2024.06.18
◇インターハイ南関東地区大会(6月14日~17日/東京・駒沢陸上競技場、大井陸上競技場)4日目
夏の福岡インターハイ出場を懸けた南関東地区大会の最終日が行われ、仮屋愛優(東京3東京)が女子100mハードルと七種競技の2冠を達成した。
東京都大会も2冠しただけでなく、七種競技内の100mハードルで高校歴代4位の13秒40(混成競技日本最高)を叩き出していた仮屋。ただ、「13秒40は1回出しただけ。過去の自分を超えたい」という思いが強くなり過ぎ、「自分の得意な走りがわからなくなった」と言う。
3日目の七種競技1種目めの100mハードルを13秒82(-0.2)。そしてこの日、七種競技後半と単独の100mハードル3本というハードスケジュールのなか、最終日の100mハードル予選(13秒88/-0.1)と決して悪くなかったが、モヤモヤが続いた。
七種のやり投では1、2回目まで30mに届かない苦しい展開に「心が折れそうになった」。それでも、「たくさんの応援で気持ちを切り替えて」3回目に34m23と挽回。迫るガードナ・レイチェル麻由(法政二2神奈川)との差を保って800mに向かう。
その前に勢いづけたのが100mハードル決勝。「ライバルが1台目から速かったので、それに乗れた」と得意のスタートから加速に乗ると、向かい風1.2mを突いて13秒70の好タイムで優勝した。約1時間後の800mは序盤から気持ちを切らすことなく2番手を走って2分26秒12でカバーし、5070点のセカンドベストで2冠を達成。倒れ込んだ自分を支えてくれた補助員たちに向かって、何度も「みなさんのお陰で最後まで走れました」と感謝した。
気さくで明るいキャラクターで、学校や都県に関係なく祝福を受けつつ、自らも「お疲れさま!」「おめでとう!」「頑張って!」と多くの“仲間”たちに声をかけていた仮屋。「5070点は悔しいです。近畿の本多七選手(園田学園2兵庫)など強い選手がいますが、いい仲間、ライバルのお陰で強くなれます」と笑顔。蒸し暑い駒沢にさわやかな風が吹いた。
インターハイでは「2冠が目標。2冠というからには、七種は5300点以上、100mハードルは13秒34の高校記録も狙いたい」と、ヘンプヒル恵(京都文教、現・アトレ)や林美希(中京大中京、現・早大)らに続く2冠女王を目指していく。
男子110mハードルでは古賀ジェレミー(東京2)が高校歴代6位タイの13秒91(-0.4)で優勝。3000m障害は向田泰誠(三浦学苑3神奈川)が9分13秒83で制した。男子三段跳は大神田秀人(足立新田3東京)が15m05(+0.6)の好記録で優勝している。
ハイレベルな男子4×400mリレーは市船橋(千葉)が3分11秒13でV。0.45秒差で成田(千葉)、さらにそこから0.28秒差で法政二(神奈川)と、上位3校が3分11秒台の接戦だった。
女子3000mはジェシンタ・ニョカビ(白鵬女3神奈川)が8分57秒66の大会新で優勝。1500mで転倒してインターハイを逃した臼井瑠花(上水3東京)が2位で続いた。三段跳は土屋美潤(成田3千葉)が12m52(+1.0)で制して走幅跳2位の雪辱。4×400mリレーは相洋(神奈川)が3分44秒25で制した。
学校対抗では、男子総合は110mハードルや投てき種目で得点した東京(東京)が59点で優勝。女子総合はトラック種目で活躍した市船橋が68点で制している。
全国インターハイは7月28日から8月1日に福岡・博多の森陸上競技場で開催。各地区大会上位6位までが出場する(※男女競歩は5位、女子棒高跳、女子三段跳、女子ハンマー投は4位まで、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)。
インターハイ南関東大会優勝者一覧をチェック!
●男子 100m 山﨑天心(城西3東京) 10秒55(-1.0) 200m 山﨑天心(城西3東京) 21秒15(-1.2) 400m 菊田響生(法政二3神奈川) 46秒61=大会新 800m フェリックス・ムティアニ(山梨学院2山梨) 1分48秒95=大会新 1500m フェリックス・ムティア二(山梨学院2山梨) 3分41秒93=大会新 5000m 鈴木琉胤(八千代松陰3千葉) 13分52秒28=大会新 110mH 古賀ジェレミー(東京2東京) 13秒91(-0.4)=大会新 400mH 菊田響生(法政二3神奈川) 50秒56 3000mSC 向田泰誠(三浦学苑3神奈川) 9分13秒83 5000mW 及川集雅(保土ヶ谷2神奈川) 21分53秒77 4×100mR 市船橋(千葉) 40秒12 4×400mR 市船橋(千葉) 3分11秒13 棒高跳 鈴木悠聖(成田3千葉) 5m03 走高跳 清水怜修(明星学園1東京) 2m04 走幅跳 淡路亮介(荏田3神奈川) 7m59(+4.1) 三段跳 大神田秀人(足立新田3東京) 15m05(+0.6) 砲丸投 菅野颯輝(東京3東京) 16m37 円盤投 中込笙太郎(法政二3神奈川) 46m61 ハンマー投 鈴木駿星(長生3千葉玉) 63m12 やり投 福田樹人(川崎橘3神奈川)60m43 八種競技 宮下輝一(市船橋2千葉) 5768点 [adinserter block="4"] ●女子 100m ロス瑚花アディア(城西3東京)11秒77(-2.6)=大会新(準決勝11秒67/-0.7) 200m バログン・ハル(市川1千葉)、ロス瑚花アディア(城西3東京) 24秒10(-2.8) 400m ヌワエメ・グレース(城西3東京)) 56秒71 800m 田村遥香(法政二3神奈川) 2分11秒80 1500m 田村遥香(法政二3神奈川) 4分24秒81 3000m ジェシンタ・ニョカビ(白鵬女3神奈川) 8分57秒66=大会新 100mH 仮屋愛優(東京3東京) 13秒70(-1.2) 400mH 加藤充悟(成田3千葉) 59秒78 5000mW 早川愛花(錦城3東京) 24分43秒75 4×100mR 城西(東京) 45秒77 4×400mR 相洋(神奈川) 3分44秒25 棒高跳 加藤優空(明星学園3東京)3m70 走高跳 手島花奈(明星学園3東京) 1m70 走幅跳 近藤いおん(城西3東京) 6m12(+0.8)=大会タイ 三段跳 土屋美潤(成田3千葉) 12m52(+1.0) 砲丸投 村田優光(東海大相模3神奈川) 12m86 円盤投 大竹莉美子(東京3東京) 38m35 ハンマー投 栗原莉央(木更津総合3千葉) 49m66 やり投 吉田さくら(相模原弥栄3神奈川) 48m33 七種競技 仮屋愛優(東京3東京) 5070点
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.03.25
箱根駅伝予選会のスタート時刻を変更「温暖化の影響による選手の安全確保」
-
2025.03.25
-
2025.03.25
-
2025.03.25
2025.03.23
女子は長野東が7年ぶりの地元V アンカー・田畑陽菜が薫英女学院を逆転/春の高校伊那駅伝
-
2025.03.19
-
2025.03.19
2025.03.02
初挑戦の青学大・太田蒼生は途中棄権 果敢に先頭集団に挑戦/東京マラソン
2025.03.02
太田蒼生は低体温症と低血糖で途中棄権 「世界のレベルを知れて良い経験」/東京マラソン
-
2025.03.23
-
2025.03.19
-
2025.03.02
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.03.25
箱根駅伝予選会のスタート時刻を変更「温暖化の影響による選手の安全確保」
関東学生陸上競技連盟は3月25日、箱根駅伝予選会のスタート時刻について、次回から変更すると発表した。 前回までは午前9時35分スタートだったが、第102回大会予選会から午前8時30分スタートと、約1時間前倒しする。 「温 […]
2025.03.25
100mH福部真子「引退しないといけないのかな…」菊池病の公表に葛藤も「あとで後悔したくない」元気な姿アピール
女子100mハードル日本記録保持者の福部真子(日本建設工業)がインタビューに応じ、昨年末に公表した「菊池病」と発覚した時の状況や、今の調子、復帰に向けた思いを聞いた。 「元気です!見てもらった通り!」。オンラインで画面越 […]
2025.03.25
大阪に約270人の高校生アスリートが集結! 「切磋琢磨していきたい」 3泊4日の全国高体連合宿スタート
2024年度の日本陸連U-19強化研修合宿・全国高体連陸上競技専門部強化合宿が3月25日、大阪・ヤンマースタジアム長居で始まった。全国から選手約270人が参加し、20度を超える汗ばむ陽気の中で打ち解けながら練習に取り組ん […]
2025.03.25
HOKAが「CLIFTON 10」発売に先駆けてイベント 鎧坂哲哉「クッション性とフィット感が良い」
デッカーズジャパンは3月25日、パフォーマンスフットウェア&アパレルブランド「HOKA」の人気シリーズの新作シューズ「CLIFTON 10(クリフトン 10)」の発売に先駆けてメディア向けの商品説明会・トークセッションを […]
2025.03.25
富士通加入の平林樹「世界一になる」鈴木康也は「マラソンで世界へ」
富士通が3月25日、2025年度新加入選手の合同取材会見を開き、男子長距離の篠原倖太朗(駒大)、平林樹(城西大)、鈴木康也(麗澤大)、女子400mハードルの山本亜美(立命大)が登壇した。 城西大の主将を務めた平林は「こう […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報