◇第108回日本選手権(6月27日~30日/新潟・デンカビッグスワンスタジアム)4日目
パリ五輪代表選考会を兼ねた日本選手権の4日目に行われた男子800mは、前日の予選で日本記録に0.07秒と迫る1分45秒82のU20日本新、高校新をマークしていた落合晃(滋賀学園高3滋賀)が、1分46秒56で優勝を飾った。
男子800mで高校生が優勝するのは2019年のクレイ・アーロン竜波(相洋高)に続く史上2人目の偉業。それでも、フィニッシュ後にタイムを確認すると、トラックに拳をぶつけて悔しがった。
「昨年のインターハイを大会新記録で優勝してから、標準記録(1分44秒70)を切って、パリ五輪に出場することを目標にやってきました。優勝できたことはうれしいですが、悔しさの方が大きいです」と唇を噛む。
スタート直後から先頭に立ち、入りの400mを53秒で通過。「51秒台で入りたいと思っていたので、その部分の感覚が少しズレていた」と話すものの、歴戦のシニア勢を相手に影をも踏ませぬ独走で頂点に立った。
「昨日の疲労もなく、今日は絶対にパリをつかむという気持ちでスタートラインに立っていました」と落合。「1分44秒台はまだ日本人では誰も行っていない記録。自分が行ってやると、自信を持って挑みましたが、まだ力が足りませんでした」と肩を落とした。
日本選手権に向けて全力で取り組んできたこともあり、「まだこの先の目標は決めていない」と話す。それでも7月末には高校生の祭典、インターハイが福岡を舞台に行われる。そこで今回、U20日本選手権を1分47秒80の大会新で制した吉澤登吾(桐朋高3東京)らと、自身の2連覇を懸けてぶつかることとなる。
ひとつの大きなチャレンジは幕を閉じたが、「1分44秒70に挑んだからこそ、1分45秒台も出せ、日本一にもなることができました」と17歳の高校生ランナーにとって大きな糧となる大会となった。
文/花木 雫
【動画】高校生・落合晃がパリ五輪チャレンジ!男子800mをチェック!
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2024.07.02
【男子100m】大津康太(川崎有馬中3) 10秒65=中学歴代9位タイ
2024.07.02
パラリンピック陸上日本代表に高桑早生、辻沙絵、前川楓、山﨑晃裕ら21名第二次内定
-
2024.07.02
-
2024.07.02
-
2024.07.01
-
2024.07.01
2024.06.28
女子七種競技・ヘンプヒル恵のポスターがアトレに登場! 28日から順次掲出
2024.06.29
100mH福部真子が五輪標準突破!! 準決勝で12秒75!/日本選手権
-
2024.07.02
-
2024.06.27
-
2024.07.01
-
2024.06.15
-
2024.06.28
-
2024.06.05
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.07.02
【男子100m】大津康太(川崎有馬中3) 10秒65=中学歴代9位タイ
6月29日、30日に行われた第37回神奈川県中学選抜陸上(神奈川・三ツ沢公園競技場)の男子100m予選で、大津康太(川崎有馬中3)が10秒65(+1.6)の大会新記録を樹立した。 今季の中学100mでは5月に小寺慎之助( […]
2024.07.02
パラリンピック陸上日本代表に高桑早生、辻沙絵、前川楓、山﨑晃裕ら21名第二次内定
一般社団法人日本パラ陸上競技連盟は7月1日、今夏のパリパラリンピックの陸上競技日本代表推薦選手第二次内定を発表した。 5月に神戸で開かれた世界パラ陸上の後に16人が第一次内定。今回は世界ランキングなどに沿って21名が選出 […]
2024.07.02
走幅跳・テントグルーが8m42w ハンマー投のカツバーグは82m60 各国選手権でメダリストが好記録
パリ五輪に出場するための資格期限が6月末で締め切られることもあり、6月最終週には世界各地で各国の選手権大会が開催された。 6月29日と30日の両日、英国選手権がバーミンガムで行われ、女子200mではドーハ世界選手権金メダ […]
2024.07.02
女子100mH世界記録保持者・アムサンのドーピング違反は認めず スポーツ仲介裁判所が決定
アスリート・インテグリティー・ユニット(AIU、世界陸連の独立不正監査機関)は6月29日、ドーピング違反に関する係争中の事案3件についてスポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定を受けたことを発表した。 女子100mハードル世界 […]
2024.07.02
BROOKSの新作ランニングシューズ「Ghost 16」が7月19日より発売開始!
米国No.1ランニングシューズブランド「BROOKS(ブルックス)」は、2008年の誕生以来、数々の業界賞を受賞し続けるロングセラーモデル「GHOST(ゴースト)」シリーズの最新作「Ghost 16(ゴースト16)」を7 […]
Latest Issue
最新号
![2024年7月号 (6月14日発売)](https://www.rikujyokyogi.co.jp/wp-content/uploads/2024/06/202407cover.jpg)
2024年7月号 (6月14日発売)
パリ五輪への道、最終局面
インターハイ都府県大会ハイライト