2024.11.01
箱根予選会組の東海大、東京国際大
箱根予選会を経た東海大、東京国際大もあなどれない。関東地区選考会をトップ通過した東海大は、昨年度は全日本9位、箱根11位とシードまであと一歩。箱根駅伝予選会ではアクシデントもあって14位に沈んでいるだけに、期する思いがあるだろう。関東インカレ1部5000m3位の兵頭ジュダ(3年)や鈴木大智(同)がメンバーから外れるなか、2区の花岡寿哉(同)の走りがカギとなる。
前回は箱根駅伝予選会では14位で落選したが、全日本ではシード権を取った東京国際大。中心選手の多くが残り、今年は予選会を8位で無事に通過した。4種目で日本学生記録を持つリチャード・エティーリ(2年)が外れたが、同じ留学生のアモス・ペット(2年)に加え、前回1、3区で好走した木村海斗(4年)、佐藤榛紀(同)を同区間に配置している。
箱根駅伝シード校の帝京大も可能性を秘める。関東地区選考会で力強さを示した3、4組の4人が軸となる。山中博生(4年)は9月に10000m28分04秒54。2区でどんな走りを見せるか。
このほか、関東勢は日体大が3大会ぶり、立教大が初、神奈川大は2大会ぶりの出場となる。いずれも箱根駅伝予選会を経ており、主力選手は疲労とも戦うことになる。
直近3年は上位15校を関東勢が独占。前回は16位の大経大が国士大に31秒差まで迫っているが、今年の出雲駅伝では11位東洋大と12位京産大との差は1分22秒だった。
大経大は今年の関西地区選考会こそ3位通過だったが、力を伸ばしている大学。「関東の一角を崩す」ことが目標だ。同選考会でトップ通過の関大は前回18位のメンバー6人が残るのが強み。4大会ぶりに伊勢路に戻る京産大は、9月の日本インカレ10000mで日本人トップ(7位)の小嶋郁依斗(4年)が2区で関東勢に挑む。
國學院大出身の寺田夏生監督が率いる地元の皇学館大、青学大出身の石鍋颯一(4年)を擁して初出場する岡山大にも注目だ。
レースは午前8時10分スタート。テレビ朝日系列で生中継され、Tverでのライブ配信も行われる。
V5狙う駒大、厚い層の青学大、勢いのある國學院大
「3強」の中でも、大会最長の5連覇が懸かる駒大は、最多優勝回数の16回を数えるほど伊勢路では強さを示してきた。今年も戦力は充実している。牽引する篠原倖太朗(4年)は5000mで屋外の日本人学生最高となる13分15秒70をマークし、今季は安定感のある走りを見せている。出雲の悔しさもぶつけてくるだろう。 また、選手層は新鋭、中堅に勢いが出てきている。9月末の日体大長距離競技会5000mでは8人が14分を切り、うち6人が自己新。特に1年の桑田駿介が13分39秒47を出し、5戦連続の自己新となった。「もうひとつの出雲駅伝」と称される出雲市陸協記録会では谷中晴(1年)が13分49秒71で1着を占めている。懸念はエースの佐藤圭汰(3年)がメンバーエントリーから外れたことだ。 過去2年の全日本では、佐藤が2区で主導権を握り、篠原は3、5区で圧勝につなげてきた。3区に配置された伊藤蒼唯(3年)の走りや、補員登録だが当日変更となる可能性の高い篠原、帰山侑大(3年)、桑田らの配置がポイントで、アンカー山川拓馬(3年)にどれくらいの位置で渡すことができるか。 青学大はトラックシーズンから充実している。5000m13分台が26人という圧倒的なスピードがある。1区には関東インカレ2部1500m2位の宇田川瞬矢(3年)、2区には日本選手権5000m4位と今季好調の鶴川を配し、前半から主導権を狙いに行く。3区に折田壮太、4区に黒田然とルーキーを並べ、後半区間は実力のある上級生を並べた。 ただ、箱根駅伝3区で超人的なタイムをマークした太田蒼生(4年)、同2区区間賞の黒田朝日(3年)、箱根6区2位の野村昭夢(4年)が補員登録。当日変更の可能性の高い太田、黒田の起用区間が最大のポイントになる。 出雲ではやや波のあるレース運びとなったが、誰かを欠いても厚い選手層がある。適性と調子を見て選りすぐっての配置となるだろう。 「3強」の中で最も勢いがあるのは、國學院大だ。エントリーメンバーの10000m平均タイムはトップ。前回メンバー7人が残り、前回は2位の青学大とはわずか5秒差で、2区以外は区間6位以内と安定感は高かった。前回以上に戦力は整っている。 2区に青木瑠郁(3年)、6区に山本歩夢(4年)といった実力者を配置。出雲駅伝で優勝のゴールテープを切った主将の平林清澄(4年)や関東インカレ2部ハーフマラソン3位の高山豪起(3年)、上原琉翔(同)ら強力なトップ層を補員に登録。前半後半ともに対応できる布陣だ。 出雲では好位置でレースを進め、終盤の5区で逆転しての優勝。初優勝を狙う全日本に向けての良いイメージがあるだろう。中大、創価大、城西大も強力
「3強」に次ぐ存在として、中大、創価大、城西大も力がある。前回わずか10秒差で4位だった中大は箱根駅伝予選会の影響がどの程度出るか。前回は、3区以外は区間6位以内に収める安定感が光った。10000mで27分台に突入した溜池一太(3年)、5000m13分22秒01を持つ吉居駿恭(同)のダブルエースはいずれも箱根駅伝予選会を回避した。 今回は溜池を1区、箱根駅伝予選会で個人24位と好走した岡田開成(1年)を2区に据え、7区に吉居を配置。日本選手権3000m障害2位の柴田大地(2年)が外れているが、前回8区4位の阿部陽樹(4年)が再びアンカーに回った。岡田、並川颯太、佐藤大介ら活気ある1年生の起用と、予選会チームトップの白川陽大(3年)の走りがカギを握る。 創価大と城西大は初のトップ3入りが視野に入る。創価大は2年前に初出場し、5位、6位と推移。前回5区区間新の吉田響(4年)、出雲駅伝を回避したスティーブン・ムチーニ(2年)が補員登録だが、石丸惇那(3年)を3区、主将の吉田凌(4年)が7区に入った。 関東インカレ2部5000m7位の小池莉希(2年)がメンバーから外れているが、昨年の日本インカレ10000m9位の小暮栄輝(4年)、関東インカレ2部3000m障害1位の黒木陽向(3年)らが脇を固める。出雲駅伝でも2区吉田響が区間賞の走りを見せ、一時は先頭に立っており、流れに乗ってしまえば、そのまま突き進みそうだ。 城西大は三大駅伝すべてで選考会や予選会を経ない初のシーズン。腰を据えた強化を進められたことで、選手権大会の活躍や多くの自己新を生んでいる。前回は1区17位の発進から3、4区のヴィクター・キムタイ(3年)と、斎藤将也(同)の連続区間賞で一気に2位に浮上した。 今回もキムタイが3区、斎藤を4区に並べ、関東インカレ1部ハーフマラソン7位の久保出雄太(4年)が7区、同10000mで日本人トップと躍進した主将の平林樹(同)がアンカーで待ち構える。より斎藤とキムタイの破壊力が増す。しかし、選手層は厚くはなく、上位をキープするには主力が実力を発揮する必要がある。 上位候補6校に加え、8位までが得られるシード権争いも激戦となる。東洋大、早大、大東大がその争いに絡んできそうだ。東洋大はチーム平均で昨年より10000mが10秒以上アップ。大東大と早大は5000mと10000mのどちらも伸ばしている。 前回14位から巻き返しを期す東洋大は関東地区選考会を2位で通過した。松井海斗(1年)、綱本佳悟(3年)、石田洸介(4年)がそれぞれ1~3組のトップを奪い、4組で4年生の小林亮太と梅崎蓮が28分台をマークしている。 出雲駅伝では石田、梅崎は登録されなかったが、今回は梅崎が3区、石田を6区に起用。1区には安定感の高い小林亮太(4年)、7区には緒方澪那斗(3年)、8区に岸本遼太郎(同)と実力のある上級生を並べた。 早大はエースの山口智規(3年)を2区に起用し、前半から上位でのレースを見据える。後半に備えればバランス型の布陣になる。4区に駅伝主将の伊藤大志(4年)5区に10000m27分台の石塚陽士(同)を据え、後半区間にも伊福陽太(4年)や工藤慎作(2年)がいる。出雲では前半型のオーダーで乗り切れなかったが、後半区間で順位を上げられたことはプラスの材料だ。 大東大は前回、6区のピーター・ワンジル(4年)を軸に、堅実につないで18年ぶりにシード権を獲得した。前半は粘ってタイム差を小さくとどめ、中盤以降で盛り返していく。箱根駅伝予選会を経ないため、スピードを高めて臨める点が前回までにない利点。今季も多くの自己新が生まれ、補員登録の西川千青(4年)をどこで起用するか。箱根予選会組の東海大、東京国際大
箱根予選会を経た東海大、東京国際大もあなどれない。関東地区選考会をトップ通過した東海大は、昨年度は全日本9位、箱根11位とシードまであと一歩。箱根駅伝予選会ではアクシデントもあって14位に沈んでいるだけに、期する思いがあるだろう。関東インカレ1部5000m3位の兵頭ジュダ(3年)や鈴木大智(同)がメンバーから外れるなか、2区の花岡寿哉(同)の走りがカギとなる。 前回は箱根駅伝予選会では14位で落選したが、全日本ではシード権を取った東京国際大。中心選手の多くが残り、今年は予選会を8位で無事に通過した。4種目で日本学生記録を持つリチャード・エティーリ(2年)が外れたが、同じ留学生のアモス・ペット(2年)に加え、前回1、3区で好走した木村海斗(4年)、佐藤榛紀(同)を同区間に配置している。 箱根駅伝シード校の帝京大も可能性を秘める。関東地区選考会で力強さを示した3、4組の4人が軸となる。山中博生(4年)は9月に10000m28分04秒54。2区でどんな走りを見せるか。 このほか、関東勢は日体大が3大会ぶり、立教大が初、神奈川大は2大会ぶりの出場となる。いずれも箱根駅伝予選会を経ており、主力選手は疲労とも戦うことになる。 直近3年は上位15校を関東勢が独占。前回は16位の大経大が国士大に31秒差まで迫っているが、今年の出雲駅伝では11位東洋大と12位京産大との差は1分22秒だった。 大経大は今年の関西地区選考会こそ3位通過だったが、力を伸ばしている大学。「関東の一角を崩す」ことが目標だ。同選考会でトップ通過の関大は前回18位のメンバー6人が残るのが強み。4大会ぶりに伊勢路に戻る京産大は、9月の日本インカレ10000mで日本人トップ(7位)の小嶋郁依斗(4年)が2区で関東勢に挑む。 國學院大出身の寺田夏生監督が率いる地元の皇学館大、青学大出身の石鍋颯一(4年)を擁して初出場する岡山大にも注目だ。 レースは午前8時10分スタート。テレビ朝日系列で生中継され、Tverでのライブ配信も行われる。
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