HOME 国内

2024.06.26

ハードル2種目挑戦の豊田兼「想定するレースプラン」でパリ五輪切符に挑戦/日本選手権
ハードル2種目挑戦の豊田兼「想定するレースプラン」でパリ五輪切符に挑戦/日本選手権

日本選手権の前日会見に臨んだ豊田兼

◇第108回日本選手権(6月27日~30日/新潟・デンカビッグスワンスタジアム)

パリ五輪代表選考会を兼ねた日本選手権を前日に控え、トップ選手が前日会見に登壇した。

男子110mハードルと400mハードルの2種目に出場する豊田兼(慶大)。前半2日間でパリ五輪参加標準記録を突破している400mハードル、そして残り2日間が110mハードルとラウンド突破すれば4日間すべてに登場しそうだ。

会見に臨み、「大勢の方々に囲まれて話す機会もないので緊張します」とはにかみつつ、「4日間、しっかり戦わないとな、という気持ちです」と言う。

ハードル2種目で五輪出場という偉業に挑戦する豊田。「これまで練習を積んでこられているという自負があるので、自分の想定するレースプラン通りに走りきれれば勝てると思っています。2種目、挑戦していきたい」と強い気持ちを明かす。

400mハードルは5月のセイコーゴールデングランプリでは日本歴代5位の48秒36をマークしている。優勝で内定、3位以内に入れば初五輪をほぼ手中に収める。

広告の下にコンテンツが続きます

セイコーGGPでは「前半少し抑えるレースをしたので、今回はそこを改善し、もう少し(前半から)周りについていって、最後引き離すレースをしたい」。それができれば「しっかり順位をとって、GGPのタイムは越えたい。48秒前半を出せれば」と見据えている。

一方、110mハードルは13秒29のベストを持つが、参加標準記録(13秒27)には届いていない。出場資格を得られるワールドランキングには有効期間内の5レースが必要になり、そこには届かなそう。そのため、「準決勝、決勝でタイムを狙う」と、標準突破に照準を定める。その上で、泉谷駿介(住友電工)がすでに内定しているため、2位以内が五輪への道筋となりそうだ。昨年までは「3台目まで置いていかれるレース」が多かったが、「そこを強化してやってこられている」とし、「条件次第で13秒1台の手応えがあります」。

セイコーGGP以降は「1ヵ月くらい調整してきた」とし、走力、ハードル2種目と「均等に」取り組んだ。違和感のあった左ハムストリングスも回復傾向。直近は疲労も抜き、準備は整った。

五輪の舞台は、父の祖国でもあるフランスのパリ。「(出場できれば)初めてのシニア国際大会、五輪がなじみのあるフランスになれば光栄ですし、高い山に登る気持ち。五輪に弾みをつけられるレースがしたいです」。

日本選手権は「あまり良い思い出がない」が、過去、新潟ではベストを更新しており相性は抜群。「ものすごく緊張はしていますが、楽しみもある」。豊田の歴史を切り開く挑戦の4日間がいよいよ始まる。

◇パリ五輪代表内定条件
・参加標準記録+優勝
・各種目最大3人
※後日選考の優先順位=ワールドランキングで出場権獲得+3位以内(※早期内定者のいる種目は上位2位)
◇テレビ中継
1日目/6月27日(木)
NHK BS18:00~20:00
2日目:6月28日(金)
NHK BS 18:30~19:30/NHK総合 19:30~20:42
3日目:6月29日(土)
NHK総合16:30~18:43 ※17:59~18:05はサブチャンネル
4日目:6月30日(日)
NHK総合16:30~18:43 ※17:59~18:05はサブチャンネル

◇第108回日本選手権(6月27日~30日/新潟・デンカビッグスワンスタジアム) パリ五輪代表選考会を兼ねた日本選手権を前日に控え、トップ選手が前日会見に登壇した。 男子110mハードルと400mハードルの2種目に出場する豊田兼(慶大)。前半2日間でパリ五輪参加標準記録を突破している400mハードル、そして残り2日間が110mハードルとラウンド突破すれば4日間すべてに登場しそうだ。 会見に臨み、「大勢の方々に囲まれて話す機会もないので緊張します」とはにかみつつ、「4日間、しっかり戦わないとな、という気持ちです」と言う。 ハードル2種目で五輪出場という偉業に挑戦する豊田。「これまで練習を積んでこられているという自負があるので、自分の想定するレースプラン通りに走りきれれば勝てると思っています。2種目、挑戦していきたい」と強い気持ちを明かす。 400mハードルは5月のセイコーゴールデングランプリでは日本歴代5位の48秒36をマークしている。優勝で内定、3位以内に入れば初五輪をほぼ手中に収める。 セイコーGGPでは「前半少し抑えるレースをしたので、今回はそこを改善し、もう少し(前半から)周りについていって、最後引き離すレースをしたい」。それができれば「しっかり順位をとって、GGPのタイムは越えたい。48秒前半を出せれば」と見据えている。 一方、110mハードルは13秒29のベストを持つが、参加標準記録(13秒27)には届いていない。出場資格を得られるワールドランキングには有効期間内の5レースが必要になり、そこには届かなそう。そのため、「準決勝、決勝でタイムを狙う」と、標準突破に照準を定める。その上で、泉谷駿介(住友電工)がすでに内定しているため、2位以内が五輪への道筋となりそうだ。昨年までは「3台目まで置いていかれるレース」が多かったが、「そこを強化してやってこられている」とし、「条件次第で13秒1台の手応えがあります」。 セイコーGGP以降は「1ヵ月くらい調整してきた」とし、走力、ハードル2種目と「均等に」取り組んだ。違和感のあった左ハムストリングスも回復傾向。直近は疲労も抜き、準備は整った。 五輪の舞台は、父の祖国でもあるフランスのパリ。「(出場できれば)初めてのシニア国際大会、五輪がなじみのあるフランスになれば光栄ですし、高い山に登る気持ち。五輪に弾みをつけられるレースがしたいです」。 日本選手権は「あまり良い思い出がない」が、過去、新潟ではベストを更新しており相性は抜群。「ものすごく緊張はしていますが、楽しみもある」。豊田の歴史を切り開く挑戦の4日間がいよいよ始まる。 ◇パリ五輪代表内定条件 ・参加標準記録+優勝 ・各種目最大3人 ※後日選考の優先順位=ワールドランキングで出場権獲得+3位以内(※早期内定者のいる種目は上位2位) ◇テレビ中継 1日目/6月27日(木) NHK BS18:00~20:00 2日目:6月28日(金) NHK BS 18:30~19:30/NHK総合 19:30~20:42 3日目:6月29日(土) NHK総合16:30~18:43 ※17:59~18:05はサブチャンネル 4日目:6月30日(日) NHK総合16:30~18:43 ※17:59~18:05はサブチャンネル

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.03.29

齋藤みう3000m障害で9分41秒57 自己ベスト4秒以上更新して日本歴代6位、学生歴代2位

第319回日体大長距離競技会初日が3月29日、神奈川・横浜市の同大学健志台キャンパス競技場で行われ、女子3000m障害で齋藤みう(日体大4)が日本歴代6位、学生歴代2位の9分41秒57をマークした。 齋藤のこれまでのベス […]

NEWS 久保凛1000mで2分40秒23 U20&U18日本新記録!従来の記録を大幅更新、日本歴代でも4位

2025.03.29

久保凛1000mで2分40秒23 U20&U18日本新記録!従来の記録を大幅更新、日本歴代でも4位

奈良市サーキットが3月29日、奈良市の鴻ノ池陸上競技場で行われ、女子1000mで800m日本記録(1分59秒93)保持者の久保凛(東大阪大敬愛高2)が2分40秒23をマークした。 この記録は日本歴代4位で、U20とU18 […]

NEWS 【世界陸上プレイバック】五輪ボイコットきっかけに創設!クラトフヴィロヴァが女子400mと800mで今も大会記録に残る2冠 日本は室伏重信ら出場も入賞ゼロ

2025.03.28

【世界陸上プレイバック】五輪ボイコットきっかけに創設!クラトフヴィロヴァが女子400mと800mで今も大会記録に残る2冠 日本は室伏重信ら出場も入賞ゼロ

今年、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪大会を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。これま […]

NEWS 【高校生FOCUS】女子三段跳・山﨑りりや(鳴門渦潮高)日本高校女子初の13m到達、大学で学生記録挑戦

2025.03.28

【高校生FOCUS】女子三段跳・山﨑りりや(鳴門渦潮高)日本高校女子初の13m到達、大学で学生記録挑戦

FOCUS! 高校生INTERVIEW 山﨑りりや Yamasaki Ririya 鳴門渦潮高3徳島 高校アスリートをフォーカスするコーナー。年度末を迎えますが、振り返ってみれば、2024年度は高校生による日本記録樹立を […]

NEWS 3泊4日の全国高体連合宿終了! 「高め合える仲間がいっぱいできた」 来年度は宮崎で開催予定

2025.03.28

3泊4日の全国高体連合宿終了! 「高め合える仲間がいっぱいできた」 来年度は宮崎で開催予定

大阪・ヤンマースタジアム長居を主会場に行われた2024年度の日本陸連U-19強化研修合宿・全国高体連陸上競技専門部強化合宿が3月28日、3泊4日の全日程を終えた。全国から集まった選手たちは交流を深め、試合での再会を誓った […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報

page top