2024.09.25
女子中長距離の田中希実(New Balance)が9月25日、都内で会見を開き、活動報告会として2024年シーズンを振り返った。
今夏のパリ五輪に1500mと5000mで出場。いずれも決勝進出はならなかったが、その後のダイヤモンドリーグ(DL)では5000mでファイナルにも進出した。記録面でも1500mは3年ぶりの3分台、5000mも14分31秒88のシーズンベストをはじめ、両種目で高いアベレージ。着実に成長している姿を見せた。
パリ五輪については「幸せだったという一言に尽きます」。特にそこに向かうまでの過程で「チームとして足並みがそろって向かっていけた幸せを感じましたし、どんな結果であれ自分自身が受け入れられる努力をできたことが幸せでした」と言う。
ただ、「その努力が報われたとは言えない」と目指してきた2種目での決勝進出はならず悔しさを残し、「世間的には結果が一番大事という舞台。私の幸せを結果に乗せないと伝わりにくい」とも。そういった数々の経験すら「アスリートだからこそ、五輪だからこそ味わえた」と捉えている。
その後はDL転戦をこなし、ファイナルの前にはパリ五輪前と同じイタリアで合宿。「やり直せた」。DLファイナルは5000mで14分31秒88の6位という堂々の走り。「悔しさはありますが、来年への一歩は踏み出せた」と語る。1500mと5000mの両種目で、東京世界選手権の参加標準記録を突破してシーズンを終えた。
最後まで自身の日本記録(1500m3分59秒19、5000m14分29秒18)を狙ったが届かず。「何か自分に足りないところがあるとしたら、やっぱり世界の本当のトップオブトップを目指すところ」という思いを強くした。
「これまで目標設定をぼやかしてきたからこそ得た結果もありますが、あとちょっと届かないのはその差かもしれない。苦しむかもしれないですが、世界のトップを目指して、その一点に集中してトレーニングや生活をしていきい」。
来年9月の東京世界選手権に向けて、参加標準記録を突破しているだけにスケジュールも大まかに決めているという。さらには4年後のロス五輪に向けて「培ったものを1年、1年発揮できるように、階段のような4年間にしていきたい」と語る。
「切り開いていく姿勢をお見せしたいですし、これから不安もあり、ドキドキしていますが、たくさんの方々に支えられながら先陣を切っていきたい」と田中。そして、「たくさんの人を驚かせたい。期待しないほうが驚きも大きいと思うので、ぼんやりと思っていてもらえたらうれしいです」とはにかんだ。
パリの悔しさはありつつも、充実の表情だった。これまでもその走りで人々を魅了してきた田中。来年の東京世界選手権、そしてロス五輪へ。もっと世界をあっと驚かせるパフォーマンスを見せていきそうだ。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.22
フランス発のランニング専門ブランド「KIPRUN」 いよいよ日本でも本格展開
-
2025.04.22
-
2025.04.22
2025.04.17
駅伝王者に復権した旭化成 選手たちがパフォーマンスを最大限に発揮できた要因とは?
-
2025.04.19
-
2025.04.17
-
2025.04.20
-
2025.04.16
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
2025.03.23
女子は長野東が7年ぶりの地元V アンカー・田畑陽菜が薫英女学院を逆転/春の高校伊那駅伝
-
2025.04.01
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.22
駒大・大八木総監督の「Ggoat」が新チーム設立! 駒大OB中心に個人レースや駅伝出場へ 中高生の指導も開始
駒大総監督の大八木弘明氏が選手とともに世界を目指すアスリートプロジェクト「Ggoat Project」は4月21日、新たなチーム「Ggoat Running Team」を設立したと発表した。2月から活動を始めている。 新 […]
2025.04.22
フランス発のランニング専門ブランド「KIPRUN」 いよいよ日本でも本格展開
フランス発のランニング専門ブランド「KIPRUN」。2018年にその歴史が始まったが、瞬く間に世界中の話題を席巻した。2025年1月には千葉・幕張にもオフィシャルショップがオープンし、徐々に日本国内でもその名が知られるよ […]
2025.04.22
劇場長編アニメーション『ひゃくえむ。』 主演は松坂桃李さん&染谷将太さんに決定! 東京世界陸上開催中の9月19日から公開
人気漫画「チ。―地球の運動について―」で手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞するなど、注目を集める漫画家の魚豊さんの連載デビュー作「ひゃくえむ。」。その劇場版アニメの9月19日に公開されることが決まった。 また、物語に登場する […]
2025.04.22
コリルが2時間4分45秒でメジャーマラソン連勝!女子はロケディが2時間17分22秒の大会新V/ボストンマラソン
第129回ボストン・マラソンは4月21日に米国の当地で行われ、男子はジョン・コリル(ケニア)が大会歴代3位の2時間4分45秒で優勝した。女子でシャロン・ロケディ(ケニア)が2時間17分22秒の大会新で制した。 最初の5k […]
2025.04.22
Onが三浦龍司をアスリート契約締結「新しい競技人生のスタート」本職初戦で世界陸上「内定決めたい」
スイスのスポーツブランド「On(オン)」は4月22日、男子3000m障害で五輪2大会連続入賞の三浦龍司(SUBARU)とアスリート契約締結を発表した。同日、国立競技場で会見を開いた。 勢いに乗るスポーツメーカーと日本のエ […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)