塩尻和也が選んだデサント「GENTEN-EL」
カーボンプレート搭載エリートレーシングシューズ/PR
〝厚底旋風〟が続くランニングシューズ界において、昨年12月にデサントジャパンが満を持して発表したのが「GENTEN(原点)」シリーズだ。「ランナー本来の走りを引き出す」をコンセプトに、あえて〝薄底〟を前面に打ち出して展開している。その中でもトップレーシングモデルである「GENTEN-EL」は、日本を代表するランナーの1人である塩尻和也(富士通)が開発に携わったシューズ。「GENTEN」の魅力はどんなところにあるか、塩尻が語った。
自ら開発に携わったデサントの「GENTEN-EL」を愛用する塩尻和也(富士通)
「GENTEN-EL」で復帰戦を快走
7月のホクレン・ディスタンスチャレンジシリーズ。中止が続いていた競技会開催を待っていたかのように好記録が続出した。その最終戦となった千歳大会5000mに出場した塩尻和也(富士通)は、昨年9月以来となる約10 ヵ月ぶりのレースで13分39秒79と好走を見せた。
その足元には、自らが開発段階から携わってきたデサントの「GENTEN(原点)」シリーズのエリートモデル、「GENTEN-EL」があった。
「3000m障害は別として、トラックレースは5000m、10000mともあまりスパイクを履きません。大会に出るまでの練習でも主にこのシューズを履いてきたので、その流れでレースでも着用しました」(塩尻)
GENTENは「人間が本来持つパフォーマンスを引き出す」ことを目指してデサントが開発。近年、各メーカーが多様なテクノロジーを搭載したシューズを発表するなか、シューズに走りを合わせるのではなく、「日本人の走りに適したシューズ」を作るという明確なコンセプトを打ち出して誕生した。
中足部に角度をつけることで、着地からの推進力を自然と得られるように設計されたドロップ形状。高いホールド性を実現したアッパーや、鉄の200倍の強度を持つ結合炭素原子素材「グラフェン」を採用したアウトソールなど、まさに名前に込められた「走りの原点」を再現しようとするデサントの想いが感じられるシューズだ。
GENTENシリーズはここ数年で陸上・ランニング界を席巻している厚底のレーシングシューズと一線を画している。見た目はどこか懐かしさを覚える薄底タイプ。カーボンプレート入りのスピードシューズとして注目されているトップモデル「GENTEN-EL」のほか、レーシングモデルの「GENTEN-RC」、トレーニングモデルの「GENTEN-ST」の3種類がラインナップされている。「トレーニングで使うシューズをそのままレースでも使うことが多い」と言う塩尻はELをメインで着用するが、ジョグや距離走ではRCを使用するなど、状況に合わせて履き分けもしている。
「スピードを出したい時はELが使いやすいですね。ロードレースではまだ履いていないので何とも言えませんが、トラックにはかなり適していると思います。一方で、クッション性を考えると長い距離を走る時はRCの方が良いかなとも思います」
「地面を強く蹴る感覚が欲しいランナーに」
レーシングシューズを選ぶにあたっては、塩尻も過去には練習で厚底モデルを試したことがあったという。だが、結果として選んだのはこのGENTENだった。
「抽象的な言い方になりますが、トータルで履いた感触が合っていて、走りの邪魔にならないことが大事。僕は人よりも地面を強く蹴るタイプなので、この走り方には薄底の方が合っていて、足の回転もスムーズだと感じています」とシューズ選びのポイントを明かす。
GENTEN-ELに独自形状のカーボンプレートが搭載されていることに関しても「カーボンが入っていれば速く走れるとは考えていません。ただ、僕の感覚には合っている」とし、「僕と同じで、地面を強く蹴る感覚が欲しいランナーにはぜひ試してもらいたいですね」と、さらなる広がりを期待する。
塩尻にとって陸上競技人生の原点は「自己ベスト」。「高校で陸上を始めた頃はなかなかトップを取れなかったけど、自己ベストを出すことはモチベーションであり、楽しみでした。もちろん勝つこと、順位が大切な時もありますが、タイムというわかりやすい指標があるからこそ気持ちを持っていけることも陸上競技の魅力。そこはこれからも追い求めていきたい」と語った。
12月には日本選手権の3000m障害を控え、昨年度は故障で棒に振ったロードシーズンでも躍動しそうな気配を見せている。この夏にリリースされたGENTENのニューカラーは、所属する富士通のチームカラーでもあるレッド。社会人2年目になって馴染んできた色をまとい、これからどんな走りを見せるだろうか。
文/田中 葵
世界陸連の改定ルールをクリア
デサントジャパンは今年7月に世界陸連が発表したトラック種目におけるシューズの新ルールに関して、「GENTEN-EL(※1)」「GENTEN-RC(※2)」「DELTA TRI OP」の3モデルが800m以上のトラックレースで使用可能な「ソールの厚さ25㎜以内」の基準をクリアしたと発表した。
なかでも塩尻が愛用している「GENTEN-EL」は軽量薄底でありながらカーボンプレートを搭載しており、この新規定によってさらに注目を集めることになりそうだ。
GENTEN-EL(※1)、17,600円
GENTEN-RC(※2)、15,400円
GENTEN-ST、13,200円
※この記事は『月刊陸上競技』2020年11月号に掲載しています
<関連リンク>
デサント「GENTEN」(ブランドサイト)
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塩尻和也が選んだデサント「GENTEN-EL」 カーボンプレート搭載エリートレーシングシューズ/PR
〝厚底旋風〟が続くランニングシューズ界において、昨年12月にデサントジャパンが満を持して発表したのが「GENTEN(原点)」シリーズだ。「ランナー本来の走りを引き出す」をコンセプトに、あえて〝薄底〟を前面に打ち出して展開している。その中でもトップレーシングモデルである「GENTEN-EL」は、日本を代表するランナーの1人である塩尻和也(富士通)が開発に携わったシューズ。「GENTEN」の魅力はどんなところにあるか、塩尻が語った。
「GENTEN-EL」で復帰戦を快走
7月のホクレン・ディスタンスチャレンジシリーズ。中止が続いていた競技会開催を待っていたかのように好記録が続出した。その最終戦となった千歳大会5000mに出場した塩尻和也(富士通)は、昨年9月以来となる約10 ヵ月ぶりのレースで13分39秒79と好走を見せた。 その足元には、自らが開発段階から携わってきたデサントの「GENTEN(原点)」シリーズのエリートモデル、「GENTEN-EL」があった。 「3000m障害は別として、トラックレースは5000m、10000mともあまりスパイクを履きません。大会に出るまでの練習でも主にこのシューズを履いてきたので、その流れでレースでも着用しました」(塩尻) GENTENは「人間が本来持つパフォーマンスを引き出す」ことを目指してデサントが開発。近年、各メーカーが多様なテクノロジーを搭載したシューズを発表するなか、シューズに走りを合わせるのではなく、「日本人の走りに適したシューズ」を作るという明確なコンセプトを打ち出して誕生した。 中足部に角度をつけることで、着地からの推進力を自然と得られるように設計されたドロップ形状。高いホールド性を実現したアッパーや、鉄の200倍の強度を持つ結合炭素原子素材「グラフェン」を採用したアウトソールなど、まさに名前に込められた「走りの原点」を再現しようとするデサントの想いが感じられるシューズだ。 GENTENシリーズはここ数年で陸上・ランニング界を席巻している厚底のレーシングシューズと一線を画している。見た目はどこか懐かしさを覚える薄底タイプ。カーボンプレート入りのスピードシューズとして注目されているトップモデル「GENTEN-EL」のほか、レーシングモデルの「GENTEN-RC」、トレーニングモデルの「GENTEN-ST」の3種類がラインナップされている。「トレーニングで使うシューズをそのままレースでも使うことが多い」と言う塩尻はELをメインで着用するが、ジョグや距離走ではRCを使用するなど、状況に合わせて履き分けもしている。 「スピードを出したい時はELが使いやすいですね。ロードレースではまだ履いていないので何とも言えませんが、トラックにはかなり適していると思います。一方で、クッション性を考えると長い距離を走る時はRCの方が良いかなとも思います」「地面を強く蹴る感覚が欲しいランナーに」
レーシングシューズを選ぶにあたっては、塩尻も過去には練習で厚底モデルを試したことがあったという。だが、結果として選んだのはこのGENTENだった。 「抽象的な言い方になりますが、トータルで履いた感触が合っていて、走りの邪魔にならないことが大事。僕は人よりも地面を強く蹴るタイプなので、この走り方には薄底の方が合っていて、足の回転もスムーズだと感じています」とシューズ選びのポイントを明かす。 GENTEN-ELに独自形状のカーボンプレートが搭載されていることに関しても「カーボンが入っていれば速く走れるとは考えていません。ただ、僕の感覚には合っている」とし、「僕と同じで、地面を強く蹴る感覚が欲しいランナーにはぜひ試してもらいたいですね」と、さらなる広がりを期待する。 塩尻にとって陸上競技人生の原点は「自己ベスト」。「高校で陸上を始めた頃はなかなかトップを取れなかったけど、自己ベストを出すことはモチベーションであり、楽しみでした。もちろん勝つこと、順位が大切な時もありますが、タイムというわかりやすい指標があるからこそ気持ちを持っていけることも陸上競技の魅力。そこはこれからも追い求めていきたい」と語った。 12月には日本選手権の3000m障害を控え、昨年度は故障で棒に振ったロードシーズンでも躍動しそうな気配を見せている。この夏にリリースされたGENTENのニューカラーは、所属する富士通のチームカラーでもあるレッド。社会人2年目になって馴染んできた色をまとい、これからどんな走りを見せるだろうか。 文/田中 葵世界陸連の改定ルールをクリア
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