東京2025世界陸上財団は7月22日、大会で選手に授与されるメダルのデザインに向け、ジュニアアスリートへのインタビューを東京・城西高で実施した。
国際大会出場選手が卒業している都内の学校から選定され、パリ五輪代表である男子短距離のサニブラウン・アブデル・ハキーム(現・東レ)、中島佑気ジョセフ(現・富士通)の出身校である同高と、男子400mハードルのパリ五輪代表・豊田兼(現・慶大)の出身校である桐朋中学・高校が選ばれた。
大会ロゴのデザインを考案した中川亮ブランドディレクターが、メダルのデザインも担当。参加した城西高陸上競技部の選手たちに、世界陸連主催の世界大会や日本選手権、さらにはオリンピックや他競技の例を挙げ、それぞれにデザインのコンセプトや思いがあることを紹介。日本選手権のメダルは表に“陸の王”であるライオン、裏に富士山と雲海を表したデザインだが、そこには強さとともに威厳と風格、さらに王者には優しい心根も求められ、さらなる高みを目指して精進してほしいとの願いが込められている。
中川ディレクターも、「メダルは色に関係なく、手にしてうれしいもので、家族やコーチ、関係者の方々、チームとして一緒に頑張った仲間たちに感謝を伝えるものなのかなと思っています」と自身のメダルに対する思いを高校生たちに伝えた。
そのうえで、「大会に期待すること」「メダルにどんな思いを込めたいか」「どんなメダルをもらえたらうれしいか」を記述式でインタビュー。選手たちは大会へのメッセージとともに、それぞれの思いを文字に込めた。
山崎天心選手は「メダルにそれぞれに思いが入っていることを知って、すごいと感じました」。地元での世界陸上開催に「まだ実感はないですが」と言いつつ、「東京に世界中のトップアスリートが来てくれることが楽しみです」。そして、「プレッシャーを受けずに、リラックスして頑張ってほしい」という思いを込めて、メッセージを残したという。
ロス瑚花アディア選手は「メダルのデザインに選手のこうあるべき姿や、サポートしている人たちへのメッセージまで含まれていることが深いと感じました」と話し、「日本選手権でジョセフ先輩やサニブラウン先輩が金メダルをかけていらっしゃる姿を見て、私もこうなりたいという気持ちが強まりました」と続けた。また、舞台となる国立競技場が「自転車で行ける距離」ということもあって、「あこがれのシャカリ・リチャードソン選手など、世界の選手を近くで感じられるのはすごく楽しみです」と笑顔で語った。
メダルデザインへの思いやメッセージについては、「“打倒”と書きました。人に勝つ前に、まずは自分の記録を更新することを意識していますが、トップ選手たちが自分の記録、世界記録をどんどん出してほしいし、それを見たいです」。
2人とも、7月28日から始まる福岡インターハイには100m、200m、4×100mリレーの3種目で出場権を獲得。山崎選手が「いい感じに調整ができているので、入賞を目標に頑張ります」と言えば、ロス選手は「将来につながるインターハイにしたいです」と話した。
中川ディレクターは、今回の企画の趣旨について、「これからを背負っていく中学生や高校生の意見を、デザインに何らかの形で反映できればと考えました」とし、「メダルは実際に勝負に勝たないと手にできないものですが、メダルはこうやって作っている人たちがいるということを知ってもらえて良かったです」と笑顔で振り返った。そして、「東京に来て、東京の大会でメダルを取ったという記憶として残り、見るたびにその時のことを思い出すようなメダルにしたい。ケースなども含めて、日本らしく、ストーリーや関係性を表現できればいいなと思います」と、デザインへの意欲を示した。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.09.06
ヤマダホールディングスが10月のプリンセス駅伝欠場を発表
-
2024.09.04
2024.08.20
BROOKSの新作ランニングシューズ「Ghost MAX 2」が9月3日より発売開始!
-
2024.08.13
-
2024.08.30
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.09.06
ヤマダホールディングスが10月のプリンセス駅伝欠場を発表
9月6日、ヤマダホールディングスは10月20日に開催予定の第10回全⽇本実業団対抗⼥⼦駅伝予選会(プリンセス駅伝)を欠場することを発表した。 チームは11月の全⽇本実業団対抗⼥⼦駅伝(クイーンズ駅伝)での上位入賞を目標に […]
2024.09.06
チェベトが女子5000mで14分09秒52 男子1500mはヌグセがインゲブリグトセンを抑える/DLチューリヒ
9月5日、ダイヤモンドリーグ(DL)第13戦のヴェルトクラッセ・チューリッヒがスイス・チューリヒで開催され、女子5000mでは、パリ五輪金メダルのB.チェベト(ケニア)が今季世界最高、パフォーマンス世界歴代7位の14分0 […]
2024.09.06
田中希実25歳初レース5000m14分49秒95で東京世界陸上の標準突破!!やり投・ディーン3位で初ファイナルへ/DLチューリヒ
世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)シリーズ最終戦となる第14戦・チューリヒ大会(スイス)が9月6日に行われ、女子5000mの田中希実(New Balance)が14分49秒95で7位に入った。この記録で、来年の東京世 […]
2024.09.05
女子マラソン・ウガンダ代表のチェプテゲイが死去 五輪から1ヵ月経たぬうちの惨劇に悲しみ広がる
ウガンダのオリンピック委員会(UOC)は9月4日、パリ五輪女子マラソン代表のレベッカ・チェプテゲイが死去したことを発表した。 チェプテゲイは9月2日、トレーニング先のケニアにおいて交際相手の男と口論となった末に、男からガ […]
2024.09.05
On史上最速のマラソン向けレーシングシューズ「Cloudboom Strike」の新カラーが9月5日より発売開始!
スイスのスポーツブランド「On(オン)」およびオン・ジャパンは、ブランド史上最速のマラソン向けレーシングシューズ「Cloudboom Strike(クラウドブーム ストライク)」の新カラーを9月5日からOnオフィシャルオ […]
Latest Issue 最新号
2024年9月号 (8月9日発売)
速報 パリ五輪
大盛況 福岡IH
久保凛 日本新特集!