◇第20回U20世界選手権(8月27~31日/ペルー・リマ)4日目
第20回U20世界選手権の4日目が行われ、日本勢は3つ目のメダルを獲得する“メダルラッシュ”となった。
その口火を切ったのが男子800mの落合晃(滋賀学園高3)。1分47秒03で3位に食い込み、世界陸連主催の全カテゴリーの世界大会を通じて史上初のメダリストに。今大会の日本勢としてもメダル「第1号」となった。
男子棒高跳では吉田陸哉(関大)が自己新の5m40をクリアし、銀メダルに輝いた。
5m05を2回失敗した以外は安定した跳躍を見せる吉田は、自己タイの5m30を2回目にクリアして3位以内を確定。メダルの色を決める勝負の中で、5m35を一発で越えてトップに立ち、銀メダル以上を決めると、5m40も1回で成功してみせた。
ヘンドリック・ミューラー(ドイツ)との金メダル争いは5m45へ。互いに2度バーを落とし、土壇場の3回目。先に挑戦したミューラーがクリアし、吉田は失敗して惜しくも頂点には届かなかった。だが、世界の舞台で大躍進を遂げた。
日本勢の同種目メダリストは、2018年タンペレ大会銅の江島雅紀(日大)のみ。吉田は日本勢2人目のメダル獲得で、江島を上回る過去最高順位をつかんだ。
奈良・王寺工高出身の大学2年生。都祁中時代は4m10がベストで全国大会の出場経験はなかったが、高校で急成長。2年時のU18大会で2位に入ると、3年時にはインターハイ3位となっている。
大学入学後もU20日本選手権2位など結果を残し、今季はU20アジア選手権銀メダル、U20日本選手権優勝とさらに躍進。8月10日の地元の競技会で5m30の自己ベストをマークし、初の世界大会に弾みをつけていた。
村社亮太(日大)も5m20で4位入賞と、メダルにあと一歩に迫った。
男子走高跳では中谷魁聖(福岡第一高3)がセカンドベストタイの2m19をクリアし、銅メダルを獲得した。
2m15を2回目、2m17は3回目で成功と粘り、4人が2m19に挑戦。ここで中谷は一発で越え、1人が3回失敗してメダルが確定した。
続く2m21は3回ともクリアならず、メダルの色は銅となったが、4月のU20アジア選手権銀メダル、8月の地元・福岡インターハイを2m24の高校新で制した勝負強さを世界の舞台でも発揮した。
同種目では、現日本記録保持者の戸邉直人(JAL)が筑波大1年で出場した2010年タンペレ大会で銅メダルを獲得して以来、14年ぶり3人目のメダル獲得となった。
男子走幅跳でも土屋拓人(聖和学園高3宮城)が7m56(+1.1)で8位入賞。大森恵偉音(福岡第一高2)も7m32(+1.4)で10位と、この日は男子跳躍陣の活躍が光った。
男子1000m競歩は逢坂草太朗(東洋大)が39分39秒36で5位、吉迫大成(東学大)が40分14秒67で8位を占め、ダブル入賞を飾った。逢坂は終盤まで先頭集団で粘り強く戦い、吉田も入賞ラインを最後まで死守した。
女子800mで日本人3人目のファイナリストとなった久保凛(東大阪大敬愛高2)は、2分03秒31で6位。後半のメダル争いには届かなかったが、日本勢過去最高位に並ぶ力走を見せた。
女子3000mでただ1人決勝に残った鈴木美海(筑波大1)は、途中転倒もあって9分41秒15で15位。同10000m競歩決勝は久家すずか(金沢学大)が46分38秒20で14位、奥野紗(浪速高3大阪)は46分51秒77で16位だった。
最終日の決勝に向けたラウンドも白熱の展開に。男子4×400mリレー予選に、日本は1走から大石亮太(浜松開誠館高3静岡)、前日の400mで5位入賞の白畑健太郎(東洋大)、権田浬(早大)、菊田響生(法政二高3神奈川)のオーダーで臨み、3分07秒04で堂々の1着通過を果たした。タイムも3分05秒16の米国に次ぐ全体2番目。決勝は大会のフィナーレを飾る最終種目として、日本時間の明日午前8時45分に行われる。
男子4×100mリレーは連覇を目指し、2日目の100mで5位に入賞した西岡尚輝(東海大仰星高3大阪)をアンカーに据え、1走から小室歩久斗(つくば秀英高3茨城)、若菜敬(佐野高3栃木)、佐藤克樹(東京学館新潟高2)というオーダーで予選に出場。だが、40秒32で4着フィニッシュとなり、決勝支出はならず。さらに、その後に失格の判定となった。
男子400mハードル準決勝は1組に出場した菊田が51秒04、3組の権田が51秒80といずれも3着。プラスでも届かず、決勝進出を逃した。
大会最終日はアフタヌーンセッションのみ。日本時間2日午前6時から行われる。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.02.21
編集部コラム「奥が深い」
2025.02.21
ひらまつ病院にニューイヤー駅伝3年連続出走の三田眞司が加入 「チームの最高順位に貢献」
2025.02.21
斎藤将也、不破聖衣来、菖蒲敦司らが欠場を発表/日本選手権クロカン
-
2025.02.21
-
2025.02.21
2025.02.17
日本郵政グループ女子陸上部 「駅伝日本一」へのチームづくりとコンディショニング
2025.02.16
男子は須磨学園が逆転勝ち! 女子は全国Vの長野東が強さ見せる/西脇多可高校新人駅伝
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.16
2025.02.02
【大会結果】第77回香川丸亀国際ハーフマラソン(2025年2月2日)
2025.02.02
大迫傑は1時間1分28秒でフィニッシュ 3月2日の東京マラソンに出場予定/丸亀ハーフ
-
2025.02.14
-
2025.02.09
-
2025.02.02
-
2025.01.26
-
2025.01.31
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.02.21
編集部コラム「奥が深い」
毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]
2025.02.21
ひらまつ病院にニューイヤー駅伝3年連続出走の三田眞司が加入 「チームの最高順位に貢献」
ひらまつ病院は2月16日付で、サンベルクスに所属していた三田眞司が加入したと発表した。 29歳の三田は神奈川県出身。光明学園相模原高では3年時に全国都道府県対抗男子駅伝4区9位と力走。国士大では3年時に全日本大学駅伝で3 […]
2025.02.21
斎藤将也、不破聖衣来、菖蒲敦司らが欠場を発表/日本選手権クロカン
福岡クロカン事務局は第108回日本選手権クロスカントリーの2月21日時点での欠場者リストを公開した。 男子では斎藤将也(城西大)や谷本昂士郎(順大)ら5人が新たに欠場を発表。女子は不破聖衣来、新井沙希(ともに拓大)、板井 […]
2025.02.21
国内唯一の室内100mに山縣亮太が登場 投てきは幸長慎一に注目 走幅跳8m40の台湾記録保持者参戦/JAG大崎
2025 Japan Athlete Games in Osakiが2月23日、鹿児島県大崎町のジャパンアスリートトレーニングセンター大隅で開催される。 この大会は2020年鹿児島国体がコロナ禍で中止(2023年に特別大 […]
2025.02.21
中央学大に全国高校駅伝出場の神吉惺翔ら、新たに5人が入学決定
2月20日、中央学大はSNSで今春入学の選手を発表した。1月にも13人の入学予定選手を発表していたが、新たに5人の合格が決まり、総勢18人の振優勢が入部する。 新たに発表された選手のうち、神吉惺翔(西脇工・兵庫)が昨年末 […]
Latest Issue
最新号

2025年3月号 (2月14日発売)
別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝