2024.06.28
◇第108回日本選手権(6月27日~30日/新潟・デンカビッグスワンスタジアム)2日目
第108回日本選手権の2日目が行われ、女子400mの松本奈菜子(東邦銀行)が53秒46で2年ぶり3回目の優勝を飾った。
松本は序盤からスピードに乗ってトップに立つと、中盤以降も食らいついてきた岩田優奈(スズキ)と、チームメイトの井戸アビゲイル風果(東邦銀行)を振り切り勝利を収めた。
「優勝できたことはうれしいですが、52秒台中盤を狙っていたので、それを達成できなかったのは悔しいです。ラストの直線でもちょっと力が入ってしまったり、改善点がいくつかあるからこそ、この記録なんだなと感じます」
それでも安堵の表情を浮かべたのは、今大会を迎えるまでが決して順風ではなかったからだ。今季は2月のアジア室内で金メダルを獲得するなど好発進。しかし、5月上旬のレースで左のハムストリングスを肉離れし、世界リレーの出場も断念せざるを得なかった。
「前回(22年)に優勝した時から監督やコーチ、トレーナーさんなど、みなさんに支えていただいたので、少しだけですけど結果で恩返しができたかなと思います」
6月に入ってからスパイクを履いて練習を始めたが、「完治したのは先週だった」という。「スプリントは制限されていたので、水泳などでトレーニングを行ったり、走りの癖を直すための感覚のトレーニングをやったりしました。リハビリ過程の中でも、自分の走りを見直す機会だったというか、日々、できることを積み重ねていけた時間だったと思います」
決勝では、トップを走りながらも、「後ろの方の息遣いが聞こえていたので、最後までわからない」と、フィニッシュまで勝利を確信できなかった。「それでも自分のレーンを必死に、最後まで走り抜けることだけを集中して走り切りました」
2年前に自身2度目の日本選手権優勝を果たした松本は、その後、自己記録を52秒56まで伸ばしたが、その記録をもってしても現状、世界はまだまだ遠い。
「(世界に出ていくには)5本の平均のポイントで考えています。そのためにもこの日本選手権が終わった後の試合も大事にしながら、できれば自分も海外での取り組みも考えていきたいです」
大一番を終えても立ち止まるつもりはない。松本は次の一歩を踏み出す。
文/小野哲史
【動画】日本選手権女子400mのレースをチェック!
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.03.26
-
2025.03.26
-
2025.03.26
-
2025.03.26
-
2025.03.26
2025.03.23
女子は長野東が7年ぶりの地元V アンカー・田畑陽菜が薫英女学院を逆転/春の高校伊那駅伝
-
2025.03.19
-
2025.03.25
2025.03.02
初挑戦の青学大・太田蒼生は途中棄権 果敢に先頭集団に挑戦/東京マラソン
2025.03.02
太田蒼生は低体温症と低血糖で途中棄権 「世界のレベルを知れて良い経験」/東京マラソン
-
2025.03.23
-
2025.03.19
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.03.26
日本選手権室内・日本室内大阪大会が終了 リレーフェス今年実施せず、U16リレーは7/12~13の日本選手権リレー・混成と併催
日本陸連は3月26日、都内で理事会を開き、2025年度の主要競技会日程を承認した。 これまで、主に毎年2月に実施していた日本選手権室内・日本室内大阪大会は終了とし、25年度から行われない。 同大会は元々、1984年に「国 […]
2025.03.26
【男子3000m】尾田祥太(Runup Academy・中2) 8分37秒25=中2歴代6位
3月22日、名古屋市のパロマ瑞穂北陸上競技場で愛知陸協長距離競技会(第1回トヨタ紡織記録挑戦会)が行われ、男子3000mに出場した尾田祥太(Runup Academy/岡崎南中2愛知)が8分37秒25の中2歴代6位のタイ […]
2025.03.26
セイコーGGPと日本選手権で東京世界陸上の運営トレーニング実施「大会運営に必要な能力・経験」の蓄積目指す
公益財団法人東京2025世界陸上財団は3月26日に理事会を開き、本番での運営能力向上を図るため、運営トレーニングを実施することを発表した。 トレーニングの対象大会は、本番のメイン会場である国立競技場で行われるセイコーゴー […]
2025.03.26
スズキの田原遼太郎が現役引退 800mインターハイ出場 大学時代は関西インカレ1万m優勝
スズキは所属する田原遼太郎が現役を引退し、社業に専念することを発表した。 田原は大阪府出身の26歳。中学から陸上を始め、当初は800mなど中距離に取り組み、13年全中では準決勝まで進んでいる。大阪高でもトラックや高校駅伝 […]
2025.03.26
東京世界陸上ボランティアに3100人が採用 周辺協力者含めて3400人で構成
公益財団法人東京世界陸上財団は3月26日に理事会を開催し、ボランティアの採用結果について発表した。 11月1日から12月17日までの期間で募集し、当初想定していた募集人数3000人程度を大きく上回る8,276人が応募。そ […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報