2024.06.13
成川倭士 PROFILE
◎なるかわ・わくし/2006年4月6日生まれ。静岡県出身。静岡東中-東海大翔洋高。小3から陸上を始め、中3では全中走幅跳で4位。U16大会では三段跳で優勝している。高1では走幅跳では国体少年Bで2位、U18大会では4位に入った。高2の昨シーズンはインターハイ東海大会で200mと走幅跳に2走を務めた4×100mリレーも含めた3冠を獲得したが、翌月の大会で故障し、その後は治療に専念した。走幅跳だけでなく、100mや200mでもトップレベルのスプリンターでもある。主な自己ベストは100m10秒41(23年)、200m20秒87(23年)、走幅跳7m50(23年)、三段跳13m70(21年)

最高のコンディションで栄冠を目指す成川選手
“最後”は勝ちたい
――5月の静岡県大会を振り返っていかがですか。 成川 初日の走幅跳の1本目(7m36/±0)で脚を痛めてしまい、ケガ自体はそれほどひどくありませんでしたが、この先のことを考えて、ほかにエントリーしていた種目(200mと4×100mリレー)は棄権することになりました。ただ、チームの総合得点争いで負けてしまい、悔しかったです。200mは出たほうが良かったかもしれません。 ――それでも、走幅跳は1回だけの跳躍で2位。記録も7m30台です。 成川 自分は通過するだけだと思っていたので、1本目で記録を残せて良かったです。7m30台後半まで出るとは思っていませんでした。脚の状態や仕上がり具合からすれば良い跳躍ができました。 ――東海大会に向けての意気込みを教えてください。 成川 インターハイに向けて、しっかり通過できればいいかなと思っています。 ――今シーズンは走幅跳の技術面でどういうことを意識していますか。 成川 4月の静岡県中部支部大会から助走を2歩伸ばして、4mぐらい助走距離が伸びて、スピードを乗りやすくした状態でやりました。また、支部大会では跳び方も反り跳びからシザースに変えたんですけど、県大会は練習があまりできていなかったので、シザースではなく反り跳びが出てしまいました。 ――シザースの練習はいつから始めましたか。 成川 今年の冬季の終わりぐらいです。時間があった時はシザースをやるようにしていました。1年生のシーズンが終わった後にシザースをやってみようかなと思いながら結局取り組んでこなかったので、「できたらいいな」くらいの気持ちで、遊び感覚でチャレンジしました。 ――今季はシザースが固まれば、それで行きたいと考えていますか。 成川 はい、そうです。 ――助走を伸ばしたというのは、きっかけは。 成川 日によって調子が違うので、多少変えますが、35~36mだったのが、39~40mになりました。17歩の35mで出た昨年の東海大会が終わって、もう2歩伸ばせばもっとスピードに乗るかなという話はありましたが、ケガがあってできなかったので、4月の中部大会が終わってから19歩の助走を始めました。 ――万全な状態であれば、かなり良い記録が期待できそうですね。今季の目標を教えてください。 成川 昨年までは3種目あったので疲労のことも考えて、幅跳びは7m70ぐらいと思っていました。でも、2種目なくなって1種目に専念できるということで、やっぱり8m付近を狙っていきたいです。 ――自己ベストは昨年の7m50。大幅な更新になりますね。 成川 しっかり助走ができれば、昨年よりスピードも乗ると思うので、行けるという感じはあります。あとは風や会場の雰囲気、その日の調子次第。インターハイでは8mを跳んで優勝したいです。 ――県大会では、まだそこまで助走スピードを上げなかったのですか。 成川 そうですね。筋肉がまだ速い動きに慣れていないこともありますし、脚に違和感もあったので抑え気味で行きました。それでも記録は良い方でした。 ――昨年は7月に右ハムストリングをケガして、以後は試合を欠場しました。 成川 昨年のシーズンは何回か再発していたのもあって、ビビって出なかったというのはあったかもしれません。 ――冬季練習はいかがでしたか。 成川 違和感程度は何回かありましたが、12月25~28日までの冬季合宿からは結構練習に参加できていました。 ――冬季は特にどんなことを取り組んできましたか? 成川 走れない時期が2ヵ月ぐらいあったので、体力面をまず戻すことがメインで、あとは走り方を思い出すような意識で練習しました。 ――インターハイへの思いを教えてください。 成川 昨年はケガで出られませんでした。3年間で今年しかチャンスがないので、東海大会を通過して全国を決めたいし、最後は勝って終わりたいです。 ――今年はインターハイ後にU20世界選手権(8月27日~31日/ペルー・リマ)が開かれます。 成川 U20もかなり大事な試合。まずは代表に選ばれるようにU20日本選手権(6月27日~30日/新潟)でがんばりたいです。インターハイ路線を1種目にしたのもU20を踏まえた上での決断でした。200mと走幅跳に出場する予定です。静岡にいる同学年のライバル
――陸上競技を始めたきっかけは。 成川 脚が速いほうだったので友達が誘ってくれたことと、もっと脚が速くなりたかったので、小学3年生の夏前から千代田ACという地元の陸上クラブで始めました。 ――ほかのスポーツ経験はありますか。 成川 小学1年生からサッカーをやっていましたが、楽しい思い出はあまりありませんでした。 ――ご家族で陸上経験者はいらっしゃいますか。 成川 自分だけです。母や祖母はバレーボールをやっていて、弟はサッカーをやっています。 ――チームメイトの浅井惺流選手(3年)も同じ千代田ACですね。 成川 自分より少し前に入っていたと思います。クラブは一緒でしたが、小学校も中学校も別々でした。 ――クラブではどんな種目に取り組みましたか。 成川 最初は100mや走幅跳など、いろいろやっていましたが、走幅跳になりました。多分楽しかったんだと思います。当時から目標は高くて、「県(学童)記録を更新したい」とずっと言っていて、それなりに良い記録は出せたけれど県記録までは届かなかったので、中学でも陸上を続けようと思いました。 ――中学時代の思い出を教えてください。 成川 小学校の時はランキングでずっと県1位でしたが、中学に入ってからは2位や3位ばかりで、ずっと負けていた思い出があります。 ――その相手は5月の県大会でも優勝した奥澤真選手(浜松西3)ですか? 成川 そうです。奥澤選手にずっと勝ちたかったですが、全中以外(成川選手4位、奥澤選手13位)ではなかなか勝てなかったです。 ――今でも7m50を超えるような選手が同じ県にいるというのは? 成川 ずっと上にいる存在なので、変わらず追いかける立場かなと。今季も記録で負けているので、自分が上という感覚はありません。 ――東海大会でも奥澤選手と争うことになります。 成川 インターハイでは絶対に勝ちたいですが、東海大会は「勝てたらいいな」ぐらいの気持ちです。 ――高校を東海大翔洋に選んだ理由は。 成川 誘っていただいたことと、当時はインターハイでワン・ツーを取ることになる北川凱先輩や深沢瑞樹先輩がいたからです。2人の先輩や、1学年上の土屋充慶先輩にはあこがれています。後輩として格好いいと感じます。 ――昨シーズンに走幅跳だけでなく、スプリントで一気に飛躍した要因は。 成川 高校1年生でも10秒77で走っていましたが、走りが変わってから全然違う走りで速く走れているという感じがしています。中学の頃はまだかなりやせていましたが、高1の冬季が終わってから体重がすごく増えました。また、走りの面で言うと、ストライドが10cmぐらい伸びたのが大きいと思います。 [caption id="attachment_137826" align="alignnone" width="800"]
成川倭士 PROFILE
◎なるかわ・わくし/2006年4月6日生まれ。静岡県出身。静岡東中-東海大翔洋高。小3から陸上を始め、中3では全中走幅跳で4位。U16大会では三段跳で優勝している。高1では走幅跳では国体少年Bで2位、U18大会では4位に入った。高2の昨シーズンはインターハイ東海大会で200mと走幅跳に2走を務めた4×100mリレーも含めた3冠を獲得したが、翌月の大会で故障し、その後は治療に専念した。走幅跳だけでなく、100mや200mでもトップレベルのスプリンターでもある。主な自己ベストは100m10秒41(23年)、200m20秒87(23年)、走幅跳7m50(23年)、三段跳13m70(21年) [caption id="attachment_137827" align="alignnone" width="800"]
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