HOME 国内、大学

2024.05.25

女子やり投・篠田佳奈が自己新V 57m63で堂々3連覇 「60m近くの感触があった」/関西IC
女子やり投・篠田佳奈が自己新V 57m63で堂々3連覇 「60m近くの感触があった」/関西IC

自己新で24年関西インカレ女子やり投を制した篠田佳奈

◇第101回関西インカレ(5月22日~25日/京都・たけびしスタジアム京都)

関西インカレのT&Fの部3日目が行われ、女子やり投で4年生の篠田佳奈(京大)が4投目に57m63の自己ベストを投げ大会3連覇を飾った。

昨年は日本選手権で6位、日本インカレでは2位に入っている篠田。「4投目は力の方向とやりの向きが合って、しっかり力を加える投げができました。大会記録(59m22)が目標でしたが自己ベスト(56m57)を更新できたのは良かったです」と笑顔で振り返る。

それでも「関カレは独特の雰囲気もあり久々に緊張しました」と言うように、前半は「前日の砲丸投(9位・11m83)の疲れもあって脚が思ったように動かず、2投目までリードされてしまい自分のペースに持ち込めませんでした」と反省の弁が口をつく。「大きな試合では前半に記録を残さないと次(トップ8)に進めない。しっかり前半から決められるよう、アップから調整することが課題」と3連覇にも気を緩めることはない。

大学2年時に京大の女子選手として初めて関西インカレを制して注目を集めた篠田。そのシーズンは50m56がベストだったが、3年生となった昨年4月の京都インカレで初めて55mを超える55m69のベストを投げて以降、「60mを意識するようになった」という。その後、日本選手権で入賞、日本インカレでは初の表彰台を経験するなど、日本のトップクラスの仲間入りを果たしつつある。

この冬は、さらなる記録の更新を目指し積極的にウエイトトレーニングなどにも取り組み体力を強化。「基礎体力のベースがアップし、助走と投げが徐々につながってきた」とこの日の好投につなげた。

広告の下にコンテンツが続きます

今季の最大の目標に昨年逃した日本インカレのタイトル、そして日本選手権での表彰台を挙げる。この後は夏の大学院入試を控え、勉学との両立がより一層厳しくなるが、「今回も、もう少し角度が出れば60m近くは行っていた感触があった。冬季もしっかり練習が積め、55m以上で記録も徐々に安定してきているので、その成果を大舞台で発揮したい」と目を輝かせる。

1投目に54m43を投げ篠田をリードした中村怜(東大阪大4)が2位。同じく1投目に51m04をマークした川合小想(大体大3)が3位。4位までが50mを超え、仲間の大声援を背に気温30度に迫る暑さを吹き飛ばす投げ合いだった。

注目の総合争いは、大会3日目までを終えて男子トップが85.5点の関学大。以下、立命大、京産大が78点で続き、連覇を目指す関大が73点で追う展開。残り種目を考慮しても、勝負の行方は最後のマイルリレーまでもつれるほどの接戦となっている。

女子も3連覇を目指す立命大と3年ぶりの王座奪還を狙う園田学園女大が92点で並ぶ大激戦。こちらも最後まで目が離せない展開となりそう。最終日には、昨夏のブタペスト世界選手権に出場した山本亜美(立命大)が400mハードル、パリ五輪代表の柳井綾音(立命大)が10000m競歩に登場。どんなパフォーマンスを見せてくれるか注目が集まる。

文/花木 雫

◇第101回関西インカレ(5月22日~25日/京都・たけびしスタジアム京都) 関西インカレのT&Fの部3日目が行われ、女子やり投で4年生の篠田佳奈(京大)が4投目に57m63の自己ベストを投げ大会3連覇を飾った。 昨年は日本選手権で6位、日本インカレでは2位に入っている篠田。「4投目は力の方向とやりの向きが合って、しっかり力を加える投げができました。大会記録(59m22)が目標でしたが自己ベスト(56m57)を更新できたのは良かったです」と笑顔で振り返る。 それでも「関カレは独特の雰囲気もあり久々に緊張しました」と言うように、前半は「前日の砲丸投(9位・11m83)の疲れもあって脚が思ったように動かず、2投目までリードされてしまい自分のペースに持ち込めませんでした」と反省の弁が口をつく。「大きな試合では前半に記録を残さないと次(トップ8)に進めない。しっかり前半から決められるよう、アップから調整することが課題」と3連覇にも気を緩めることはない。 大学2年時に京大の女子選手として初めて関西インカレを制して注目を集めた篠田。そのシーズンは50m56がベストだったが、3年生となった昨年4月の京都インカレで初めて55mを超える55m69のベストを投げて以降、「60mを意識するようになった」という。その後、日本選手権で入賞、日本インカレでは初の表彰台を経験するなど、日本のトップクラスの仲間入りを果たしつつある。 この冬は、さらなる記録の更新を目指し積極的にウエイトトレーニングなどにも取り組み体力を強化。「基礎体力のベースがアップし、助走と投げが徐々につながってきた」とこの日の好投につなげた。 今季の最大の目標に昨年逃した日本インカレのタイトル、そして日本選手権での表彰台を挙げる。この後は夏の大学院入試を控え、勉学との両立がより一層厳しくなるが、「今回も、もう少し角度が出れば60m近くは行っていた感触があった。冬季もしっかり練習が積め、55m以上で記録も徐々に安定してきているので、その成果を大舞台で発揮したい」と目を輝かせる。 1投目に54m43を投げ篠田をリードした中村怜(東大阪大4)が2位。同じく1投目に51m04をマークした川合小想(大体大3)が3位。4位までが50mを超え、仲間の大声援を背に気温30度に迫る暑さを吹き飛ばす投げ合いだった。 注目の総合争いは、大会3日目までを終えて男子トップが85.5点の関学大。以下、立命大、京産大が78点で続き、連覇を目指す関大が73点で追う展開。残り種目を考慮しても、勝負の行方は最後のマイルリレーまでもつれるほどの接戦となっている。 女子も3連覇を目指す立命大と3年ぶりの王座奪還を狙う園田学園女大が92点で並ぶ大激戦。こちらも最後まで目が離せない展開となりそう。最終日には、昨夏のブタペスト世界選手権に出場した山本亜美(立命大)が400mハードル、パリ五輪代表の柳井綾音(立命大)が10000m競歩に登場。どんなパフォーマンスを見せてくれるか注目が集まる。 文/花木 雫

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.03.28

【世界陸上プレイバック】五輪ボイコットきっかけに創設!クラトフヴィロヴァが女子400mと800mで今も大会記録に残る2冠 日本は室伏重信ら出場も入賞ゼロ

今年、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪大会を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。これま […]

NEWS 【高校生FOCUS】女子三段跳・山﨑りりや(鳴門渦潮高)日本高校女子初の13m到達、大学で学生記録挑戦

2025.03.28

【高校生FOCUS】女子三段跳・山﨑りりや(鳴門渦潮高)日本高校女子初の13m到達、大学で学生記録挑戦

FOCUS! 高校生INTERVIEW 山﨑りりや Yamasaki Ririya 鳴門渦潮高3徳島 高校アスリートをフォーカスするコーナー。年度末を迎えますが、振り返ってみれば、2024年度は高校生による日本記録樹立を […]

NEWS 3泊4日の全国高体連合宿終了! 「高め合える仲間がいっぱいできた」 来年度は宮崎で開催予定

2025.03.28

3泊4日の全国高体連合宿終了! 「高め合える仲間がいっぱいできた」 来年度は宮崎で開催予定

大阪・ヤンマースタジアム長居を主会場に行われた2024年度の日本陸連U-19強化研修合宿・全国高体連陸上競技専門部強化合宿が3月28日、3泊4日の全日程を終えた。全国から集まった選手たちは交流を深め、試合での再会を誓った […]

NEWS 資格停止中の競歩・池田向希がCASに不服申し立て「一日も早く競技 を再開」

2025.03.28

資格停止中の競歩・池田向希がCASに不服申し立て「一日も早く競技 を再開」

旭化成は3月28日、所属選手である競歩の池田向希が受けたアンチ・ドーピング規則違反による4年間の資格停止処分について、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に不服申し立てを行ったと発表した。 男子20km競歩で東京五輪銀メダリスト […]

NEWS 【男子円盤投】福宮佳潤(東京高1) 50m73=高1歴代2位&4人目の50mオーバー

2025.03.28

【男子円盤投】福宮佳潤(東京高1) 50m73=高1歴代2位&4人目の50mオーバー

3月28日、東京都多摩市の国士大多摩陸上競技場で第7回国士大競技会が行われ、高校用規格の男子円盤投(1.75kg)において福宮佳潤(東京高1)が50m73をマークした。この記録は高校1年生の歴代ランキングで2位。高1で史 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報

page top