2020.10.22
連載28区
「箱根駅伝予選会を振り返る!」
箱根駅伝予選会に感動!今年は無観客のため去年の写真です!
みなさん、こんばんは!
先日、東京都立川市の陸上自衛隊立川駐屯地内にて箱根駅伝予選会が行われました。天気はあいにくの雨。さらに今年は無観客ということもあり、例年より少し寂しさを感じました。
私が住んでいる新潟県はテレビ中継されない地域でしたので、 Twitterで駅伝ファンの方の呟きや、家族の連絡を頼りに予選会の進捗を追っていました。
(※ちなみに西村家で1番の駅伝好きは私……ではなく母なのです! レースを楽しみにし過ぎて夜中3時に目が覚めてしまい、睡眠時間が2時間だったらしい笑)
壮絶なルーキー対決!
注目が集まったのは、何と言ってもトラックシーズンで大活躍したスーパールーキーの2人。順天堂大学・三浦龍司選手と中央大学・吉居大和選手です。
今年7月に行われたホクレン・ディスタンスチャレンジ千歳大会にて、三浦選手は3000m障害で、吉居選手は5000mで、ともにU20日本新記録を更新する快走を披露しました。
高校時代もトラック・駅伝問わず強烈な印象を残しています。そんな2人が初めて挑む箱根駅伝予選会ですので、注目と期待が集まるのは当然の流れ。その前評判通り、彼らは日本人トップ集団を牽引してレースを展開していくことになりました。
スタートの号砲直後から、今年も各チームのエースである留学生ランナーたちが先頭集団を形成しました。今年は新型コロナウイルスの関係で、入国規制のため日本に戻ってくることに時間がかかってしまった留学生選手もいたそうです。
さらにこの日は日本特有の寒さがあり、留学生にとっては厳しい状況だったかもしれません。それでも圧巻のスピードで走る姿は今年も健在。多くの日本人選手に良い刺激を与えたことと思います。
1位でフィニッシュしたのは拓殖大学のジョセフ・ラジニ選手(2年)。拓殖大学の予選通過に大きく貢献する走りを披露し、チームも全体9位で本戦への切符を掴み取りました。1時間0分13秒という驚異的なタイムに Twitter上ではラジニ選手を称賛する声が横溢していました。
留学生ランナーで思い出したのですが……。昨年、現地で観戦をした際、当時・桜美林大学のレダマ・キサイサ選手が通過するところを拝見しました。その時、一緒にいたNGT48のマネージャーさんに「あの選手は日本の方なんだね!」と言われました。……いやいや、彼は留学生ですから。「違いますよ~ケニアからの留学生ですよ」と返すと、「いや、だって、伊藤!って沿道の人に呼ばれていたよ」とのこと。
どうやらマネージャーさんは沿道の方の『ファイト!』という声かけが、『伊藤!』に聞こえたらしく、勘違いしたみたいです(笑)まあ絶妙にわからなくもないのですが……そんなこともあったなぁと、ふと思い出しました。ちなみにキサイサ選手は現在実業団のカネボウに所属し、今もなお日本で活躍し続ける素敵なランナーです。
話を今年の予選会に戻しまして。
留学生が走る先頭集団の後方には、三浦選手と吉居選手を含む日本人先頭集団が形成され、レースが展開していきます。U20の記録を保持する2人が競り合いは、まさに夢の競演。インタビューで拝見したのですが、2人は自他共に認める良いライバル関係です。
その競り合いを制し、レース終盤に飛び出したのは三浦選手でした。見事日本人トップでフィニッシュ。1年生ながら堂々の全体5位という成績です。マークした1時間1分41秒はハーフマラソンU20日本最高記録。3000m障害だけでなく長距離にも対応できる強さを大学陸上界に印象づけました。
日本人トップは1年生の三浦選手!すごい!
吉居選手は全体10位、日本人選手6位という結果。三浦選手との差は僅か6秒で、十分立派な成績ではあるのですが、悔しさが残る結果だったようです。
日本陸上界の次世代を担う選手とはいえ、まだ1年生。周りからの注目にきっとプレッシャーもあったはず。それでも期待以上の成績を残すあたりはさすがです。これから始まる大学駅伝の舞台でさらに花開いてくれることと思います。2人のライバル対決にこれからも注目していきたいです。
4年生の走りに感動
もちろん、レースを盛り上げたのはルーキーだけではありません。日本体育大学の池田耀平選手、筑波大学の猿橋拓己選手と西研人選手、他にも城西大学の菊地駿弥選手といった4年生ランナーが最後の箱根駅伝出場を目指して、果敢に先頭争いを繰り広げ、前へ前へと力強い走りを披露しました。
西選手は一般入試で筑波大学に入学し、1年時の同大会の成績は個人181位でした。そこから着実に成績を伸ばしていき、特に今年は大きくジャンプアップし9位という結果を残しました。残念ながら今年は惜しくも予選通過できませんでしたが、西選手や猿橋選手たち4年生の走りは、後輩たちの「いだてん魂」に火をつけたことでしょう。
西選手の飛躍は素晴らしいと思います!
私が今年最も注目をしていた麗澤大学は初出場を狙うも、残念ながら13位。今年も本戦への切符を手に入れることはできませんでした。しかし、ポジティブな要素もありました。昨年の総合成績10時間57分12秒を大幅に上回る10時間36分07をマーク。この記録は昨年1位通過を果たした東京国際大学が残したタイム(10時間47分29秒)より速い記録なのです。
もちろん今年はコースも違い、天候も涼しく走りやすい状況でありました。例年にないスピードレースだったことが各校の記録からも伺えます。それを加味しても、胸を張れる成績だと思います。
箱根駅伝に出場する難しさや厳しさを改めて実感した予選会となりました。雨のなか、チームのために走り続けた選手のみなさんは本当に勇敢で、最後の最後まで輝いていました。またみなさんの走る姿を拝見できることを楽しみにしています。
早く状況が落ち着いて、来年は現地で観戦できるといいなぁと思います。
今回も読んでくださり、ありがとうございました。
来年はファンの方々も現地で観戦できますように……
※Twitterのハッシュタグ「♯西村菜那子の陸上日記」で感想や質問、コラムの内容など随時募集中!
前回の記事はこちら
![]() NGT48 西村菜那子(にしむら・ななこ) 1997年8月11日生/O型/長野県出身 特技:クラシックバレエ、歴代の箱根駅伝の優勝校を暗記 趣味:陸上観戦、サッカー観戦 2015年にNGT48第1期生オーディションに合格。両親の影響で幼い頃から駅伝を好きになる。アイドルとしての活動を続ける中で、自身のSNSを通して陸上競技に関する情報を発信。駅伝関連のメディア出演も多数。 西村菜那子モバイルサイト ●Information NGT48 5thシングル『シャーベットピンク』発売中!©︎Flora ![]() 最新情報はNGT48公式HPまで 舞台『酔狂落語』落語に挑戦!11月3日~29日(出演は3日)詳細は公式HPまで/舞台『風が強く吹いている』6月10日~17日公演予定※新型コロナウイルスの影響で延期となりました。詳細は公式HPまで |

連載28区 「箱根駅伝予選会を振り返る!」

壮絶なルーキー対決!
注目が集まったのは、何と言ってもトラックシーズンで大活躍したスーパールーキーの2人。順天堂大学・三浦龍司選手と中央大学・吉居大和選手です。 今年7月に行われたホクレン・ディスタンスチャレンジ千歳大会にて、三浦選手は3000m障害で、吉居選手は5000mで、ともにU20日本新記録を更新する快走を披露しました。 高校時代もトラック・駅伝問わず強烈な印象を残しています。そんな2人が初めて挑む箱根駅伝予選会ですので、注目と期待が集まるのは当然の流れ。その前評判通り、彼らは日本人トップ集団を牽引してレースを展開していくことになりました。 スタートの号砲直後から、今年も各チームのエースである留学生ランナーたちが先頭集団を形成しました。今年は新型コロナウイルスの関係で、入国規制のため日本に戻ってくることに時間がかかってしまった留学生選手もいたそうです。 さらにこの日は日本特有の寒さがあり、留学生にとっては厳しい状況だったかもしれません。それでも圧巻のスピードで走る姿は今年も健在。多くの日本人選手に良い刺激を与えたことと思います。 1位でフィニッシュしたのは拓殖大学のジョセフ・ラジニ選手(2年)。拓殖大学の予選通過に大きく貢献する走りを披露し、チームも全体9位で本戦への切符を掴み取りました。1時間0分13秒という驚異的なタイムに Twitter上ではラジニ選手を称賛する声が横溢していました。 留学生ランナーで思い出したのですが……。昨年、現地で観戦をした際、当時・桜美林大学のレダマ・キサイサ選手が通過するところを拝見しました。その時、一緒にいたNGT48のマネージャーさんに「あの選手は日本の方なんだね!」と言われました。……いやいや、彼は留学生ですから。「違いますよ~ケニアからの留学生ですよ」と返すと、「いや、だって、伊藤!って沿道の人に呼ばれていたよ」とのこと。 どうやらマネージャーさんは沿道の方の『ファイト!』という声かけが、『伊藤!』に聞こえたらしく、勘違いしたみたいです(笑)まあ絶妙にわからなくもないのですが……そんなこともあったなぁと、ふと思い出しました。ちなみにキサイサ選手は現在実業団のカネボウに所属し、今もなお日本で活躍し続ける素敵なランナーです。 話を今年の予選会に戻しまして。 留学生が走る先頭集団の後方には、三浦選手と吉居選手を含む日本人先頭集団が形成され、レースが展開していきます。U20の記録を保持する2人が競り合いは、まさに夢の競演。インタビューで拝見したのですが、2人は自他共に認める良いライバル関係です。 その競り合いを制し、レース終盤に飛び出したのは三浦選手でした。見事日本人トップでフィニッシュ。1年生ながら堂々の全体5位という成績です。マークした1時間1分41秒はハーフマラソンU20日本最高記録。3000m障害だけでなく長距離にも対応できる強さを大学陸上界に印象づけました。
4年生の走りに感動
もちろん、レースを盛り上げたのはルーキーだけではありません。日本体育大学の池田耀平選手、筑波大学の猿橋拓己選手と西研人選手、他にも城西大学の菊地駿弥選手といった4年生ランナーが最後の箱根駅伝出場を目指して、果敢に先頭争いを繰り広げ、前へ前へと力強い走りを披露しました。 西選手は一般入試で筑波大学に入学し、1年時の同大会の成績は個人181位でした。そこから着実に成績を伸ばしていき、特に今年は大きくジャンプアップし9位という結果を残しました。残念ながら今年は惜しくも予選通過できませんでしたが、西選手や猿橋選手たち4年生の走りは、後輩たちの「いだてん魂」に火をつけたことでしょう。

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