HOME 海外、五輪

2024.08.10

チェベトが史上3人目の長距離2冠!ケニアに10000m初金メダルもたらし「達成できると信じていた」/パリ五輪
チェベトが史上3人目の長距離2冠!ケニアに10000m初金メダルもたらし「達成できると信じていた」/パリ五輪

パリ五輪女子5000m、10000m2冠のチェベト

◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)9日目

パリ五輪・陸上競技9日目のイブニングセッションが行われ、女子10000mはベアトリス・チェベト(ケニア)が30分43秒25で制し、5000mとの2冠に輝いた。この組み合わせでの2冠は08年北京大会のティルネス・ディババ(エチオピア)、前回大会のシファン・ハッサン(オランダ)に続く史上3人目の快挙だ。

序盤はスローペースから、五島莉乃(資生堂)が引っ張る展開。5000mを15分38秒4で通過したあたりから徐々にレースが動き始めたが、誰からが大きくレースを動かすことはしない。その中で、チェベトは常に先頭のすぐ近くの位置をキープし続けた。

細かい揺さぶりが続きながら、10人ほどの集団でラスト1周へ。そこからのスプリント勝負で、チェベトはバックストレートから満を持してスパートをかけた。昨年のブダペスト世界選手権覇者のグダフ・ツェガイ(エチオピア)が追い切れず、ハッサンも追い上げたが届かない。ただ1人食い下がった欧州女王のナディア・バットクレッティ(イタリア)を0.10秒差で退け、フィニッシュラインを駆け抜けた。

これまで、世界選手権雄5000mで22年オレゴン銀、23年ブダペスト銅と2つ目のメダルを獲得しているものの、一躍注目を集めたのは今季。5月のダイヤモンドリーグ(DL)・ユージン大会10000mで、トラックでは史上初の29分切りとなる28分54秒14の世界新記録を樹立した。同種目の公認レースでは自身2度目の挑戦での快走に、世界中が衝撃を受けた。

そして、五輪初出場だった今大会で2冠と大ブレイク。「とてもうれしいです。5000mと10000mを走るのは簡単なことではありません。でも、集中して、達成できると信じていました」と振り返る。

広告の下にコンテンツが続きます

特に世界記録を持つ10000mは、「ケニアは金メダルを獲得したことがありません。だから、10000mで金メダルを獲得するケニア最初の女性になりたいと思っていました」。意外にも同種目でまだ手にしていなかった勲章を、長距離王国にもたらした。

「まず5000m、次に10000m」と語っていた目標を、有言実行で見事に成し遂げた24歳。時代の到来を告げる、圧巻の強さだった。

◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)9日目 パリ五輪・陸上競技9日目のイブニングセッションが行われ、女子10000mはベアトリス・チェベト(ケニア)が30分43秒25で制し、5000mとの2冠に輝いた。この組み合わせでの2冠は08年北京大会のティルネス・ディババ(エチオピア)、前回大会のシファン・ハッサン(オランダ)に続く史上3人目の快挙だ。 序盤はスローペースから、五島莉乃(資生堂)が引っ張る展開。5000mを15分38秒4で通過したあたりから徐々にレースが動き始めたが、誰からが大きくレースを動かすことはしない。その中で、チェベトは常に先頭のすぐ近くの位置をキープし続けた。 細かい揺さぶりが続きながら、10人ほどの集団でラスト1周へ。そこからのスプリント勝負で、チェベトはバックストレートから満を持してスパートをかけた。昨年のブダペスト世界選手権覇者のグダフ・ツェガイ(エチオピア)が追い切れず、ハッサンも追い上げたが届かない。ただ1人食い下がった欧州女王のナディア・バットクレッティ(イタリア)を0.10秒差で退け、フィニッシュラインを駆け抜けた。 これまで、世界選手権雄5000mで22年オレゴン銀、23年ブダペスト銅と2つ目のメダルを獲得しているものの、一躍注目を集めたのは今季。5月のダイヤモンドリーグ(DL)・ユージン大会10000mで、トラックでは史上初の29分切りとなる28分54秒14の世界新記録を樹立した。同種目の公認レースでは自身2度目の挑戦での快走に、世界中が衝撃を受けた。 そして、五輪初出場だった今大会で2冠と大ブレイク。「とてもうれしいです。5000mと10000mを走るのは簡単なことではありません。でも、集中して、達成できると信じていました」と振り返る。 特に世界記録を持つ10000mは、「ケニアは金メダルを獲得したことがありません。だから、10000mで金メダルを獲得するケニア最初の女性になりたいと思っていました」。意外にも同種目でまだ手にしていなかった勲章を、長距離王国にもたらした。 「まず5000m、次に10000m」と語っていた目標を、有言実行で見事に成し遂げた24歳。時代の到来を告げる、圧巻の強さだった。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.04.15

Athlete of The Year賞に北口榛花を選出! 2024年度「実業団陸上of The Year」発表

日本実業団陸上競技連合は4月15日、2024年度「実業団陸上of The Year 表彰」の受賞者・受賞チームをホームページで発表し、個人賞のAthlete of The Year賞に8月のパリ五輪女子やり投で、マラソン […]

NEWS 神戸マラソンがMGCシリーズ加盟 愛知アジア大会、ロス五輪代表の選考へつながるレースに

2025.04.15

神戸マラソンがMGCシリーズ加盟 愛知アジア大会、ロス五輪代表の選考へつながるレースに

日本陸連は4月15日、「神戸マラソン2025」がMGCシリーズ2025-26に加盟したと発表した。 MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)シリーズは、前身のJMCシリーズを継承したもので、ポイントにより年間王者を決 […]

NEWS 100mH寺田明日香「今季限りで一線を退く」東京世界陸上目指してラストスパート「引退」は使わず

2025.04.15

100mH寺田明日香「今季限りで一線を退く」東京世界陸上目指してラストスパート「引退」は使わず

女子100mハードル元日本記録保持者の寺田明日香(ジャパンクリエイト)が都内で会見を開き、今季限りでの第一線を退く意向を表明した。 冒頭のキャリアを振り返るVTRが流れると、登壇早々から涙を浮かべた寺田。一線を退く意向を […]

NEWS コモディイイダ・高橋舞衣が退職 2月の愛媛マラソンで骨折 「この決断が後に良かったと思えることを信じて」

2025.04.15

コモディイイダ・高橋舞衣が退職 2月の愛媛マラソンで骨折 「この決断が後に良かったと思えることを信じて」

コモディイイダはは4月15日付で、高橋舞衣が退職すると発表した。2月の愛媛マラソンで骨折し、今後は地元の愛媛で治療とリハビリに専念するという。 高橋は愛媛・今治北高では主要な全国大会への出場はなかったが、松山大では1年時 […]

NEWS 東海大が陸上競技場に電子ペーサーを常設! トラック内側に4色点滅のLED325個を配置

2025.04.14

東海大が陸上競技場に電子ペーサーを常設! トラック内側に4色点滅のLED325個を配置

東海大陸上部と工学部は4月14日、東海大湘南キャンパス内陸上競技場にLEDライトをトラックの縁に置いてペース設定に合わせて光る「電子ペーサー」を3月から常設したと発表した。国内メーカーによる開発と、陸上競技場への常設は国 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top