2024.09.28
三大駅伝フル出場、「3本まとめるのが難しい」
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6月の日本学生個人選手権5000mで優勝した小池
小学生の頃、マラソン大会で走るのが速かった小池は、長野・高陵中の部活動で本格的に陸上を始めた。高校は「強くなりたい」という思いから名門の佐久長聖に進んだが、6年間を通して、個人種目でも駅伝でも全国の舞台に立った経験はない。ただ、「佐久長聖の3年間があったからこそ、今、このレベルまで来ている」と確信している。
「厳しい寮生活を経験したこともありますが、それ以上に顧問の高見澤勝先生と市村一訓コーチが手厚い指導だけでなく、走る以外の補強や生活の細かい部分を重視して見てくれました。それが大学に来てからも生かされています」
補欠止まりだった都大路を走りたかった思いは残ったが、「次は大学駅伝で頑張ろう」とすぐに切り替えられたという。
創価大を選んだのは、「練習環境や寮が充実していたことと、近年の駅伝で目まぐるしい成長を遂げている。ここなら自分も強くなれるという直感があった」からだ。実際にチームに加入すると、「普段は明るく和やかですが、やる時はしっかりやる。チームの雰囲気が自分とマッチしていると感じました」と、良いモチベーションで大学生活をスタートさせた。
その昨年度、ルーキーながら三大駅伝フル出場を果たす。2位でゴールした出雲駅伝は、のちに留学生のドーピング規則違反が判明し、チーム全体で失格となったが、2区を区間5位相当で走破。全日本大学駅伝は4区16位、箱根駅伝は8区15位だった。三大駅伝を走り終えて感じたのが、「3本まとめるのがいかに難しいか」ということだった。
「駅伝シーズンの3~4ヵ月、ずっと良いコンディションでいるのは相当難しかったです。昨年も9月が一番調子は良く、そこからどんどん落ちていきました。12月にはシンスプリントになり、箱根もギリギリで出られた感じです。1年目だから勢いで出雲から行けるかなと思っていましたが、結局、行けませんでした」
距離への対応にも苦労した。「高校ではハーフまで走らないので、10000mより長いレースは不安ばかりでした。そう考えると全日本や箱根は自信もなかったですし、力もなかったと今は感じています」と振り返る。
今季の創価大は、出雲と全日本で3位以内、箱根で総合優勝を目標に掲げた。その中で小池はどういう役割を果たすつもりでいるのか。
「エース格のスティーブン(・ムチーニ/2年)や(吉田)響さん(4年)もいますが、僕も主要区間をしっかり走って活躍したいです。今は5kmが一番得意なので、出雲はスピードを生かせる区間、全日本は2区、箱根は往路を走りたいです」
小池はレースの際、果敢に集団の前に出たり、1人で飛び出したりすることが多い。それは「自分の性格もあるかもしれませんが、前でレースを進めた方が走り終わった後に収穫が多いから」と話す。
高校までは後半に失速することも少なくなかったが、めきめきと力をつけた今季は違う。駅伝シーズンでもスピード感あふれる快走で、創価大を勢いづけそうだ。
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23年出雲駅伝2区で区間5位相当で走った小池
◎こいけ・りき/2004年11月26日生まれ、長野県飯田市出身。高陵中→佐久長聖高→創価大。自己記録5000m13分34秒82、10000m28分26秒33、ハーフマラソン1時間3分26秒。
文/小野哲史
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トラック9レースで充実のシーズン
大学2年目に入って充実のトラックシーズンを過ごし、小池莉希が昨季以上に存在感を高めている。3月から7月にかけてトラックレース9戦をこなしたなか、小池は6月15日の日本学生個人選手権5000mを会心のレースに挙げた。 エントリーしたうちの6人が棄権し、出走はわずか3人。写真判定機の不具合による手動計時で13分47秒3と、自己記録(13分34秒82)には届かなかったものの、「9レースでは一番内容が良かった」と振り返る。 「練習の一環のような感じで出場しましたが、最初から速いペースで入り、そこから耐えて、最後の1000mも2分40秒ぐらいまで上げられました。自分でも力がついたと感じましたし、3人だけのレースでしたが、今までなかったタイトルを手にできたという点でも良かったです」 他にも5月の関東インカレ2部5000mで7位入賞、7月のホクレン・ディスタンスチャレンジ士別大会10000mでは28分26秒33の自己ベストなど、各レースとも高水準で安定した結果を残した。成長できた要因を「2月下旬から3週間ほどのケニア合宿でしっかり走り込めたことと、『創価大学のエースになるんだ』という強い気持ちで取り組めているから」と分析する。これまでに比べると、「だいぶ連戦ができるようになった」面も大きい。 ケニア合宿は、小池にとって初めての海外。行きは大学の榎木和貴監督が同行し、現地ではヤクルトのダニエル・ジェンガコーチに世話になったが、「日本人は自分一人だけで不安でした」と明かす。それでも「環境に慣れることと、どうしてケニアの選手が強いのかに着目しながら取り組んだ」と目的意識を持って日々を過ごした。そして、その答えも自分なりに見えてきたという。 「まず合宿地が標高2000から2300mぐらいの高地で、クロスカントリーのアップダウンがあるコースを走るとかなりきつくて、思っていたよりも走れませんでした。そういう過酷なところで練習していれば、良い環境に行ったら走れるだろうなと。実際、帰国して5日後に出場した新潟ハーフも意外とすんなり1km3分ぐらいで行けたので、これは成果が出ているなと実感できました」 そして、7月下旬から約3週間、再びケニアへ。この時は野沢悠真(3年)や齊藤大空(2年)らと一緒で、夏合宿の位置づけだった。「基本的に1日3部練で、土台を作るためにゆっくりのペースで、しっかり距離を稼ぐことを重視しました。高地に慣れるまでの1週間は苦しかったですが、そこからは日本の練習と同じように距離走や軽いインターバルでのスピード強化も行いました」。駅伝シーズンに向け、順調にメニューを消化した。三大駅伝フル出場、「3本まとめるのが難しい」
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