2024.10.28
◇第42回全日本大学女子駅伝(10月27日/宮城・弘進ゴムアスリートパーク仙台発着・6区間38.0km)
第42回全日本大学女子駅伝が行われ、立命大が大会新の2時間3分03秒で9年ぶり11度目の優勝を飾った。
7連覇中だった女王・名城大のアンカー・谷本七星(4年)は、立命大から2分59秒差の4位でフィニッシュを迎えた。
10年連続トップ5入りこそ確保した。しかし、チームとしても、もちろん主将として望んだ結果ではない。「直前にやっと上がってきましたが、夏合宿までの取り組みを見ると、チームの状況は全然うまくいませんでした。最後まで帳尻合わせになった。それが結果に表れたかなと思います」と悔しさを噛みしめる。
1区の米澤奈々香(3年)がトップの大東大と44秒差の9位に。この悪い流れを断ち切り、巻き返すだけのチーム力を、今年は作り切れなかった。3区の石松愛朱加らで少しずつ順位を上げたものの、トップ5に入るのが精いっぱい。谷本の「先頭で走れると、自分のペースでしっかりと走れます。今回はうまく自分のリズムに乗れませんでした」という言葉が、苦しかった継走を物語る。
「苦戦」の前評判を覆し、圧勝で7連覇を成し遂げた昨年の再現を描いてはいた。だが、谷本は「私たちの取り組んできたことに甘さがありました」と振り返る。「『勝っているから私たちは強いんだ』という過信があった」とも。
それは米田勝朗監督も感じていたことで、これこそが勝ち続けることの難しさとも言えるだろう。谷本が言う『甘さ』はもちろん認識し、「言うべき時は伝えてきた」と明かす。それでも、「無理やり修正することもできたかもしれませんが、私自身が今はそういう指導スタイルをとっていません」。
学生主体を貫き、「変わるか変わらないかは学生たちの心ひとつ。言葉じゃなくて、結果でしかわからない部分はあると思っていました」。だからこそ、今回の敗戦は「チームにとってある意味ですごく大事なこと」と言う。
パリ五輪に出場した先輩の山本有真(積水化学)のように、「この中から将来、世界で活躍してもらいたいランナーが何人もいる」と米田監督。そういう意味で、「やるべきことをやっていない状態で勝ってしまうと、その後の競技にプラスにならない」と感じ、学生たちにもはっきりと、「『やるべきことをやっていないチームは勝つべきじゃない』と言っていました」。
全日本では8年ぶり、6連覇中の富士山女子駅伝を含めて7年ぶりとなる学生駅伝の敗戦によって、チームがどう変わるのか。谷本は「しっかり自分たちで考えて、残り2ヵ月、富士山女子駅伝で必ず巻き返したい。チームのみんなには『しっかり100%のチーム力にして、チャレンジャーとして立ち向かっていこう』と話しました」と語り、米田監督は「学生たちがどう変わるか。それをこれから見ていきたい」と前を見据えた。
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