しただけでなく、1本もレースに出られていない。今季初戦を迎えることができるか。
他のメンバーも、1期生として記念の10回連続出場となる鈴木亜由子、廣中と同期の菅田雅香ら層は厚い。加えて、チーム初の外国人ランナーが登場する。昨年末の全国高校駅伝の最終区で大逆転劇を演じて鹿児島・神村学園高を優勝を5年ぶり優勝に導いたカリバ・カロラインが、インターナショナル区間の4区でどんな走りを見せるか。1区から流れを作れれば、積水化学の前に出るシーンを作る可能性は十分ある。
2年ぶり優勝を狙う資生堂は今年のパリ五輪に出場した3本柱、マラソンの一山麻緒、10000mの五島莉乃と高島由香の存在が心強い。ここ2年は1区から主導権を握る展開を作れており、前回は五島が区間新で飛び出した。区間配置に注目が集まる。
前回6位の第一生命グループもパリ五輪マラソン6位入賞の鈴木優花、同10000m出場の小海遥と、主要区間は強力。上位争いを展開できる戦力が整いつつあり、16年以来のトップ3入りが視野に入る。
このほか、上位を見据えるのが前回3位のパナソニック、3年連続5位のダイハツ、予選会から勝ち上がったエディオンあたりが候補となりそう。
年間を通じてこの大会への準備を進めてきたパナソニックは、7月のゴールドコースト・マラソンを制した中村優希、17年、18年の連覇を知る渡邊菜々美、前回1区6位で流れを作った信櫻空らが軸となる。
ダイハツは松田瑞生が9月のベルリン・マラソンで日本歴代8位の2時間20分42秒をマークし、パリ五輪代表入りを逃した悔しさからリスタート。エディオンも、パリ五輪補欠の細田あいが同じベルリンで日本歴代7位の2時間20分31秒と力走した。細田を外した予選会も矢田みくにが最長3区で区間賞と牽引して3位通過しており、本戦への戦力アップは間違いない。
そのエディオンを上回って予選会1、2位のユニクロ、三井住友海上も勢いがある。ユニクロは後藤夢、三井住友海上は樺沢和佳奈のパリ五輪代表組の走りにも注目だ。前回7位、8位の天満屋、岩谷産業もシードの座を死守すべく、チーム力を整える。ただ、天満屋はパリ五輪マラソン代表の前田穂南が、本番を欠場する原因となった右大腿骨疲労骨折からの回復途上で、本番は欠場に回る見込みだ。
予選会の10km区間でルーキー・小林香菜、棚池穂乃香が強さを見せた大塚製薬も、入賞ラインに届く力がありそう。
初出場は東京メトロとベアーズの2チーム。それぞれ創設5年目、3年目でつかんだ大舞台に挑む。
レースは11月24日の昼12時15分にスタート。TBS系列で生中継される。
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