HOME 国内、日本代表、五輪
サニブラウン9秒96でも決勝に届かず「世界はもっともっと前進している」/パリ五輪
サニブラウン9秒96でも決勝に届かず「世界はもっともっと前進している」/パリ五輪

レース後には悔しさもにじませる表情を見せたサニブラウン

◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)4日目

パリ五輪・陸上競技の4日目のイブニングセッションに男子100mの準決勝が行われ、サニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)は3組で9秒96(+0.5)の自己新(日本歴代2位)をマークして4着に入った。この結果で来年の東京世界選手権の参加標準記録(10秒00)も突破。しかし、プラスで拾われたのは9秒93まで。夢の五輪決勝まであと0.03秒届かなかった。

フィニッシュ後、頭を抱えたサニブラウン。「やらかしたのがわかりました」。スタートは「誰にも負けない」と自信を持って加速したが、「80mでテンポが停滞してしまいました。もっとしっかり行かないといけなかったです」。

日本記録の「9秒95を切るくらいでないと決勝に行けないと思っていた」という見立て通り。ラストがまとめられていれば「9秒91か92くらい出ていた」と振り返るだけに、悔しさがつのった。

22年オレゴン世界選手権、昨年のブダペスト世界選手権とファイナルに残っていたサニブラウンをもってしても、「オリンピックはレベルが全然違いました」と言い、「やっぱりアジア記録(9秒83)くらい出さないと決勝もメダルもない」。

ケガに泣いた東京五輪から3年間。「1ミリ、1ミリですが前進できている」。そう実感を得られたが、それ以上に「世界はもっともっと前進している」のを体感した。「やっぱり準決勝が一番、切羽詰まっている。そこで決めないといけない」し、「この中でメダルを取る選手がいかにすごいか」。それを感じられたのは、しっかりこの舞台に立てたからでもある。

「悔しい結果ですが、こういう舞台で走れるのはすごく幸せ」

ただ、「まだオリンピックは終わっていない」とサニブラウン。4×100mリレーが残されている。

3年前の東京五輪は「参加賞だけだった」と話していた。「切り替えて、リレーは気合を入れて臨みます」とサニブラウン。「国立競技場を満員にしたい」と語る来年の東京世界選手権のためにも、今度こそ手ぶらで帰るつもりはない。

◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)4日目 パリ五輪・陸上競技の4日目のイブニングセッションに男子100mの準決勝が行われ、サニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)は3組で9秒96(+0.5)の自己新(日本歴代2位)をマークして4着に入った。この結果で来年の東京世界選手権の参加標準記録(10秒00)も突破。しかし、プラスで拾われたのは9秒93まで。夢の五輪決勝まであと0.03秒届かなかった。 フィニッシュ後、頭を抱えたサニブラウン。「やらかしたのがわかりました」。スタートは「誰にも負けない」と自信を持って加速したが、「80mでテンポが停滞してしまいました。もっとしっかり行かないといけなかったです」。 日本記録の「9秒95を切るくらいでないと決勝に行けないと思っていた」という見立て通り。ラストがまとめられていれば「9秒91か92くらい出ていた」と振り返るだけに、悔しさがつのった。 22年オレゴン世界選手権、昨年のブダペスト世界選手権とファイナルに残っていたサニブラウンをもってしても、「オリンピックはレベルが全然違いました」と言い、「やっぱりアジア記録(9秒83)くらい出さないと決勝もメダルもない」。 ケガに泣いた東京五輪から3年間。「1ミリ、1ミリですが前進できている」。そう実感を得られたが、それ以上に「世界はもっともっと前進している」のを体感した。「やっぱり準決勝が一番、切羽詰まっている。そこで決めないといけない」し、「この中でメダルを取る選手がいかにすごいか」。それを感じられたのは、しっかりこの舞台に立てたからでもある。 「悔しい結果ですが、こういう舞台で走れるのはすごく幸せ」 ただ、「まだオリンピックは終わっていない」とサニブラウン。4×100mリレーが残されている。 3年前の東京五輪は「参加賞だけだった」と話していた。「切り替えて、リレーは気合を入れて臨みます」とサニブラウン。「国立競技場を満員にしたい」と語る来年の東京世界選手権のためにも、今度こそ手ぶらで帰るつもりはない。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.09.17

世界陸連会長・セバスチャン・コー氏がIOC会長選に立候補 現役時代に男子1500mで2度の金メダル

9月16日、国際オリンピック委員会(IOC)はトーマス・バッハ会長の任期満了に伴って行われる次期会長選に立候補した7人を発表し、世界陸連(WA)のセバスチャン・コー会長が立候補したことを明らかにした。 コー氏は67歳。現 […]

NEWS 世界女王・北口榛花に特製『やり投ハイチュウ』贈呈!「やりより重たい」

2024.09.16

世界女王・北口榛花に特製『やり投ハイチュウ』贈呈!「やりより重たい」

女子やり投でパリ五輪金メダルに輝いた北口榛花(JAL)が9月16日に帰国し、都内で会見を開いた。その席でサプライズが待っていた。 7月16日にサポート契約を結んだ森永製菓から、やり投を模したケースにハイチュウなど、お菓子 […]

NEWS やり投世界一・北口榛花「悩み、もがき続けた1年」五輪金メダルとDLトロフィーとともに凱旋帰国

2024.09.16

やり投世界一・北口榛花「悩み、もがき続けた1年」五輪金メダルとDLトロフィーとともに凱旋帰国

女子やり投の北口榛花(JAL)が9月16日に帰国し、都内で会見を開いた。 光り輝くパリ五輪金メダルとダイヤモンドリーグ(DL)ファイナルを手に帰国した北口。冒頭で「オリンピックとダイヤモンドリーグ・ファイナルと重要な試合 […]

NEWS 女子やり投アジア選手権入賞の久世生宝が今季限りで引退 「感謝の気持ちでいっぱい」

2024.09.16

女子やり投アジア選手権入賞の久世生宝が今季限りで引退 「感謝の気持ちでいっぱい」

女子やり投の久世生宝(コンドーテック)が9月15日、10月の佐賀国民スポーツ大会を最後に現役引退することを明らかにした。 久世は岡山県出身の29歳。幼少期から陸上に親しみ、中学では短距離が専門。倉敷中央高校進学後、体力強 […]

NEWS 女子やり投・右代織江が引退 08年インターハイ、19年茨城国体優勝

2024.09.16

女子やり投・右代織江が引退 08年インターハイ、19年茨城国体優勝

9月15日、女子やり投の右代織江(アースコンシャス)が自身のSNSを更新。今季限りで現役を引退すことを発表した。 右代は北海道出身の34歳。十種競技日本記録保持者の右代啓祐(国士舘クラブ)を兄に持ち、中学から陸上を始めた […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年10月号 (9月13日発売)

2024年10月号 (9月13日発売)

●Paris 2024 Review
●別冊付録/学生駅伝ガイド 2024 秋
●福井全中Review
●東京世界選手権まであと1年
●落合晃の挑戦

page top