2024.06.15
◇インターハイ南関東地区大会(6月14~17日/東京・駒沢陸上競技場、大井陸上競技場)1日目
福岡インターハイ出場を懸けた南関東地区大会の1日目が行われ、男子1500mでは気温31度の中で6位までが3分40秒台に入るスピードレースになった。
男子1500mの3分50秒切りは3年連続となり、高速レースが続く。中でもひと際ハイペースになった今年は、フェリックス・ムティアニ(山梨学院2山梨)が先導した。
ムティアニは序盤から飛び出し、400m通過を1分ちょうど、800mを2分01秒でとばす。3分42秒を目標に突き進んだ。速い流れに、後続の日本人選手たちは早々に縦長の隊列になる。それでもムティアニから離れることなく追走した。
2~6番手に並んだのが千葉県勢5人。2番手につけた阿部宥人(西武台千葉3千葉)は、「自分は引っ張るのが得意。ムティアニ君が出てくれたので、ついていくだけだと思いました」。阿部が迷わず追う構えを見せ、他の選手たちも自重しなかった。全員が腹を括ってハイペースに立ち向かう。
レースが動いたのは残り1周の1100m地点。千葉県5位の河田珠夏(八千代松陰3千葉)が勇猛にスパートを仕掛けた。崩れ出した隊列から一気に抜け出し、先頭のムティアニの前へ。河田が1200mのラップ(3分00秒)を奪った。
しかし抜かれたムティアニも「予定通りのラップを刻んでいたので力は残っていました」と冷静。バックストレートの半ばで河田を抜き返すと、さらに脚の回転をあげてロングスパート。後続を突き放した。3分41秒93。
従来の大会記録を大きく上回り、高校留学生選手では歴代2位、日本人選手を含めた歴代ランキングでは歴代4位に該当する。今季は短い距離にシフトし、800mと1500mでインターハイ路線に参戦。5000m主軸の練習をしながら、レース前に刺激を入れて臨んでいる。「目標は800mと2種目でナンバーワンです」と力強い。
ムティアニに再逆転された河田を、残り30mで阿部と山田晃央(早稲田実3東京)が逆転。阿部3分46秒68、山田晃央(早稲田実3東京)3分47秒11、河田が3分47秒45。
2位の阿部は、持ち味のフロントランだけでなく、ラストスパートに進境。「インターハイまでにハイレベルくらいついていく自分の走りを磨いていきます」。
3位の山田はスタートで出遅れたが、残り1周までに6位圏内に浮上。武器のロングスパートを繰り出した。「出遅れても落ち着くことができ、1人また1人と抜いていけたのはよかった。インターハイでは(上位の)この2人に勝って、表彰台、メダルを目指します」。
5位の松村達也(八千代松陰3千葉)までが大会新の発表。4~6位を八千代松陰勢が占めた。
このほか、男子400mで菊田響生(法政二3神奈川)が46秒61の大会新記録をマークし、女子やり投で昨年のU18大会を制している吉田さくら(相模原弥栄3神奈川)が48m33で優勝を飾った。
全国インターハイは7月28日から8月1日に福岡・博多の森陸上競技場で開催。各地区大会上位6位までが出場する(※男女競歩は5位、女子棒高跳、女子三段跳、女子ハンマー投は4位まで、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)。
文/奥村 崇
インターハイ南関東大会優勝者一覧をチェック!
●男子 400m 菊田響生(法政二3神奈川) 46秒61=大会新 1500m フェリックス・ムティア二(山梨学院2山梨) 3分41秒93=大会新 走幅跳 淡路亮介(荏田3神奈川) 7m59(+4.1) ハンマー投 鈴木駿星(長生3千葉玉) 63m12 [adinserter block="4"] ●女子 400m ヌワエメ・グレース(城西3東京)) 56秒71 5000mW 早川愛花(錦城3東京) 24分43秒75 走高跳 手島花奈(明星学園3東京) 1m70 棒高跳 渡邊紗莱(大宮東2埼玉) 3m80 やり投 吉田さくら(相模原弥栄3神奈川) 48m33
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.02.22
石井優吉がショートトラック800m1分46秒41の日本新!
2025.02.22
JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン
2025.02.22
【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(花園高3) 61m59=一般規格高校歴代2位
-
2025.02.22
-
2025.02.22
-
2025.02.21
-
2025.02.21
2025.02.17
日本郵政グループ女子陸上部 「駅伝日本一」へのチームづくりとコンディショニング
2025.02.16
男子は須磨学園が逆転勝ち! 女子は全国Vの長野東が強さ見せる/西脇多可高校新人駅伝
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.22
-
2025.02.16
2025.02.02
【大会結果】第77回香川丸亀国際ハーフマラソン(2025年2月2日)
2025.02.02
大迫傑は1時間1分28秒でフィニッシュ 3月2日の東京マラソンに出場予定/丸亀ハーフ
-
2025.02.14
-
2025.02.09
-
2025.02.02
-
2025.01.26
-
2025.01.31
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.02.22
石井優吉がショートトラック800m1分46秒41の日本新!
2月21日、米国ペンシルベニア州カレッジステーションでペンシルベニア州立大の学内学内競技会が同校の室内競技場(1周200m)で行われ、男子800mで石井優吉(ペンシルベニア州立大)が1分46秒41のショートラック日本記録 […]
2025.02.22
JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン
◇大阪マラソン2025(2月24日/大阪・大阪府庁前スタート・大阪城公園フィニッシュ) 大阪マラソンの主催者は2月22日、招待選手の西山雄介(トヨタ自動車)がコンディション不良により欠場することを発表した。 西山は22年 […]
2025.02.22
【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(花園高3) 61m59=一般規格高校歴代2位
2月22日、京都市の京産大総合グラウンド競技場で第11回京都陸協記録会が行われ、一般規格の男子ハンマー投でアツオビン・アンドリュウ(花園高3京都)が高校歴代2位となる61m59をマークした。 アツオビンは昨年のU20日本 […]
2025.02.22
円盤投・堤雄司が自己2番目の61m76でV 女子100mH青木益未は13秒04 福田翔太、郡菜々佳も優勝/WAコンチネンタルツアー
世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ブロンズラベルのインターナショナル・トラック・ミート2025が2月22日、ニュージーランドのクライストチャーチで行われ、男子円盤投で堤雄司(ALSOK群馬)が61m76のセカンドベス […]
2025.02.22
「インターハイでも勝ちたい」高校2年の栗村凌がU20男子を制す 女子は真柴愛里が貫禄/日本選手権クロカン
◇第40回U20日本選手権クロスカントリー(2月22日/福岡・海の中道海浜公園) U20日本選手権クロスカントリーが行われ、男子(8km)では栗村凌(学法石川高2福島)が23分20秒で優勝を果たした。 今年も全国から有力 […]
Latest Issue
最新号

2025年3月号 (2月14日発売)
別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝