HOME 国内

2024.09.23

100mH田中佑美が自己新の12秒83 中島ひとみ初の12秒台、7人目の突入/全日本実業団
100mH田中佑美が自己新の12秒83 中島ひとみ初の12秒台、7人目の突入/全日本実業団

12秒台に入った中島を祝福した福部と田中

◇第72回全日本実業団対抗選手権(9月21日~23日/山口・維新百年記念公園陸上競技場)3日目

全日本実業団対抗選手権の3日目が行われ、女子100mハードルは日本記録保持者の福部真子(日本建設工業)が12秒81(+1.9)をマークして優勝。この記録は自己4番目&パフォーマンス日本歴代4位の好記録だった。

2位にはパリ五輪代表の田中佑美(富士通)が12秒83で入り、日本歴代2位の自己記録を更新。「地味な自己新」と苦笑い。「後半は今やりたい脚を引き込むような動きを入れて最後は崩れました」と振り返り、「今回が一番良いコンディションだったので、すべてが噛み合えば実力以上の記録、12秒6台、5台が出れば最高だと思っていた」と話す。

五輪では準決勝の隣で走ったポーランド代表の12秒5のリズムを見て「この技術ができれば」と一つの目安を作ることができた。この冬は「ハードルを低くしたり、インターバルを縮めたりして、技術的に体験できるように工夫していきたい」と具体的なイメージを持っていた。

3位に入った中島ひとみ(長谷川体育施設)は、自身初、日本女子7人目の13秒00切りとなる12秒99をマーク。タイムが出た際は歓喜の声を上げ、ライバルたちからも祝福を受けた。

「“神風”が吹いた中で運が良かった」と謙遜するが、今季は13秒0を複数回出しており、「条件がそろえばいつか出るだろう」と手応えはあった。それでもなかなか出せず、「もしかして出ないのかな」と見えない壁にも苦しんだという。

広告の下にコンテンツが続きます

福部と同じ1995年度生まれの29歳。2010年には全中100mハードルを制しているように、同世代のトップハードラーの1人だった。

兵庫・夙川学院高時代は2年時に13秒85を出し、国体や日本ユース選手権優勝など果たしたが、インターハイは3連覇の福部に屈した。同じ兵庫出身の宇都宮絵莉(長谷川体育施設)にあこがれて園田学園女大へ。しかし、故障などもあり日本インカレのタイトルは手にできなかった。

ただ、それでも「宇都宮先輩のように一緒に頑張ってくれる存在がいたからこそ頑張って来られました」。この日、今季で引退する宇都宮から「絶対に(12秒台を)見せて」と声をかけられてスタートに立ったという中島。あこがれ続けてきた先輩への最高のはなむけとなった。

「次はコンスタントにこのタイムを出せるように。やっぱり勝てていないので、今日の喜びは今日だけにして、明日からまた一生懸命、練習したいと思います」と涙をこぼしながらも笑顔を見せた。

◇第72回全日本実業団対抗選手権(9月21日~23日/山口・維新百年記念公園陸上競技場)3日目 全日本実業団対抗選手権の3日目が行われ、女子100mハードルは日本記録保持者の福部真子(日本建設工業)が12秒81(+1.9)をマークして優勝。この記録は自己4番目&パフォーマンス日本歴代4位の好記録だった。 2位にはパリ五輪代表の田中佑美(富士通)が12秒83で入り、日本歴代2位の自己記録を更新。「地味な自己新」と苦笑い。「後半は今やりたい脚を引き込むような動きを入れて最後は崩れました」と振り返り、「今回が一番良いコンディションだったので、すべてが噛み合えば実力以上の記録、12秒6台、5台が出れば最高だと思っていた」と話す。 五輪では準決勝の隣で走ったポーランド代表の12秒5のリズムを見て「この技術ができれば」と一つの目安を作ることができた。この冬は「ハードルを低くしたり、インターバルを縮めたりして、技術的に体験できるように工夫していきたい」と具体的なイメージを持っていた。 3位に入った中島ひとみ(長谷川体育施設)は、自身初、日本女子7人目の13秒00切りとなる12秒99をマーク。タイムが出た際は歓喜の声を上げ、ライバルたちからも祝福を受けた。 「“神風”が吹いた中で運が良かった」と謙遜するが、今季は13秒0を複数回出しており、「条件がそろえばいつか出るだろう」と手応えはあった。それでもなかなか出せず、「もしかして出ないのかな」と見えない壁にも苦しんだという。 福部と同じ1995年度生まれの29歳。2010年には全中100mハードルを制しているように、同世代のトップハードラーの1人だった。 兵庫・夙川学院高時代は2年時に13秒85を出し、国体や日本ユース選手権優勝など果たしたが、インターハイは3連覇の福部に屈した。同じ兵庫出身の宇都宮絵莉(長谷川体育施設)にあこがれて園田学園女大へ。しかし、故障などもあり日本インカレのタイトルは手にできなかった。 ただ、それでも「宇都宮先輩のように一緒に頑張ってくれる存在がいたからこそ頑張って来られました」。この日、今季で引退する宇都宮から「絶対に(12秒台を)見せて」と声をかけられてスタートに立ったという中島。あこがれ続けてきた先輩への最高のはなむけとなった。 「次はコンスタントにこのタイムを出せるように。やっぱり勝てていないので、今日の喜びは今日だけにして、明日からまた一生懸命、練習したいと思います」と涙をこぼしながらも笑顔を見せた。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.02.22

今年も福岡でクロカン日本一決定戦! 日本選手権&U20日本選手権クロカンに有力選手が多数出場

第108回日本選手権クロスカントリー、第40回U20日本選手権クロスカントリーは今日2月22日、福岡・海の中道海浜公園の1周2kmのコースを舞台に行われる。 日本選手権は男子が10km、女子が8kmで争われ、男子にはパリ […]

NEWS 編集部コラム「奥が深い」

2025.02.21

編集部コラム「奥が深い」

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]

NEWS ひらまつ病院にニューイヤー駅伝3年連続出走の三田眞司が加入 「チームの最高順位に貢献」

2025.02.21

ひらまつ病院にニューイヤー駅伝3年連続出走の三田眞司が加入 「チームの最高順位に貢献」

ひらまつ病院は2月16日付で、サンベルクスに所属していた三田眞司が加入したと発表した。 29歳の三田は神奈川県出身。光明学園相模原高では3年時に全国都道府県対抗男子駅伝4区9位と力走。国士大では3年時に全日本大学駅伝で3 […]

NEWS 斎藤将也、不破聖衣来、菖蒲敦司らが欠場を発表/日本選手権クロカン

2025.02.21

斎藤将也、不破聖衣来、菖蒲敦司らが欠場を発表/日本選手権クロカン

福岡クロカン事務局は第108回日本選手権クロスカントリーの2月21日時点での欠場者リストを公開した。 男子では斎藤将也(城西大)や谷本昂士郎(順大)ら5人が新たに欠場を発表。女子は不破聖衣来、新井沙希(ともに拓大)、板井 […]

NEWS 国内唯一の室内100mに山縣亮太が登場 投てきは幸長慎一に注目 走幅跳8m40の台湾記録保持者参戦/JAG大崎

2025.02.21

国内唯一の室内100mに山縣亮太が登場 投てきは幸長慎一に注目 走幅跳8m40の台湾記録保持者参戦/JAG大崎

2025 Japan Athlete Games in Osakiが2月23日、鹿児島県大崎町のジャパンアスリートトレーニングセンター大隅で開催される。 この大会は2020年鹿児島国体がコロナ禍で中止(2023年に特別大 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年3月号 (2月14日発売)

2025年3月号 (2月14日発売)

別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝

page top