◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)6日目
パリ五輪・陸上競技の6日目のイブニングセッションに行われた男子200mの敗者復活戦で、飯塚翔太(ミズノ)は20秒72(+1.0)の4着となり、4度目の五輪で念願の準決勝進出は果たせなかった。
男子個人では最多タイの4大会連続出場となった飯塚。前日の予選を20秒67(+0.2)の5着となって迎えたのが今大会から採用された敗者復活戦だった。
「プラン的には普通に走れていた」と言うが、序盤からなかなかスピードに乗れず。ラストはやや前との差を詰めたが届かなかった。
「シンプルに遅い。出力やキレ、根本的なレベルが低かったです」と振り返る。実は日本選手権前から坐骨神経痛に悩まされ、予選も痛み止めを打って出場。「ほとんど練習ができなかった」と明かし、その影響が出てしまった。
4度目の五輪。「最初は結果を出すことがすべてでした」。今は「普段会わないような国の人がいて、見たこともない国旗がある。いろいろな問題を抱えている国も。そういう中でここに来て、走る。それはオリンピックならでは」と感じるようになり、「そうした選手と交流したり、同じスタートラインに立つのがオリンピックの素晴らしさだと痛感します」と言う。
今回は同学年で同じミズノのやり投・ディーン元気と同部屋。「12年ぶりの彼も特別な思いで来たと思う。お互い意思疎通しながらうまくやっています」と笑う。
ここまで長く続けられる秘訣を聞かれ、「そうですね……」。あまりにも、飯塚にとって当たり前のことなのかもしれない。
「普段から誰かと練習することで競り合えるし、技術も作っていける」と、若手とトレーニングすることでモチベーションも技術も高めている。試合の結果にも「割り切ること」で、「今日もダメでしたけど、こういう日もある。そういう運命だったということ」と捉えているという。
そして何より、飽くなき情熱がある。予選から「こんなに速い選手がいっぱいいる。練習頑張らないとなって思うんです。やっぱりこの舞台を走れて楽しい」と、まるで高校生のような輝いた目で話す。これがある限り、飯塚翔太は走り続ける。
今大会は男子主将。リレーメンバーとしてやれることもある。
4×100mリレーで銀メダルを取ったリオ五輪も「悔しい気持ちが走りに出るもの。今みんなすごい悔しい気持ちをぶつけて、冷静に燃えていくしかない」とし、「もちろん何かあったときのために準備しますし、状況を見ながらやれることを見つけていきたい」と全力でサポートする構えだ。
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