2024.09.15
◇ダイヤモンドリーグ最終戦/ブリュッセル(ベルギー)
世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)のファイナルに、女子やり投の北口榛花(JAL)が出場し、6回目に今季ベストとなる66m13を投げて大会連覇を成し遂げた。
苦しんだ今シーズン。最後に魅せたのは“逆転の北口”だった。2回目に65m08をマークしてトップに立った北口。5回目まで順位が変わらなかったが、2位だったアドリアナ・ヴィラゴシュ(セルビア)が6回目に65m23とわずかに北口を抜いてトップへ。
今シーズン最後の一投。「絶対に来るなら彼女だと思っていた。なにも6投目じゃなくてもと思いながら、ここはいつもの6投目の北口だから、任せろって」。力強く放たれたやりが大きな弧を描いて飛んでいく。突き刺さると、大きな歓声が沸き起こった。抜き返したかはわからなかったそうだが、ライバルたちからの祝福に笑顔が弾けた。
女子トラック&フィールド種目で初の金メダルに輝いたパリ五輪。だが、その後は「疲労がどっと来た」ことで、「初めて腰痛になりました」。コンディションが落ち、「動きたくなくて、3週間はリハビリみたいに、練習できなかった」と明かす。
そこからの仕上げに「身近にいる人は今日勝つとは思っていなかったと思う」というほど。それでも力でたぐり寄せるのが、女王が女王たるゆえんなのだろう。
昨年もこのDLブリュッセルで67m38の日本新記録を樹立した験の良い大会。昨年の活躍、そして五輪金メダルもあって「ハルカ!」と呼ぶ声も増えた。「海外の方々が名前(の書いたボード)を持ってくれたり、声をかけてくれたり、海外のみなさんにも日本の北口、やり投の北口と知ってもらえてうれしいです」。
今季は身体の状態が整わず、なかなか思うような投げができずに苦しんだが、五輪とDLファイナルだけは譲らず。「最後に自分らしい試合ができたかな」と笑う。
選ばれた者だけが立つことのできるDLファイナルでの連覇という偉業を成し遂げた。これで今シーズンは終了で、6月以来、日本に戻る。来年は東京世界選手権が控えるシーズン。「来年はどたばたしないように最初からコンディショニングに注意しながら冬季に鍛えていくことが大事」と見据えていた。
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Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)