◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)1日目
パリ五輪・陸上競技1日目のモーニングセッション(アフタヌーンセッション)が行われ、女子1500mに出場した田中希実(New Balance)は4分04秒28で11着にとどまり、準決勝通過ラインの6着に届かなかった。だが、残り200mで接触があり、その救済措置を受けて2大会連続の準決勝進出を決めた。
スタート直後から飛び出し、独走する。1500m、5000mの2種目で決勝を戦うことを目指した今大会だったが、陸上2日目の5000mは予選で敗退。「五輪が終わったような気持ち」と表現するほどの失意を味わった。
直後は「どうしても目標が見つからなくて、どう気持ちを立て直せばいいのかわからなかった」が、時間が経つにつれて「自分だけのレースじゃない」と思い直した。コーチでもある父・健智さん、母・千洋さんをはじめ、支えてくれた人たちの顔が浮かぶ。
そして、「まずは日本記録の更新を」と1500m予選のターゲットを決めた。8位に入賞した3年前の東京五輪、その準決勝でマークした3分59秒19を目指して、序盤からハイペースを刻む。
1周目は62秒97。600m付近でグダフ・ツェガイ(エチオピア)に追いつかれたが、縦長の集団を引っ張るかたちで800mは2分09秒16で通過する。
そこからツェガイが前に出て、田中は集団の中で粘る展開。ラスト1周では4番手だったが、バックストレートから少しずつ、後方の選手にかわされ始める。その流れから残り200mで他の選手と接触し、急激にペースダウン。11着でのフィニッシュとなった。
この時点では2種目ともに予選敗退という結果を受けて、「ラストでいい位置を取れなくて、そこで惜しまけてしまったことが敗因」と語り、特に接触後の走りを涙ながらに「ラストに気持ちが切れたようなシーンになってしまったんじゃないかとすごく申し訳ない気持ちです」と振り返った。
だがその後、救済措置の判定が出て、2大会連続の準決勝進出が決定。「自分の中ですごく頑張ったから、こういう運が巡ってきたんじゃないかと思います」と田中。
次のターゲットははっきりしている。予選でできなかった「最後まで駆け抜けること」だ。
「今日、スタートラインに立てたのは、たくさんの人と一緒に走っているっと思ったから。心細さなく、最初から行くことができました」。そこから、準決勝では少し、「自分のために」も加えていく
「たくさんの人と一緒に走りながらも、今日以上に自分のためにっていう部分もしっかり持ち直して、たくさんの人と一緒に楽しみ尽くすレースがしたいと思います」
笑顔のフィニッシュができれば、その先の世界へとつながるはずだ。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.02.22
三浦龍司が圧巻スパートで優勝 井川龍人は2年連続2位/日本選手権クロカン
2025.02.22
【大会結果】第108回日本選手権クロスカントリー(2025年2月22日)
-
2025.02.21
-
2025.02.21
-
2025.02.21
-
2025.02.21
2025.02.17
日本郵政グループ女子陸上部 「駅伝日本一」へのチームづくりとコンディショニング
2025.02.16
男子は須磨学園が逆転勝ち! 女子は全国Vの長野東が強さ見せる/西脇多可高校新人駅伝
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.16
2025.02.02
【大会結果】第77回香川丸亀国際ハーフマラソン(2025年2月2日)
2025.02.02
大迫傑は1時間1分28秒でフィニッシュ 3月2日の東京マラソンに出場予定/丸亀ハーフ
-
2025.02.14
-
2025.02.09
-
2025.02.02
-
2025.01.26
-
2025.01.31
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.02.22
「インターハイでも勝ちたい」高校2年の栗村凌がU20男子を制す 女子は真柴愛里が貫禄/日本選手権クロカン
◇第40回U20日本選手権クロスカントリー(2月22日/福岡・海の中道海浜公園) U20日本選手権クロスカントリーが行われ、男子(8km)では栗村凌(学法石川高2福島)が23分20秒で優勝を果たした。 今年も全国から有力 […]
2025.02.22
三浦龍司が圧巻スパートで優勝 井川龍人は2年連続2位/日本選手権クロカン
◇第108回日本選手権クロスカントリー(2月22日/福岡・海の中道海浜公園) 来年1月の世界クロスカントリー選手権(米国・タラハシー)の代表選考を兼ねた第108回日本選手権クロスカントリーが行われ、男子(10km)はパリ […]
2025.02.22
【大会結果】第108回日本選手権クロスカントリー(2025年2月22日)
【大会結果】第108回日本選手権クロスカントリー(2025年2月22日/福岡・海の中道海浜公園) ●男子10km 1位 三浦龍司(SUBARU) 28分24秒 2位 井川龍人(旭化成) 28分25秒 3位 塩尻和 […]
2025.02.22
今年も福岡でクロカン日本一決定戦! 日本選手権&U20日本選手権クロカンに有力選手が多数出場
第108回日本選手権クロスカントリー、第40回U20日本選手権クロスカントリーは今日2月22日、福岡・海の中道海浜公園の1周2kmのコースを舞台に行われる。 日本選手権は男子が10km、女子が8kmで争われ、男子にはパリ […]
2025.02.21
編集部コラム「奥が深い」
毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]
Latest Issue
最新号

2025年3月号 (2月14日発売)
別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝