2020.10.23
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第65回「強い選手の共通点?パート2」(向永拓史)
強い選手の条件とは??
広島に来ています。
全国高校大会・U20全国大会で、今シーズンのTF主要競技会の取材は最後かな。シーズンが始まるのが夏にずれ込んだため、いつも早く感じるシーズンですが、いつもにも増して一瞬で終わった気がします。
選手のみなさんにとっては、よりそれを実感されたことでしょう。なんせ、数試合出ただけで、「ハイ、しゅーりょー」となるわけですから。
その数少ない機会でいかに結果を出すか、自分の力を発揮できるか。そこに人間的・競技的な強さが求められますね。
以前のコラム(といっても1年ほど前ですが)で、こんなテーマを書きました。「強い選手の共通点は?」。要約すると「~~したい」より「~~する」のほうが、強そう、叶いそうだよね、ということ。中身はこんな感じです。
→編集部コラム「強い選手の共通点?」(2019年11月)
強くなる選手、才能のある選手、伸びしろのある選手なんて僕にはわかりません。だって、あの選手が今年一気にブレイクして日本選手権200mで優勝するなんて、去年の今頃、誰が想像できましたか? それも踏まえた上で、なんとなーく、強い選手って同じこと言っている気がするなぁと。
当時のコラムでは、こんなことも書きました。
他にも、強い選手は必ず口にする言葉があります。
「自分がどうなりたいか」「自分がどうしたいか」
「自分のやるべきことをやるだけ」
このあたりは、別の機会で書くかもしれません。月陸の選手インタビューなどで共通点を探してみてください。
これをすっかり、1年間もほったらかし。「かもしれません」なんてもってのほかでした。いや、理由はいろいろあったんです。忙しかったし、時間もなかったし…。(人のせい)
先日、取材した九州のスプリンターは、今とても陸上競技が楽しいそうです。記録も伸びまくって結果もでまくっているから? それもあるかもしれませんが、彼女はこう言います。
「自分の求める動きがどうすればできるのか、考えるのが楽しい。だから、今は少し動きや調子が悪くても楽しいと思えます」
もちろん、陸上競技、スポーツですから、相手がいて、勝ち負けがあり、勝つことが目標の一つです。でも、この言葉には、もう一つの陸上競技、スポーツの魅力、奥深さ、楽しさの真理があると思います。
よく競技力の高い選手は「周りを気にしない」と言います。「自分のパフォーマンスを発揮するだけ」だと。誰もが口にするかもしれませんが、これを実際に表現するのは非常に難しいのだと思います。
私は陸上界に携わるようになって、特に女子選手に見られる、大学以降に苦しむ選手をどうにか少しだけでも、スムーズに移行できるようなヒントがないかをずっと探っています。
その中で、400mの千葉麻美さん、やり投の海老原有希さんの引退時の取材に同行し、そのヒントを探ろうとしたことがあります。2人はまったく同じことを言いました。
まず、「陸上競技でどうなりたいか」が大事であること。そして、勝ち負けよりも、走りや技術など「自分の追い求めるパフォーマンス」を追求していくことが重要であること。数センチ、数ミリ、コンマ何秒を考えるのだと。それが明確であれば、「苦しんでいる過程すら楽しい」のだそうです。
苦しいが楽しい。凡人の私には意味がわかりません。でも、たぶん、そうなのだと思います。目標、目的が明確であればあるほど、そこにつながる苦労さえも楽しめる。
さっき述べたスプリンターは、まさにいま、その領域にいて、調子が悪い時は仲間が話しかけられないほどの集中力を見せるそうですが、その不調からの脱し方を考えることを楽しめる。そりゃ強いはずです。
求める理想像も、そして失敗の原因も、常に自分にフォーカスできる。競技面以外でもとても大切だと実感します。何事にも人のせいにしない。そういう強さを身につけたいものです。
さて、そろそろ高校生たちとって、今年最初で最後の「日本一決定戦」が始まります。もちろん大会ですから、「日本一」「勝ち負け」にこだわりつつ、自分のできる最高のパフォーマンスを発揮されるように祈って取材していきます。
3日間、よろしくお願いします。
と、つらつら書いてたら、ご飯食べる時間が……。もうっ、誰だこんな需要があるかどうかわからんコラム書こうなんて言い出したのは…。(やっぱり凡人である私は人のせい。いや、この企画の発案は私だった)
向永拓史(むかえ・ひろし) 月刊陸上競技編集部 新米編集部員 1983年8月30日生まれ。16★cm、★kg、O型。石川県金沢市生まれ、滋賀県育ち。両親の仕事の都合で多数の引っ越しを経験し、幼少期より「どうせ友達になっても離れる」とひねくれて育つ。運動音痴で絵を描くのが好きな少年だったが、小4の時に開幕したJリーグの影響で三浦知良に心酔し、天才漫画家になる未来を絶たれた。いろいろあって2011年全中以降、陸上競技の取材をすることになり、現在に至る。尊敬する人はカズ、尾崎豊、宮本輝、本田宗一郎。 |
編集部コラム第64回「2020年シーズンはまだこれから!!」(小川)
編集部コラム第63回「質と量」(船越)
編集部コラム第62回「たかが2cm、されど2cm」(松永)
編集部コラム第61回「都道府県対抗 女子七種競技選手権」(大久保)
編集部コラム第60回「キソの大切さ」(井上)
編集部コラム第59回「思い込みを捨てる」(山本)
編集部コラム第58回「それ、ドーピングだよ」(向永)
編集部コラム第57回「東京五輪へ“もう1度”あと1年」(小川)
編集部コラム第56回「魔法の言葉」(船越)
編集部コラム第55回「月陸ってどんな雑誌?」(松永)
編集部コラム第54回「インターハイ種目別学校対抗(女子編)」(大久保)
編集部コラム第53回「明確なビジョン」(井上)
編集部コラム第52回「人間性を磨く」(山本)
編集部コラム第51回「指が痛い。」(向永)
編集部コラム第50回「温故知新」(小川)
編集部コラム第49回「対面取材」(船越)
編集部コラム第48回「日本選手権優勝者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第47回「インターハイ種目別学校対抗(男子編)」(大久保)
編集部コラム第46回「月陸に自分が載った」(井上)
編集部コラム第45回「陸上競技と関わり続ける」(山本)
編集部コラム第44回「逃げるとどうなる?」(向永)
編集部コラム第43回「成長のヒント」(小川)
編集部コラム第42回「日本実業団記録」(大久保)
編集部コラム第41回「思い出の2016年長野全中」(松永)
編集部コラム第40回「葛藤」(船越)
編集部コラム第39回「何も咲かない寒い日は……」(井上)
編集部コラム第38回「社会の一員としての役割」(山本)
編集部コラム第37回「大学生、高校生、中学生に光を」(向永)
編集部コラム第36回「Tokyo 2020+1」(小川)
編集部コラム第35回「善意」(船越)
編集部コラム第34回「ピンチをチャンスに」(松永)
編集部コラム第33回「日本記録アラカルト」(大久保)
編集部コラム第32回「独断で選ぶ2019年度高校陸上界5選」(井上)
編集部コラム第31回「記録と順位」(山本)
編集部コラム第30回「答えを見つけ出す面白さ」(向永)
編集部コラム第29回「初めてのオリンピック」(小川)
編集部コラム第28回「人生意気に感ず」(船越)
編集部コラム第27回「学生駅伝〝区間賞〟に関するアレコレ」(松永)
編集部コラム第26回「2019年度 陸上界ナンバーワン都道府県は?」(大久保)
編集部コラム第25回「全国男子駅伝の〝私見〟大会展望」(井上)
編集部コラム第24回「箱根駅伝の高速化を検証」(山本)
編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本)
編集部コラム第23回「みんなキラキラ」(向永)
編集部コラム第22回「国立競技場」(小川)
編集部コラム第21回「〝がんばれ〟という言葉の力と呪縛」(船越)
編集部コラム第20回「日本記録樹立者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第19回「高校陸上界史上最強校は?(女子編)」(大久保)
編集部コラム第18回「独断で選ぶ全国高校駅伝5選」(井上)
編集部コラム第17回「リクジョウクエスト2~そして月陸へ~」(山本)
編集部コラム第16回「強い選手の共通点?」(向永)
編集部コラム第15回「続・ドーハの喜劇?」(小川)
編集部コラム第14回「初陣」(船越)
編集部コラム第13回「どうなる東京五輪マラソン&競歩!?」(松永)
編集部コラム第12回「高校陸上界史上最強校は?(男子編)」(大久保)
編集部コラム第11回「羽ばたけ日本の中距離!」(井上)
編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
編集部コラム第8回「アナウンス」(小川)
編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)
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強い選手の条件とは?? 広島に来ています。 全国高校大会・U20全国大会で、今シーズンのTF主要競技会の取材は最後かな。シーズンが始まるのが夏にずれ込んだため、いつも早く感じるシーズンですが、いつもにも増して一瞬で終わった気がします。 選手のみなさんにとっては、よりそれを実感されたことでしょう。なんせ、数試合出ただけで、「ハイ、しゅーりょー」となるわけですから。 その数少ない機会でいかに結果を出すか、自分の力を発揮できるか。そこに人間的・競技的な強さが求められますね。 以前のコラム(といっても1年ほど前ですが)で、こんなテーマを書きました。「強い選手の共通点は?」。要約すると「~~したい」より「~~する」のほうが、強そう、叶いそうだよね、ということ。中身はこんな感じです。 →編集部コラム「強い選手の共通点?」(2019年11月) 強くなる選手、才能のある選手、伸びしろのある選手なんて僕にはわかりません。だって、あの選手が今年一気にブレイクして日本選手権200mで優勝するなんて、去年の今頃、誰が想像できましたか? それも踏まえた上で、なんとなーく、強い選手って同じこと言っている気がするなぁと。 当時のコラムでは、こんなことも書きました。他にも、強い選手は必ず口にする言葉があります。 「自分がどうなりたいか」「自分がどうしたいか」 「自分のやるべきことをやるだけ」 このあたりは、別の機会で書くかもしれません。月陸の選手インタビューなどで共通点を探してみてください。これをすっかり、1年間もほったらかし。「かもしれません」なんてもってのほかでした。いや、理由はいろいろあったんです。忙しかったし、時間もなかったし…。(人のせい) 先日、取材した九州のスプリンターは、今とても陸上競技が楽しいそうです。記録も伸びまくって結果もでまくっているから? それもあるかもしれませんが、彼女はこう言います。 「自分の求める動きがどうすればできるのか、考えるのが楽しい。だから、今は少し動きや調子が悪くても楽しいと思えます」 もちろん、陸上競技、スポーツですから、相手がいて、勝ち負けがあり、勝つことが目標の一つです。でも、この言葉には、もう一つの陸上競技、スポーツの魅力、奥深さ、楽しさの真理があると思います。 よく競技力の高い選手は「周りを気にしない」と言います。「自分のパフォーマンスを発揮するだけ」だと。誰もが口にするかもしれませんが、これを実際に表現するのは非常に難しいのだと思います。 私は陸上界に携わるようになって、特に女子選手に見られる、大学以降に苦しむ選手をどうにか少しだけでも、スムーズに移行できるようなヒントがないかをずっと探っています。 その中で、400mの千葉麻美さん、やり投の海老原有希さんの引退時の取材に同行し、そのヒントを探ろうとしたことがあります。2人はまったく同じことを言いました。 まず、「陸上競技でどうなりたいか」が大事であること。そして、勝ち負けよりも、走りや技術など「自分の追い求めるパフォーマンス」を追求していくことが重要であること。数センチ、数ミリ、コンマ何秒を考えるのだと。それが明確であれば、「苦しんでいる過程すら楽しい」のだそうです。 苦しいが楽しい。凡人の私には意味がわかりません。でも、たぶん、そうなのだと思います。目標、目的が明確であればあるほど、そこにつながる苦労さえも楽しめる。 さっき述べたスプリンターは、まさにいま、その領域にいて、調子が悪い時は仲間が話しかけられないほどの集中力を見せるそうですが、その不調からの脱し方を考えることを楽しめる。そりゃ強いはずです。 求める理想像も、そして失敗の原因も、常に自分にフォーカスできる。競技面以外でもとても大切だと実感します。何事にも人のせいにしない。そういう強さを身につけたいものです。 さて、そろそろ高校生たちとって、今年最初で最後の「日本一決定戦」が始まります。もちろん大会ですから、「日本一」「勝ち負け」にこだわりつつ、自分のできる最高のパフォーマンスを発揮されるように祈って取材していきます。 3日間、よろしくお願いします。 と、つらつら書いてたら、ご飯食べる時間が……。もうっ、誰だこんな需要があるかどうかわからんコラム書こうなんて言い出したのは…。(やっぱり凡人である私は人のせい。いや、この企画の発案は私だった)
向永拓史(むかえ・ひろし) 月刊陸上競技編集部 新米編集部員 1983年8月30日生まれ。16★cm、★kg、O型。石川県金沢市生まれ、滋賀県育ち。両親の仕事の都合で多数の引っ越しを経験し、幼少期より「どうせ友達になっても離れる」とひねくれて育つ。運動音痴で絵を描くのが好きな少年だったが、小4の時に開幕したJリーグの影響で三浦知良に心酔し、天才漫画家になる未来を絶たれた。いろいろあって2011年全中以降、陸上競技の取材をすることになり、現在に至る。尊敬する人はカズ、尾崎豊、宮本輝、本田宗一郎。 |
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