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2024.06.16

アツオビンが「投てき3冠」40年ぶり偉業!仲埜が女子短距離2冠、年綱は200m21秒03/IH近畿
アツオビンが「投てき3冠」40年ぶり偉業!仲埜が女子短距離2冠、年綱は200m21秒03/IH近畿

24年インターハイ近畿地区大会で投てき3冠を成し遂げたアツオビン・アンドリュウ(花園3京都)

◇インターハイ近畿地区大会(6月13~16日/大阪市・ヤンマースタジアム長居、ヤンマーフィールド長居)3日目

福岡インターハイを懸けた近畿地区大会の3日目が行われ、男子円盤投でアツオビン・アンドリュウ(花園3京都)が自己新の48m78で頂点に立ち、初日のハンマー投、2日目の砲丸投と合わせて投てき3冠を達成した。

この組み合わせでは1960年の大下紘二(大谷・京都)、1984年の小川智央(添上・奈良)以来、40年ぶり3人目の偉業。砲丸投、円盤投、やり投の3冠は2008年、09年のディーン元気(市尼崎・兵庫/現・ミズノ)、14年の石山歩(花園・京都/現・中部連盟)が達成している。

インターハイでは、アツオビンと同種目の投てき3冠は64年に室伏重信(日大三島・静岡)、74年に杉田和巳(行田・埼玉)が成し遂げているのみ。その偉業に、福岡で挑むこととなる。

初日から3日連続の3種目め。「疲れはありました」と言うが、1投目を43m88で滑り出すと、2投目に45m03と自己ベスト(45m58)に迫る。そして3投目、48m45の自己新スロー。2投目に48m19を出してトップだった永江翔太朗(紀央館3和歌山)を逆転した。

前日の砲丸投は「気持ち的に熱くなり過ぎ、自己ベスト(16m82)は出せたものの納得のいく投げができずに悔しい思いをしました」と言うアツオビン。だが、「今日は不思議と、起きた時から気持ちも落ち着ていて、いける感じがしていてたんです。練習投てきからいい流れで試合ができたのが良かったです」。前半でペースをつかみ、5投目にさらに33cm記録を伸ばして3つ目のタイトルをものにした。

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「これまで迷いのあったハンマー投の入りの感覚をつかめたことで、今回の円盤投にも生かすことができました。これまで円盤投が記録的にも少しネックになっていましたが、まとまればさらに記録を伸ばせる感覚もつかめたことは自信になります」とアツオビンは笑顔で振り返る。

昨年も今回と同じ3種目でインターハイ路線に挑み、近畿大会はハンマー投こそ1位だったものの、砲丸投で3位、円盤投は2位にとどまった。全国ではハンマー投2位、砲丸投3位、円盤投11位という結果に。1年後、確かな成長を示した。

「ハンマー投はもちろん、他の2種目でもトップを射程圏に捉えるとができました。まだまだ課題もありますが、全国に向けて手応えをつかめた試合になりました。昨年も同じ3種目の試合を経験しているので、不安なく臨めるのは大きい。しっかり対策を練って万全の状態で臨み、自分の投げに徹することができればおのずと結果もついてくると信じています」

全国では1日目にハンマー投、3日目に砲丸投、そして最終日の5日目に円盤投と、種目間は中1日あるスケジュールとなる。福岡の空にどんなビッグな放物線を描くだろうか。

この他の種目も、2日目までと同様にどの種目も熱戦となった。

男子200mは100m3位の年綱晃広(滝川二3兵庫)が21秒03(+0.1)の県高校新で制し、400m覇者で1年後輩の久保拓己が21秒27で続いて、滝川二勢でワン・ツーを占めた。2人は塩瀬中の先輩・後輩でもある。

女子200mは、前日の100mを11秒76(+1.3)の自己新優勝を飾った仲埜心葉(市西宮3兵庫)と、初日の400mをこちらも自己新の54秒11で制した齋藤朱里(北摂三田3兵庫)が「スプリント2冠」を懸けて激突。9レーンから突き抜けた仲埜が、自己ベストに0.09秒と迫る24秒06(±0)で優勝し、齋藤は24秒28で2位だった。200mは男女ともに兵庫勢がメダルを独占している。

男子400mハードルは後半抜け出した白髭怜士(北摂三田3兵庫)が51秒39の好タイムで制覇。女子400mハードルは優勝した松尾夏月(近大附3大阪)が59秒46、2位の福島波暖(東大阪大敬愛3)が59秒59とそろって60秒切りという好勝負が繰り広げられた。

男子3000m障害は残り1周で抜け出した加嶋翼(洛南3京都)が自身初の9分切りとなる8分57秒24で連覇を達成。9分05秒50でも全国切符を逃すハイレベルなレースとなった。

男女の5000m競歩は山口輝(洛南3)、林千華(立命館宇治3)の京都勢が快勝。Vタイムはそれぞれ20分36秒10、23分10秒31だった。男子走高跳は中村佳吾(関大北陽2大阪)が自己新の2m10をクリアして優勝。女子棒高跳、三段跳は、ともに今季高校リストトップの松井愛果(大塚3大阪/3m90)、山中真琴(京都文教3/12m57、+0.6)が堂々の1位。同ハンマー投は長谷川有(花園2京都)がただ1人の50m台となる50m21で制し、アツオビンとの花園男女優勝を果たした。

文/花木 雫

◇インターハイ近畿地区大会(6月13~16日/大阪市・ヤンマースタジアム長居、ヤンマーフィールド長居)3日目 福岡インターハイを懸けた近畿地区大会の3日目が行われ、男子円盤投でアツオビン・アンドリュウ(花園3京都)が自己新の48m78で頂点に立ち、初日のハンマー投、2日目の砲丸投と合わせて投てき3冠を達成した。 この組み合わせでは1960年の大下紘二(大谷・京都)、1984年の小川智央(添上・奈良)以来、40年ぶり3人目の偉業。砲丸投、円盤投、やり投の3冠は2008年、09年のディーン元気(市尼崎・兵庫/現・ミズノ)、14年の石山歩(花園・京都/現・中部連盟)が達成している。 インターハイでは、アツオビンと同種目の投てき3冠は64年に室伏重信(日大三島・静岡)、74年に杉田和巳(行田・埼玉)が成し遂げているのみ。その偉業に、福岡で挑むこととなる。 初日から3日連続の3種目め。「疲れはありました」と言うが、1投目を43m88で滑り出すと、2投目に45m03と自己ベスト(45m58)に迫る。そして3投目、48m45の自己新スロー。2投目に48m19を出してトップだった永江翔太朗(紀央館3和歌山)を逆転した。 前日の砲丸投は「気持ち的に熱くなり過ぎ、自己ベスト(16m82)は出せたものの納得のいく投げができずに悔しい思いをしました」と言うアツオビン。だが、「今日は不思議と、起きた時から気持ちも落ち着ていて、いける感じがしていてたんです。練習投てきからいい流れで試合ができたのが良かったです」。前半でペースをつかみ、5投目にさらに33cm記録を伸ばして3つ目のタイトルをものにした。 「これまで迷いのあったハンマー投の入りの感覚をつかめたことで、今回の円盤投にも生かすことができました。これまで円盤投が記録的にも少しネックになっていましたが、まとまればさらに記録を伸ばせる感覚もつかめたことは自信になります」とアツオビンは笑顔で振り返る。 昨年も今回と同じ3種目でインターハイ路線に挑み、近畿大会はハンマー投こそ1位だったものの、砲丸投で3位、円盤投は2位にとどまった。全国ではハンマー投2位、砲丸投3位、円盤投11位という結果に。1年後、確かな成長を示した。 「ハンマー投はもちろん、他の2種目でもトップを射程圏に捉えるとができました。まだまだ課題もありますが、全国に向けて手応えをつかめた試合になりました。昨年も同じ3種目の試合を経験しているので、不安なく臨めるのは大きい。しっかり対策を練って万全の状態で臨み、自分の投げに徹することができればおのずと結果もついてくると信じています」 全国では1日目にハンマー投、3日目に砲丸投、そして最終日の5日目に円盤投と、種目間は中1日あるスケジュールとなる。福岡の空にどんなビッグな放物線を描くだろうか。 この他の種目も、2日目までと同様にどの種目も熱戦となった。 男子200mは100m3位の年綱晃広(滝川二3兵庫)が21秒03(+0.1)の県高校新で制し、400m覇者で1年後輩の久保拓己が21秒27で続いて、滝川二勢でワン・ツーを占めた。2人は塩瀬中の先輩・後輩でもある。 女子200mは、前日の100mを11秒76(+1.3)の自己新優勝を飾った仲埜心葉(市西宮3兵庫)と、初日の400mをこちらも自己新の54秒11で制した齋藤朱里(北摂三田3兵庫)が「スプリント2冠」を懸けて激突。9レーンから突き抜けた仲埜が、自己ベストに0.09秒と迫る24秒06(±0)で優勝し、齋藤は24秒28で2位だった。200mは男女ともに兵庫勢がメダルを独占している。 男子400mハードルは後半抜け出した白髭怜士(北摂三田3兵庫)が51秒39の好タイムで制覇。女子400mハードルは優勝した松尾夏月(近大附3大阪)が59秒46、2位の福島波暖(東大阪大敬愛3)が59秒59とそろって60秒切りという好勝負が繰り広げられた。 男子3000m障害は残り1周で抜け出した加嶋翼(洛南3京都)が自身初の9分切りとなる8分57秒24で連覇を達成。9分05秒50でも全国切符を逃すハイレベルなレースとなった。 男女の5000m競歩は山口輝(洛南3)、林千華(立命館宇治3)の京都勢が快勝。Vタイムはそれぞれ20分36秒10、23分10秒31だった。男子走高跳は中村佳吾(関大北陽2大阪)が自己新の2m10をクリアして優勝。女子棒高跳、三段跳は、ともに今季高校リストトップの松井愛果(大塚3大阪/3m90)、山中真琴(京都文教3/12m57、+0.6)が堂々の1位。同ハンマー投は長谷川有(花園2京都)がただ1人の50m台となる50m21で制し、アツオビンとの花園男女優勝を果たした。 文/花木 雫

インターハイ近畿大会優勝者一覧をチェック!

●男子 100m 西岡尚輝(東海大仰星3大阪) 10秒21(-0.4) 200m 年綱晃広(滝川二3兵庫) 21秒03(+0.1) 400m 久保拓己(滝川二2兵庫) 46秒69=大会新 1500m 川口峻太朗(洛南3京都) 3分47秒88 400mH 白髭怜士(北摂三田3兵庫) 51秒39 3000m障害 加嶋 翼(洛南3京都) 8分57秒24 5000m競歩 山口輝(洛南3京都) 20分36秒10 4×100mR 洛南(京都) 39秒86 走高跳 中村佳吾(関大北陽2大阪) 2m10 棒高跳 長野董也(王寺工3奈良) 5m10 走幅跳 藤本涼哉(小野3兵庫) 7m54(+0.1) 砲丸投 アツオビン・アンドリュウ(花園3京都) 16m82 円盤投 アツオビン・アンドリュウ(花園3京都) 48m78 ハンマー投 アツオビン・アンドリュウ(花園3京都) 67m02 八種競技 石本澄空(鳥羽3京都) 5996点 [adinserter block="4"] ●女子 100m 仲埜心葉(市西宮3兵庫) 11.76(+1.3) 200m 仲埜心葉(市西宮3兵庫) 24秒06(±0) 400m 齋藤朱里(北摂三田3兵庫) 54秒11 1500m 久保 凛(東大阪大敬愛2大阪) 4分19秒11 400mH 松尾夏月(近大附3大阪) 59秒46 5000m競歩 林 千華(立命館宇治3京都) 23分10秒31 4×100mR 京都橘(京都) 45秒87 走高跳 野田瑚羽(園田学園3兵庫) 1m71 棒高跳 松井愛果(大塚3大阪) 3m90 走幅跳 高宮ひかり(大塚3大阪) 6m23(+0.8)=大会新 三段跳 山中真琴(京都文教3京都) 12m57(+0.6) 円盤投 矢野結衣(添上3奈良) 45m76 ハンマー投 長谷川有(花園2京都) 50m21 やり投 本多 七(園田学園2兵庫) 47m84

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