◇第108回日本選手権(6月27日~30日/新潟・デンカビッグスワンスタジアム)3日目
パリ五輪代表選考会を兼ねた日本選手権の3日目に行われた女子100mハードル予選に、小林歩未(テキサス大サンアントニオ校)が出場。スタートで失敗し、14秒01(+0.6)の組8着に終わり悔しさをにじませた。
3年ぶりに大舞台に戻ってきた。「スタートを失敗しすぎて…。ここでか、と思いました。もう少し戻ってきたと表現したかったですが」と唇を噛んだ。
市船橋高(千葉)時代のインターハイで13秒34の高校記録を樹立した小林。日本陸連ダイヤモンドアスリートにも選出された。高校卒業後は筑波大に進んで、2019年の日本インカレ3位。その後、米国陸上留学サポートを活用して2022年12月にテキサス大サンアントニオ校の編入試験に合格した。
今年は全米学生選手権出場を懸けた西部地区予選に出場し、6年ぶり自己新となる13秒33(+1.0)をマーク。日本選手権は3年ぶりの出場だった。
ここまでの挑戦について「コーチもそうですが、ずっと誇りに思うよと言ってくれていました」。ただ、「それは自分ではなかなか気がつけない」。
高校記録を出してから、周囲の期待と自分の立ち位置やマインドのギャップに苦しんだ。楽しんで、成長して、結果を出しただけだった自分に、想像以上の重圧がかかった。受け止めきれなかった。
高校卒業は「考えすぎて、ほとんどネガティブなことばかりでした」。留学後も、自分の選択が本当に正しかったのか自問自答の日々。それでも、「ポジティブな言葉をかけ続けてくれて、やっと落とし込むことができるようになってきました」。
ただ、久しぶりの国内レースに「すごく緊張もしました」。どうしても周囲の声や目線も気にしてしまった。それがほんの少し、スタートにも影響したのかもしれない。ただ、「もう終わったこと。日本選手権は終わり」と切り替えられるようにもなった。
今年度で大学は修了。「帰国するか、向こうで続けるか。大学院も考えていますし、まだ走り続けたい。今年は通過点。来年は3本走れるように。世界に行けるように」。
これがおそらく「UTSA(テキサス大サンアントニオ校)のユニフォームを着るのが最後なんです」。時折、目に涙を浮かべ、「泣き虫は変わらないですね」とはにかんだ。
「ちょっと時間はかかったけど」と言う小林が、自らの未来を切り開き、歩んできた道は、これからの自分、そしてこれからに続く後輩たちにつながっていく。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2025.01.17
編集部コラム「年末年始の風物詩」
-
2025.01.17
-
2025.01.17
-
2025.01.17
-
2025.01.16
2025.01.12
【テキスト速報】第43回都道府県対抗女子駅伝
-
2025.01.14
-
2025.01.12
-
2025.01.15
2024.12.22
早大に鈴木琉胤、佐々木哲の都大路区間賞2人が来春入学!女子100mH谷中、松田ら推薦合格
-
2024.12.22
-
2024.12.30
-
2025.01.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.01.18
都道府県男子駅伝オーダー発表!3区に塩尻和也と鶴川正也 7区は鈴木健吾、黒田朝日 4連覇狙う長野は3区吉岡大翔
◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝前日の1月18日、オーダーリストが発表された。 エントリーされていた2人の日本記 […]
2025.01.17
西脇多可新人高校駅伝の出場校決定!男子は佐久長聖、大牟田、九州学院、洛南 女子は長野東、薫英女学院など有力校が登録
1月17日、西脇多可新人高校駅伝の実行委員会が、2月16日に行われる第17回大会の出場チームを発表した。 西脇多可新人高校駅伝は、兵庫県西脇市から多可町を結ぶ「北はりま田園ハーフマラソンコース(21.0795km)」で行 […]
2025.01.17
編集部コラム「年末年始の風物詩」
毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]
2025.01.17
中・高校生充実の長野“4連覇”なるか 実力者ぞろいの熊本や千葉、岡山、京都、福岡も注目/都道府県男子駅伝
◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 中学生から高校生、社会人・大学生のランナーがふるさとのチームでタスキをつなぐ全国都道府県男子駅伝が1月19日に行われる […]
2025.01.17
栁田大輝、坂井隆一郎らが日本選手権室内出場キャンセル 日本室内大阪はスタートリスト発表
日本陸連は2月1日から2日に行われる、日本選手権室内のエントリー状況と、併催の日本室内大阪のスタートリストを発表した。 日本選手権室内では12月にエントリーが発表されていた選手のうち、男子60mに出場予定だったパリ五輪代 […]
Latest Issue 最新号
2025年2月号 (1月14日発売)
駅伝総特集!
箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
高校駅伝、中学駅伝
富士山女子駅伝