日本陸連は4月20日、東京都内の味の素ナショナルトレーニングセンターで、世界リレー(バハマ・ナッソー)に向けた男女4×100mリレーの代表合宿を公開した。
男子4×100mリレーは、昨年の実績から栁田大輝(東洋大)と上山紘輝(住友電工)、そして選考会だった出雲陸上から、木梨嘉紀(筑波大院)、山本匠真(広島大)、三輪颯太(慶大)の学生3選手が初代表入り。そして、世界選手権100m2大会連続ファイナリストのサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が加わる。
土江寛裕ディレクターは「経験豊富な3人と、初代表の3人で、すごくバランスが良いメンバーがそろいました。経験のある選手と新たなに入った選手がリレーを組むことでノウハウが伝わっていくのが日本のリレーです」と言う。合宿の雰囲気も「ギスギスしたところもなく、お互いにコミュニケーションをとって高めていこうとしている」と目を細める。
世界リレーで決勝に進めばパリ五輪の出場権を獲得できる。それ自体、「もちろん油断をしてはいけませんが、ミスなく、しっかりパフォーマンスができれば、ハードルは高くない」と土江ディレクター。これまでの代表が積み上げてきた伝統があり、それは初代表であろうと、日本男子短距離に根付いている。
ただ、パリ五輪で目指すのは「東京五輪で忘れてきた」という金メダル。そのためにも、世界リレーは「各国ともトップ選手で組んでくると思うので、(パリで)金メダルを取る練習になればいいなと思っています」とし、「それを狙えるメンバーがそろった」を自信を持つ。
走順は特性を考慮してほぼ固まっており、「1走は木梨選手か山本選手。2走は栁田選手、3走は上山選手。アンカーはサニブラウン」と明言した。
なかでも、サニブラウンの参戦は大きな意味を持つ。これまで「いろいろ誤解があった」と土江ディレクター。東京五輪でリレー金メダルを目指して100mと200mのいずれかを選択してもらうように要請したことや、米国で活動することも影響してきたが、「ハキーム選手はリレーが大好きなんです」と代弁する。
情報が一人歩きしてきたが、これまで代表チームでの言動を見て入れば誰もが理解できることだった。今回、「ある意味で個人を犠牲にしてでも」世界リレー出場となったことは、その意思表示でもある。代表チームは米国で合宿し、1レースしてからバハマへ。サニブラウンは現地で合流することになる。
「ハキーム選手抜きでは金メダルは取れない。パリの作戦を作る上でも重要なレースですし、来てくれるのは大きい」(土江ディレクター)
この日は上山と栁田を中心に、チームの雰囲気の良さを見せていた男子4継陣。まずはパリ五輪の出場権獲得。その先のメダル争いがパリ五輪へとつながっていく。
世界リレーは5月4、5日に開催。8月のパリ五輪の出場国選考を兼ねた重要な競技会で、上位14ヵ国(決勝8チーム+2レース目からの6ヵ国)が出場権を獲得する。パリ五輪のリレー出場枠は16で、残り2枠については選考期間中(22年12月31日~24年6月30日)のトップリストの上位から選出される予定となっている。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2025.01.17
編集部コラム「年末年始の風物詩」
-
2025.01.17
-
2025.01.17
-
2025.01.17
-
2025.01.16
2025.01.12
【テキスト速報】第43回都道府県対抗女子駅伝
-
2025.01.14
-
2025.01.12
-
2025.01.15
2024.12.22
早大に鈴木琉胤、佐々木哲の都大路区間賞2人が来春入学!女子100mH谷中、松田ら推薦合格
-
2024.12.22
-
2024.12.30
-
2025.01.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.01.18
都道府県男子駅伝オーダー発表!3区に塩尻和也と鶴川正也 7区は鈴木健吾、黒田朝日 4連覇狙う長野は3区吉岡大翔
◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝前日の1月18日、オーダーリストが発表された。 エントリーされていた2人の日本記 […]
2025.01.17
西脇多可新人高校駅伝の出場校決定!男子は佐久長聖、大牟田、九州学院、洛南 女子は長野東、薫英女学院など有力校が登録
1月17日、西脇多可新人高校駅伝の実行委員会が、2月16日に行われる第17回大会の出場チームを発表した。 西脇多可新人高校駅伝は、兵庫県西脇市から多可町を結ぶ「北はりま田園ハーフマラソンコース(21.0795km)」で行 […]
2025.01.17
編集部コラム「年末年始の風物詩」
毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]
2025.01.17
中・高校生充実の長野“4連覇”なるか 実力者ぞろいの熊本や千葉、岡山、京都、福岡も注目/都道府県男子駅伝
◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 中学生から高校生、社会人・大学生のランナーがふるさとのチームでタスキをつなぐ全国都道府県男子駅伝が1月19日に行われる […]
2025.01.17
栁田大輝、坂井隆一郎らが日本選手権室内出場キャンセル 日本室内大阪はスタートリスト発表
日本陸連は2月1日から2日に行われる、日本選手権室内のエントリー状況と、併催の日本室内大阪のスタートリストを発表した。 日本選手権室内では12月にエントリーが発表されていた選手のうち、男子60mに出場予定だったパリ五輪代 […]
Latest Issue 最新号
2025年2月号 (1月14日発売)
駅伝総特集!
箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
高校駅伝、中学駅伝
富士山女子駅伝