◇第101回箱根駅伝予選会(10月19日/東京・陸上自衛隊立川駐屯地スタート、昭和記念公園フィニッシュ:21.0975km)
第101回箱根駅伝予選会が行われ、立教大が10時間52分36秒でトップ通過を果たした。
立教大が総合トップで3大会連続の本戦出場を決めた。2年前に6位で「55年ぶり」の本戦出場を決め、前回は前監督の急な退任があった直後に総合6位。4月に髙林祐介新監督を迎え再出発した今回、最高成績で予選会をクリアした。
日中の気温が30度を超え、大会史上もっとも酷な条件。ライバル校に脱水症状などのアクシデントが相次ぐなか、立教大の選手たちの足取りは最後まで確かだった。スピードで勝負してきたチームカラーが一新。汗にまみれながら泥臭く走り切った結果のトップ通過だ。
目標は3位以内に設定。関東インカレ2部ハーフマラソン5位の稲塚大祐(4年)が当日に外れ、同12位の中西洸貴(4年)はエントリーの段階で外れていた。ロードに強いタイプの2人を欠いたのだが、主力の林虎大朗(4年)は「自信はありました。20人、誰が走っても大丈夫な状態でしたから」と動揺はいっさいなかったと言う。
日本選手の有力どころが形成した大集団に、馬場賢人(3年)、林、國安広人(同)、安藤圭佑(4年)らが展開。紫のユニフォームがある程度固まって進んでいたから、傍からは集団走を実行して成功させていたように見えた。
ところがそれは違った。髙林監督が基軸になるペースの設定だけ伝え、各々の判断でペースを守っていたのだ。「こちらとしては集団走を行う方が楽なのですが、選手に尋ねると、『僕たち、そういうのはちょっと苦手で……』と言うんです。なのでこういう形になりました」と指揮官が明かす。
酷暑のなか、全体が徐々にペースダウンしていく。予定のペース通りにいかない中でも、立教大は自律的に走れる選手が多かった。
馬場が1時間3分56秒で日本人3位に食い込むと、林、國安が1時間4分台。8人が100位以内で、10人目のゴールももっとも早かった。個々の力も、総合力も、どちらも秀でていた。
安藤主将は髙林監督就任前、学生が自主運営した時期を支えた。自分の練習を終えた後も、グラウンドに残って仲間を見守ってきた。疲れから選手としては不調に陥っていた。
就任早々の髙林監督が「これからは自分のことに集中しよう」と言ってくれ、その後は「背中で引っ張る」主将になろうと努めた。今回の総合43位(日本人30位)、チーム内4位の個人成績は、選手・安藤としても大きなステップになった。
「シード権獲得で止まるのでなく、その先は上位を争い、強豪校へなっていくべきチームだと思う。そこへつなぐ役目を果たしていきたい」と使命に燃える主将だ。
次は初出場の全日本大学駅伝に挑戦し、正月の本戦へ。髙林監督が当初は「どうかな」と遠く感じていたシード権も、現実味を帯びてきた。古豪にして新境地を切り開く立教大が、次の段階へ進む。
文/奥村 崇
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.02.22
JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン
2025.02.22
【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(花園高3) 61m59=一般規格高校歴代2位
-
2025.02.22
-
2025.02.22
-
2025.02.21
-
2025.02.21
2025.02.17
日本郵政グループ女子陸上部 「駅伝日本一」へのチームづくりとコンディショニング
2025.02.16
男子は須磨学園が逆転勝ち! 女子は全国Vの長野東が強さ見せる/西脇多可高校新人駅伝
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.16
2025.02.02
【大会結果】第77回香川丸亀国際ハーフマラソン(2025年2月2日)
2025.02.02
大迫傑は1時間1分28秒でフィニッシュ 3月2日の東京マラソンに出場予定/丸亀ハーフ
-
2025.02.14
-
2025.02.09
-
2025.02.02
-
2025.01.26
-
2025.01.31
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.02.22
石井優吉がショートトラック800m1分46秒41の日本新!
2月21日、米国ペンシルベニア州カレッジステーションでペンシルベニア州立大の学内学内競技会が同校の室内競技場(1周200m)で行われ、男子800mで石井優吉(ペンシルベニア州立大)が1分46秒41のショートラック日本記録 […]
2025.02.22
JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン
◇大阪マラソン2025(2月24日/大阪・大阪府庁前スタート・大阪城公園フィニッシュ) 大阪マラソンの主催者は2月22日、招待選手の西山雄介(トヨタ自動車)がコンディション不良により欠場することを発表した。 西山は22年 […]
2025.02.22
【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(花園高3) 61m59=一般規格高校歴代2位
2月22日、京都市の京産大総合グラウンド競技場で第11回京都陸協記録会が行われ、一般規格の男子ハンマー投でアツオビン・アンドリュウ(花園高3京都)が高校歴代2位となる61m59をマークした。 アツオビンは昨年のU20日本 […]
2025.02.22
円盤投・堤雄司が自己2番目の61m76でV 女子100mH青木益未は13秒04 福田翔太、郡菜々佳も優勝/WAコンチネンタルツアー
世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ブロンズラベルのインターナショナル・トラック・ミート2025が2月22日、ニュージーランドのクライストチャーチで行われ、男子円盤投で堤雄司(ALSOK群馬)が61m76のセカンドベス […]
2025.02.22
「インターハイでも勝ちたい」高校2年の栗村凌がU20男子を制す 女子は真柴愛里が貫禄/日本選手権クロカン
◇第40回U20日本選手権クロスカントリー(2月22日/福岡・海の中道海浜公園) U20日本選手権クロスカントリーが行われ、男子(8km)では栗村凌(学法石川高2福島)が23分20秒で優勝を果たした。 今年も全国から有力 […]
Latest Issue
最新号

2025年3月号 (2月14日発売)
別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝