2024.11.10
◇第39回東日本女子駅伝(11月10日/誠電社WINDYスタジアム〔福島市信夫ケ丘競技場〕発着・9区間42.195km)
北海道から静岡まで18都道県が参加し、中学生からシニアまで各年代のトップ選手が地域を代表してチームを組む東日本女子駅伝が行われ、埼玉が2時間19分07秒で18大会ぶり4度目の優勝を飾った。今年が最後の今大会で有終の美となった。
1区は北海道の吉田彩心(札幌創成高)が高1ながら圧巻の走りを見せ、6kmを19分01秒で区間賞を獲得。だが、2区では長野の川上南海(長野東高1)が区間賞の走りでトップに立ち、北海道、宮城、埼玉などが追いかける展開に。
長野は窪田舞(長野東高3)も3区でトップを譲らず。宮城はこの大会で中学時代にブレイクスルーを果たした男乕結衣(東北高1)が区間賞で追い上げ2位へ。長野は8区を終えるまでトップをひた走り、宮城、埼玉との優勝争いに。
長野から30秒差で埼玉。タスキを受けたのが2019年ドーハ世界選手権10000m代表の山ノ内みなみ(しまむら)だった。「埼玉は中高生が強すぎたので感動した」と走り出した山ノ内。6kmで長野を一気に抜き去ってからは、群馬の小林香奈(大塚製薬)が31分55秒の区間賞で追い上げており「怖かった」。それでも冷静にしのぎきった。
山ノ内は福島県郡山市出身だけに、「最後と聞いてから一番でゴールして、私の郷土愛をアピールしたかったので良かったです」とはにかんだ。埼玉は区間賞ゼロ。中高生から実業団までが、チーム一丸となったまさに“全員駅伝”で最後の女王の座に就いた。
2位には28秒差まで詰めた小林の力走で群馬が食い込み、3位に東京。中盤でトップを走った長野は4位だった。地元・福島は7位。1区でトップ中継した北海道が8位入賞を死守した。
同大会は1983年から都道府県対抗女子駅伝が始まったことを受け、翌年11月に第1回東北・北海道女子駅伝としてスタート。翌年からは関東地区などを加えて「東日本女子駅伝」として拡充された。
これまで、浅利純子、鈴木博美、弘山晴美、土佐礼子、渋井陽子、福士加代子、尾崎好美、鈴木優花ら、日本女子長距離を彩ったランナーが駆け抜け、近年でも不破聖衣来(群馬/拓大)の快走劇も記憶に新しい。中高生と実業団がタスキをつなぎ、女子長距離選手の育成、発掘にも大きく寄与してきた。
大会終了の理由には「大会の役割を達成した」ことや「ボランティアスタッフ確保や人件費の増加」などが挙げられている。
最後まで駅伝らしい激闘となった東日本女子駅伝は、惜しまれながらその長い歴史に幕を下ろした。
最後の東日本女子駅伝!総合成績と区間賞をチェック
1位 埼玉 2時間19分07秒 2位 群馬 2時間19分35秒 3位 東京 2時間19分52秒 4位 長野 2時間19分58秒 5位 静岡 2時間20分11秒 6位 宮城 2時間20分25秒 7位 福島 2時間20分37秒 8位 北海道 2時間22分03秒 [adinserter block="4"] 9位 新潟 2時間22分12秒 10位 千葉 2時間22分38秒 11位 山梨 2時間22分46秒 12位 岩手 2時間23分18秒 13位 栃木 2時間23分30秒 14位 茨城 2時間23分48秒 15位 神奈川 2時間24分44秒 16位 秋田 2時間25分51秒 17位 山形 2時間26分31秒 18位 青森 2時間28分00秒 [adinserter block="4"] ●区間賞 1区(6km) 吉田彩心(北海道) 19分01秒 2区(4km) 川上南海(長野) 12分52秒 3区(3km) 男乕結衣(宮城) 9分49秒 4区(3km) 藤澤心々(群馬) 9分26秒 5区(5.0875km) 細川あおい(宮城) 16分33秒 6区(4.1075km) 今井玲那(長野) 12分51秒 7区(4km) 渡辺光桃(宮城) 13分09秒 8区(3km) 馬場優奈(静岡) 9分34秒 9区(10km) 小林香菜(群馬) 31分55秒
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