HOME 高校

2024.07.30

“三度目の正直”で小針陽葉が女子100m初V 度重なる故障経て「楽しんだ先に結果がついてくると」/福岡IH
“三度目の正直”で小針陽葉が女子100m初V 度重なる故障経て「楽しんだ先に結果がついてくると」/福岡IH

24年インターハイ女子100mで優勝した小針陽葉

◇福岡インターハイ(7月28日~8月1日/福岡・博多の森陸上競技場)2日目

福岡インターハイの2日目が行われ、女子100mは小針陽葉(富士市立3静岡)が11秒68(-1.9)で悲願の優勝を果たした。

レース直後、小針は優勝者恒例の校旗を背中に広げての写真撮影に応じた。「ずっと憧れでした。2年生の時にできると思っていたのにできなかったので、やっと“三度目の正直”でできてすごくうれしいです」と笑顔が弾けた。

過去2回経験したインターハイは、明暗が分かれる結果だった。1年生だった2年前は、100mと200mの2種目で堂々の2位。しかし、新たに取り組んだ走幅跳を含め、3冠を目指した昨年は、大会直前に右脚内転筋を痛め、100mは準決勝敗退に終わった。

200mと走幅跳は棄権せざるを得ず、その後も度重なる故障に苦しんだ。本格復帰を果たしたのは、今季のインターハイ路線が始まってからだった。

「シーズンベストでは他の選手の方が速かったですし、自分は去年は(決勝に)出ていません。変なプレッシャーもなく、自分はチャレンジャー。3年生最後のインターハイなので、悔いのないように、ただ楽しく走ることが今回のプランでした。楽しんだ先に結果がついてくると思っていました」

ウォーミングアップの時点で調子の良さを感じ、「これは行けるかな」という手応えがあったという。その言葉通り、予選を11秒74(-0.2)、準決勝を11秒61(+2.4)でトップ通過。決勝を前に、「熱中症かわかりませんが、手足が少ししびれていたのが心配だった」と明かしたが、決勝も序盤から抜け出しての快勝だった。

心残りがあるとすれば、最大のライバルと目されたロス瑚花アディア(城西3東京)が欠場したこと。小針は「中学3年の全中で負けたロスと戦いたかった」と残念がったが、この日つかんだ栄冠の価値は下がらない。最終日の200mではどんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。

2位は11秒80で前田さくら(鳥取敬愛2鳥取)。2年連続となる3位には11秒82の山崎心愛(旭川志峯2北海道)、4位は11秒90の秋澤理沙(東京学館新潟2新潟)が続き、2~4位を2年生が占めた。
文/小野哲史

◇福岡インターハイ(7月28日~8月1日/福岡・博多の森陸上競技場)2日目 福岡インターハイの2日目が行われ、女子100mは小針陽葉(富士市立3静岡)が11秒68(-1.9)で悲願の優勝を果たした。 レース直後、小針は優勝者恒例の校旗を背中に広げての写真撮影に応じた。「ずっと憧れでした。2年生の時にできると思っていたのにできなかったので、やっと“三度目の正直”でできてすごくうれしいです」と笑顔が弾けた。 過去2回経験したインターハイは、明暗が分かれる結果だった。1年生だった2年前は、100mと200mの2種目で堂々の2位。しかし、新たに取り組んだ走幅跳を含め、3冠を目指した昨年は、大会直前に右脚内転筋を痛め、100mは準決勝敗退に終わった。 200mと走幅跳は棄権せざるを得ず、その後も度重なる故障に苦しんだ。本格復帰を果たしたのは、今季のインターハイ路線が始まってからだった。 「シーズンベストでは他の選手の方が速かったですし、自分は去年は(決勝に)出ていません。変なプレッシャーもなく、自分はチャレンジャー。3年生最後のインターハイなので、悔いのないように、ただ楽しく走ることが今回のプランでした。楽しんだ先に結果がついてくると思っていました」 ウォーミングアップの時点で調子の良さを感じ、「これは行けるかな」という手応えがあったという。その言葉通り、予選を11秒74(-0.2)、準決勝を11秒61(+2.4)でトップ通過。決勝を前に、「熱中症かわかりませんが、手足が少ししびれていたのが心配だった」と明かしたが、決勝も序盤から抜け出しての快勝だった。 心残りがあるとすれば、最大のライバルと目されたロス瑚花アディア(城西3東京)が欠場したこと。小針は「中学3年の全中で負けたロスと戦いたかった」と残念がったが、この日つかんだ栄冠の価値は下がらない。最終日の200mではどんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。 2位は11秒80で前田さくら(鳥取敬愛2鳥取)。2年連続となる3位には11秒82の山崎心愛(旭川志峯2北海道)、4位は11秒90の秋澤理沙(東京学館新潟2新潟)が続き、2~4位を2年生が占めた。 文/小野哲史

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.09.09

福永凌太が400mで銀メダル! 唐澤剣也、佐藤友祈、鬼谷慶子も銀 日本勢は9個のメダル獲得/パリ・パラリンピック

パリ・パラリンピックが8月30日から9月8日まで行われ、男子400mのT13クラス(視覚障害)は福永凌太(日体大)が48秒07で銀メダルを獲得した。 昨年の世界パラ選手権で金メダルを獲得している福永。5日に行われたレース […]

NEWS 東京五輪女子800m金メダリスト・ムーが婚約か プロポーズと見られる写真をSNSで公開

2024.09.09

東京五輪女子800m金メダリスト・ムーが婚約か プロポーズと見られる写真をSNSで公開

東京五輪女子800m金メダリストのA.ムー(米国)が自身のSNSを更新し、プロポーズを受けたと見られる写真を投稿した。 「否定されてばかりのこの年に、神は祝福をもたらした、肯定とともに」という文章とともに、プロポーズとみ […]

NEWS ロンドン五輪1500m銀のトマショワがドーピング違反で成績取り消し メダル剥奪と順位繰り上げの見込み

2024.09.09

ロンドン五輪1500m銀のトマショワがドーピング違反で成績取り消し メダル剥奪と順位繰り上げの見込み

2012年ロンドン五輪女子1500mで銀メダルのT.トマショワ(ロシア)について、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は9月3日、ドーピング違反で10年間の資格停止処分と2012年6月21日から2015年1月3日までの成績取り消 […]

NEWS ブダペスト世界選手権男子競歩2冠のマルティンが引退 「悲しいが、さよならを言う時だ」

2024.09.09

ブダペスト世界選手権男子競歩2冠のマルティンが引退 「悲しいが、さよならを言う時だ」

昨年のブダペスト世界選手権で、男子20km、35kmの競歩2冠を果たしているA.マルティン(スペイン)の現役引退が9月8日に欧州陸連から発表された。今月7日に式典を行い、パリ五輪での競技を最後に第一線の選手としての活動を […]

NEWS 23年世界選手権覇者・カーが1マイルロードで3分44秒3 世界記録を7秒上回るも非公認コース

2024.09.09

23年世界選手権覇者・カーが1マイルロードで3分44秒3 世界記録を7秒上回るも非公認コース

米国・ニューヨークで9月8日にニューバランス5thアベニューマイルが開催され、男子1マイルロードでは昨年のブダペスト世界選手権1500m金メダリスト・J.カー(英国)が3分44秒3で2連覇した。この種目での世界記録を上回 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年9月号 (8月9日発売)

2024年9月号 (8月9日発売)

速報 パリ五輪
大盛況 福岡IH
久保凛 日本新特集!

page top