2024.03.31
髙橋美月 PROFILE
◎たかはし・みづき/2006年12月18日生まれ。岩手県出身。盛岡城西中(岩手)―埼玉栄高(埼玉)。中2の時は全国大会(2020年全国中学生大会)に惜しくも届かなかったが、11月にマークした1m69はその年の中学ランキング2位。翌年の中3シーズンは7月に1m72をマークすると、8月の全中、10月のU16大会と全国大会2冠を達成した。高1シーズンだった22年はインターハイ7位、国体少年共通3位、U18大会4位タイとルーキーながら安定した成績を残している。また、記録面でも4月に1m73、8月に1m75、2年生に進級直前の23年3月には高1歴代4位タイの1m76をマーク。高2シーズンはインターハイと国体(少年共通)で2冠を果たした。主な自己ベストは走高跳1m77(23年)
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23年10月の国体少年共通では自己ベストの1m77を跳んで優勝
1m83を狙えるように
――2023年はどんなシーズンでしたか。 髙橋 インターハイと国体で優勝して2冠を達成できたことは良かったです。ただ、初戦(3月中旬の関東学連春季オープン競技会で1m76=高1歴代4位タイ)と最後の国体でしか記録を出すことができず、1番大切な5月から8月まで記録が全然ダメだったので、全体的に見ればあまり良くなかったと思います。 ――どれくらいの記録を意識していましたか。 髙橋 高校2年生で1m80を跳ぶことに価値があると思っていましたが、1m77までしか行けませんでした。昨シーズンは1m80に3回挑戦して、どれも惜しい跳躍ばかりだったので、まだまだツメが甘い部分だなと感じました。 ――冬季練習はどんなテーマで取り組んできましたか。 髙橋 まず基礎的な体力をつけながら、新しい技術を取り入れるというか、自分のものにできるように取り組んできました。 ――具体的にどんな内容か教えてください。 髙橋 スターティングブロックを使って、短距離の人たちと一緒に走ったりしました。短距離の選手は速いので、何とか追いつこうと走ったので、大会でも必要になってくる「負けたくない」という気持ちの部分で成長できたかなと思います。 ――技術面での新しいことというのは。 髙橋 あごが全然下がらなくて身体が反れないことや、踏み切りの時に後ろに重心が残ってしまうことが昨年からずっと課題でした。それを改善できるようにずっとがんばってきました。 ――そうした課題は克服できましたか。 髙橋 3月17日の関東学連春季オープン競技会がシーズンインで、練習の一環として出場(1m71)しましたが、まだ自分のものになっていませんでした。これからの課題でもあります。 ――課題をクリアできれば、記録はどのくらいまで伸ばしたいですか。 髙橋 昨年は1m80は跳べそうな感覚をつかめたので、今季は1m83を狙える跳躍をしていきたいです。 ――そのために、練習ではどんなことを意識していますか。 髙橋 常に1m80は意識しています。バーをかけて跳躍するのはちょっとまだ難しいですが、ゴムバーなら1m80にかけて練習していますし、1m83にかけて助走の練習はしていて、高さへの慣れの感覚は日頃から磨くようにしています。 ――今年はインターハイ2連覇が目標ですか。 髙橋 はい。また、8月のU20世界選手権に出られるようにがんばりたいです。昨年8月に日・韓・中ジュニア交流競技会で初めて日本代表として出ることができて、また代表のユニフォームを着て、世界で戦える選手になりたいという強い思いも出てきました。日本代表に選んでもらうためにも、1m80は越えないといけないという気持ちが強いです。 ――日・韓・中に出たことで感じたことは。 髙橋 日本代表のユニフォームを着ることで気持ちの部分が普段とは違いましたし、日本開催でしたが、海外の競技場で跳んでみたいと思いました。一緒に出ているメンバーがアジアや世界で戦っている先輩方が多くて、私もそういう舞台で活躍できる選手になりたいですし、1番はみんなと一緒に日本を背負いたいという思いが強くなりました。 ――選手として将来的な目標はありますか。 髙橋 記録に関しては、まだ1m80も達成していないので、高い目標ばかり言えませんが、1m80を跳べたら1m85、それを跳べたら1m90という感じで、どんどん上げていければと思っています。 ――髙橋選手は2021年の東京五輪で、最終走者の大坂なおみ選手に聖火を手渡す大役を担いました。五輪への思いは。 髙橋 4年後のロサンゼルス五輪を目指したい気持ちはありますが、出たいというだけでは出られません。自己ベストを更新しつつ、安定して記録を出していかないといけないなと。常に新しいことに挑戦して進化を求めていって、いずれはオリンピックが視野に入ってきたらいいと考えています。中2の悔しさが飛躍のきっかけ
――陸上競技を始めたきっかけを教えてください。 髙橋 小1の時に学校のマラソン大会で1位になって、小2でも1位になりたいと思った時に、お母さんからクラブチームを勧められて入りました。クラブではコーチから100mを勧められたので短距離に移りました。 ――走高跳はいつから。 髙橋 中学に入って1年生の時は短距離や四種競技でしたが、走高跳を専門的に始めたのは2年生からです。中学の男女2人の先輩が県大会で1位となり、先輩たちが東北大会や全国大会を目標にしている姿を見て、私も先輩たちみたいに上の大会に出られるようになりたいと思って始めました。 ――中3の全中で優勝していますが、当時を振り返ってください。 髙橋 中2の時、コロナ禍で全中の代わりに全国中学生大会がありました。参加標準記録の1m57を跳ぶことができましたが、ターゲットナンバーの30にギリギリ届かない31番。そこですごく悔しい思いをして、1ヵ月後に1m68までベストを伸ばし、「来年は絶対に優勝する」という気持ちで全中に向かっていけました。 ――高校は埼玉栄高へ。岩手から越境を決めた理由は。 髙橋 埼玉栄出身で、全中とインターハイを勝っている岡野弥幸先輩にあこがれていることと、練習環境も充実していますし、顧問の清田浩伸先生もたくさんのインターハイ優勝者をご指導されているので、そういう高校で陸上がしたいと思ったからです。 ――普段は寮生活ですか。 髙橋 いえ、お母さんがついてきてくれたので、今は2人で生活しています。 ――清田先生からよく言われていることは 髙橋 この練習が自分が1m80を跳ぶために必要かどうか、判断してやりなさいと、よく言われています。 ――埼玉栄を進学した理由に岡野選手へのあこがれを挙げていました。 髙橋 岡野先輩も自分も右脚踏み切りで、初めて「この人みたいな跳躍をしたい」と思ったのが岡野先輩でした。当時はあまり走高跳の選手も知らなくて、海外の選手を動画で見ることもありませんでしたが、初めて調べて見た岡野先輩にあこがれるようになりました。 [caption id="attachment_132044" align="alignnone" width="800"]
髙橋美月 PROFILE
◎たかはし・みづき/2006年12月18日生まれ。岩手県出身。盛岡城西中(岩手)―埼玉栄高(埼玉)。中2の時は全国大会(2020年全国中学生大会)に惜しくも届かなかったが、11月にマークした1m69はその年の中学ランキング2位。翌年の中3シーズンは7月に1m72をマークすると、8月の全中、10月のU16大会と全国大会2冠を達成した。高1シーズンだった22年はインターハイ7位、国体少年共通3位、U18大会4位タイとルーキーながら安定した成績を残している。また、記録面でも4月に1m73、8月に1m75、2年生に進級直前の23年3月には高1歴代4位タイの1m76をマーク。高2シーズンはインターハイと国体(少年共通)で2冠を果たした。主な自己ベストは走高跳1m77(23年) [caption id="attachment_132045" align="alignnone" width="800"]
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