2024.03.27
2月25日の大阪マラソン。冷雨のレースで日本マラソン界の〝新星〟が登場した。2時間6分18秒の日本学生新記録を樹立した平林清澄(國學院大)だ。正月の学生駅伝でも花の2区を快走した國學院大の3年生エースが初マラソンでも〝攻めのレース〟を披露。コラントッテの磁気ネックレスとNSマグネバンが平林の激走を〝後押し〟していた。
昨年の大阪マラソンは出場できず
昨年は仙骨を2度も疲労骨折するなど苦しいスタートとなった。
「昨年は大阪マラソンに出場する予定だったんです。でも、1月中旬に仙骨の疲労骨折が判明してスタートラインに立つことができませんでした。3月にも仙骨を疲労骨折して、シーズン序盤は苦労しましたけど、7月のホクレン・ディスタンス網走大会10000mで27分55秒15を出すことができました」
8月には今冬のマラソンを意識して徹底した走り込みを実施。9月前半に体調を崩した影響もあって、出雲駅伝は6区で区間4位と本領を発揮できなかった。その後は調子を上げてきて、全日本大学駅伝はエースが集った7区で区間賞を獲得した。
正月の学生駅伝は2区を1時間6分26秒の区間3位で走破し、8人抜きを演じている。その後は大阪マラソンの出場を目指した。
「初マラソンとしては東京よりも大阪の方がペース的に向いていると思ったので、大阪マラソンを選びました。昨年は出られなかったので、その悔しさもあって、リベンジしたいなという気持ちもあったんです」
本格的なマラソン練習は1月15日から宮古島で10日間ほど行った。
「宮古島は距離を踏む意識ですね。駅伝で溜めがなくなったので、溜めを再び作ったイメージです。宮古島で行った距離走は効果があったと思います。複数人でやったんですけど、終盤は一人で上げていった感じです。その後は大学に戻って、スピード練習も少し入れて、感覚を上げるみたいな感じの練習をやりました」
大阪マラソンに向けたトレーニングについて、前田康弘監督はこう補足する。
「マラソン練習はレースの3ヵ月前からやるのではなくて、年間トータルだと思うんですよ。練習を継続して、まずは下地を作っていく。夏場は『前年の自分を超えろ』と言っていたんですけど、マラソンを意識して質量ともにやってきました。そして、正月の学生駅伝は権太坂と戸塚の坂がある厳しい23.1㎞を1時間6分26秒で走破しました。十分にマラソンを走る下地はできていたと思います」
宮古島合宿では40㎞走を2時間18分くらいで行ったが、平林は「あと10㎞いけそうです」というほど余裕があったという。
「40㎞走を重ねると疲労が残るリスクもある。平林の能力を引き出せる状態でスタートラインに立てるかを考えました。どれだけマラソンを意識づけて、練習のなかでイメージを作れるのか。40㎞走は30㎞まで他の選手も一緒でしたけど、マラソン本番は30㎞でペーサーが外れるので、終盤は単独で走らせました。量としては正月前の2割増し、3割増しくらいです。短期間でスタミナはつかないので、脳とカラダのなかでマラソンのイメージを作ることを優先しましたね」

大阪マラソンに向け、正月前の2割~3割増しのトレーニングをして準備をしたという
学生記録を目標にスタート
大阪で初マラソンに挑んだ平林。ターゲットにしていたのは日本学生記録(2時間7分47秒)の更新だった。
「ウォーミングアップはいつも通りにやった感じです。キロ2分58秒のペース設定だと聞いていたので、先頭集団でレースを進めたいと考えていました。風雨はありましたけど、気象条件はそこまで悪くはなかったので、うまく流れるんじゃないかなという気はしていましたね。10~15㎞くらいまではアップみたいなかたちで余裕を持っていく予定だったので、動きにも余裕がありましたし、いい流れだったと思います」
トップ集団は中間点を1時間2分47分で通過するも、25㎞以降はペースメーカーがうまく機能せず、集団のペースがダウンした。そして30㎞手前で小山直城(Honda)がペースアップ。平林はパリ五輪代表内定ランナーの背中を追いかけた。30㎞の通過は1時間29分52秒だった。その後、平林が抜け出すかたちになる。
「上りでも動きを変えなかったので、周りのペースが少し落ちたのか、前に出ちゃった感じですね。ただ32㎞からは自分でも上げていきました。行くときは、行くと決めていたので、ラップでいうと2分50秒くらいまで上がったと思います」
平林のアタックに日本人選手はついていけない。終盤は2時間4分48秒の自己ベストを持ち、昨年のブダペスト世界選手権で5位入賞の実績もあるスティーブン・キッサ(ウガンダ)とのマッチレースになった。
「ラスト5㎞はきつかったですね。特に37㎞地点ぐらいがきつかったと思います。逆にラストは少し余裕がありました。明確に切り替えたわけではなかったんですけど、ラスト1㎞のところでキッサ選手が離れた感じです」
平林が大阪マラソンで叩き出したタイムは日本歴代7位の2時間6分18秒。目標にしていた日本学生記録(2時間7分47秒)だけでなく、初マラソン日本最高記録(2時間6分45秒)も塗り替えた。
「目標にしていた学生記録を達成しましたが、ゴールした瞬間は『勝てて良かったな』という思いの方が強かったですね。日本人トップは狙いたいと思っていたので、優勝は素直にうれしいです。初めてのマラソンだったので、何が起こるかわかりません。ちゃんとゴールできて良かったなという感じでした」
コラントッテのギアが自信に
大阪では初マラソンと思えないような強気の走りを見せた平林。トレーニング以外に彼の心身を支えていたのがコラントッテのギアだった。
「良いサプリメントを探していたときに、旭化成の相澤晃選手がコラントッテさんの栄養機能食品『ウェルビィサプリ マルチビタミン&ミネラル』を活用しているという記事を見て、商品を試したんです。それが良かったので、コラントッテさんのさまざまな商品を使用するようになりました」(前田監督)
國學院大では2年ほど前からコラントッテのギアを活用。選手たちに特に好評なのが、磁気ネックレスとNSマグネバンだ。
「磁気ネックレスは主力選手だけですが、NSマグネバンは多くの選手がつけています。コラントッテさんは磁気によって血流が良くなるなどの効果を、医学的なエビデンス(根拠)を持って商品開発しています。そこに魅力を感じました。選手たちも効果を実感しているようです」(前田監督)

國學院大の選手はコラントッテの磁気ネックレスやNSマグネバンをコンディショニングに活用している
平林は普段から磁気ネックレスを愛用しており、大阪マラソンでは首、背中、脚などにNSマグネバンを60枚ほど貼って出走したという。
「磁気の力が血流を促して筋をほぐしてくれるので、自分のなかでコンディションが良くなっているような感覚が出るのでつけています。NSマグネバンは基本、試合のときだけ貼るようにしていますが、血行が良くないなと思ったときには、良くない方に貼ることで調整しています。走る時も動きに余裕が生まれたような気がしました」
平林は今後もコラントッテのギアを活用しながら、勝負していく。
「大阪マラソンでは特にトラブルもありませんでした。自分でもうまくいったかなと思いますが、これがマックスではありません。これまでの練習が正しかったという確認ができましたし、マラソンで世界と戦いたいという気持ちが強くなりました。ただ、具体的にどこのレースに出るかは全然決めていません。大学最後のシーズンは正月の学生駅伝で絶対に優勝したいので、まずは駅伝に集中しようかなと思っています」
新主将として國學院大を引っ張る平林。2024年シーズンも駅伝とマラソンでアグレッシブな走りを披露する。
コラントッテ商品は、アルペン、スーパースポーツゼビオ、スポーツオーソリティ、スポーツデポ、ヒマラヤスポーツ各店(五十音順)で取り扱っております。
※一部店舗で取り扱いのない商品がございます。詳しくはお近くの上記ショップにお問い合わせください。
昨年の大阪マラソンは出場できず
昨年は仙骨を2度も疲労骨折するなど苦しいスタートとなった。 「昨年は大阪マラソンに出場する予定だったんです。でも、1月中旬に仙骨の疲労骨折が判明してスタートラインに立つことができませんでした。3月にも仙骨を疲労骨折して、シーズン序盤は苦労しましたけど、7月のホクレン・ディスタンス網走大会10000mで27分55秒15を出すことができました」 8月には今冬のマラソンを意識して徹底した走り込みを実施。9月前半に体調を崩した影響もあって、出雲駅伝は6区で区間4位と本領を発揮できなかった。その後は調子を上げてきて、全日本大学駅伝はエースが集った7区で区間賞を獲得した。 正月の学生駅伝は2区を1時間6分26秒の区間3位で走破し、8人抜きを演じている。その後は大阪マラソンの出場を目指した。 「初マラソンとしては東京よりも大阪の方がペース的に向いていると思ったので、大阪マラソンを選びました。昨年は出られなかったので、その悔しさもあって、リベンジしたいなという気持ちもあったんです」 本格的なマラソン練習は1月15日から宮古島で10日間ほど行った。 「宮古島は距離を踏む意識ですね。駅伝で溜めがなくなったので、溜めを再び作ったイメージです。宮古島で行った距離走は効果があったと思います。複数人でやったんですけど、終盤は一人で上げていった感じです。その後は大学に戻って、スピード練習も少し入れて、感覚を上げるみたいな感じの練習をやりました」 大阪マラソンに向けたトレーニングについて、前田康弘監督はこう補足する。 「マラソン練習はレースの3ヵ月前からやるのではなくて、年間トータルだと思うんですよ。練習を継続して、まずは下地を作っていく。夏場は『前年の自分を超えろ』と言っていたんですけど、マラソンを意識して質量ともにやってきました。そして、正月の学生駅伝は権太坂と戸塚の坂がある厳しい23.1㎞を1時間6分26秒で走破しました。十分にマラソンを走る下地はできていたと思います」 宮古島合宿では40㎞走を2時間18分くらいで行ったが、平林は「あと10㎞いけそうです」というほど余裕があったという。 「40㎞走を重ねると疲労が残るリスクもある。平林の能力を引き出せる状態でスタートラインに立てるかを考えました。どれだけマラソンを意識づけて、練習のなかでイメージを作れるのか。40㎞走は30㎞まで他の選手も一緒でしたけど、マラソン本番は30㎞でペーサーが外れるので、終盤は単独で走らせました。量としては正月前の2割増し、3割増しくらいです。短期間でスタミナはつかないので、脳とカラダのなかでマラソンのイメージを作ることを優先しましたね」 [caption id="attachment_130277" align="alignnone" width="800"]
学生記録を目標にスタート
大阪で初マラソンに挑んだ平林。ターゲットにしていたのは日本学生記録(2時間7分47秒)の更新だった。 「ウォーミングアップはいつも通りにやった感じです。キロ2分58秒のペース設定だと聞いていたので、先頭集団でレースを進めたいと考えていました。風雨はありましたけど、気象条件はそこまで悪くはなかったので、うまく流れるんじゃないかなという気はしていましたね。10~15㎞くらいまではアップみたいなかたちで余裕を持っていく予定だったので、動きにも余裕がありましたし、いい流れだったと思います」 トップ集団は中間点を1時間2分47分で通過するも、25㎞以降はペースメーカーがうまく機能せず、集団のペースがダウンした。そして30㎞手前で小山直城(Honda)がペースアップ。平林はパリ五輪代表内定ランナーの背中を追いかけた。30㎞の通過は1時間29分52秒だった。その後、平林が抜け出すかたちになる。 「上りでも動きを変えなかったので、周りのペースが少し落ちたのか、前に出ちゃった感じですね。ただ32㎞からは自分でも上げていきました。行くときは、行くと決めていたので、ラップでいうと2分50秒くらいまで上がったと思います」 平林のアタックに日本人選手はついていけない。終盤は2時間4分48秒の自己ベストを持ち、昨年のブダペスト世界選手権で5位入賞の実績もあるスティーブン・キッサ(ウガンダ)とのマッチレースになった。 「ラスト5㎞はきつかったですね。特に37㎞地点ぐらいがきつかったと思います。逆にラストは少し余裕がありました。明確に切り替えたわけではなかったんですけど、ラスト1㎞のところでキッサ選手が離れた感じです」 平林が大阪マラソンで叩き出したタイムは日本歴代7位の2時間6分18秒。目標にしていた日本学生記録(2時間7分47秒)だけでなく、初マラソン日本最高記録(2時間6分45秒)も塗り替えた。 「目標にしていた学生記録を達成しましたが、ゴールした瞬間は『勝てて良かったな』という思いの方が強かったですね。日本人トップは狙いたいと思っていたので、優勝は素直にうれしいです。初めてのマラソンだったので、何が起こるかわかりません。ちゃんとゴールできて良かったなという感じでした」コラントッテのギアが自信に
大阪では初マラソンと思えないような強気の走りを見せた平林。トレーニング以外に彼の心身を支えていたのがコラントッテのギアだった。 「良いサプリメントを探していたときに、旭化成の相澤晃選手がコラントッテさんの栄養機能食品『ウェルビィサプリ マルチビタミン&ミネラル』を活用しているという記事を見て、商品を試したんです。それが良かったので、コラントッテさんのさまざまな商品を使用するようになりました」(前田監督) 國學院大では2年ほど前からコラントッテのギアを活用。選手たちに特に好評なのが、磁気ネックレスとNSマグネバンだ。 「磁気ネックレスは主力選手だけですが、NSマグネバンは多くの選手がつけています。コラントッテさんは磁気によって血流が良くなるなどの効果を、医学的なエビデンス(根拠)を持って商品開発しています。そこに魅力を感じました。選手たちも効果を実感しているようです」(前田監督) [caption id="attachment_130278" align="alignnone" width="800"]
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