HOME 国内

2024.02.25

2時間6分18秒で堂々たる初マラソン初V!國學院大・平林清澄「行けるところで行こうと思った」/大阪マラソン
2時間6分18秒で堂々たる初マラソン初V!國學院大・平林清澄「行けるところで行こうと思った」/大阪マラソン

大阪マラソン2024で初マラソン初優勝を飾った平林清澄(國學院大)

◇大阪マラソン2024(2月25日/大阪府庁前スタート・大阪城公園フィニッシュ)

ジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズGSで、パリ五輪代表選考会マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジを兼ねた大阪マラソン2024が2月25日に行われ、國學院大3年の平林清澄が日本歴代7位、初マラソン日本最高、学生新記録となる2時間6分18秒で優勝を飾った。

パリ五輪代表がいる。五輪代表のラストチャンスに懸けるトップランナーたちも集まった。緊張感あふれる中で、初めての42.195kmを軽やかに、楽し気に、そして力強く駆け抜けた。

パリ五輪の選考に絡むためには、MGC出場権を懸けたレースで完走していることが必須。初マラソンの平林にその権利はなく、自らの走りに集中した。序盤は集団の中でじっくりとレースを進める。

MGCファイナルチャレンジ設定記録(2時間5分50秒)を狙う第1ペースメーカーは1km2分58秒ペース、第2ペースメーカーは3分00秒。中盤で集団が大きく分かれると、平林は先頭集団についた。さらに、パリ五輪代表・小山直城(Honda)が29.4kmあたりで仕掛け、少しリードを奪う展開に持ち込んだが、それを真っ先に追ったのが平林だった。

31km過ぎからの上りを前に、先頭集団は7人。平林は小山の横に並ぶと、32km付近で徐々に前に出る。「あそこまで人数が減っているとは思わなかったですが、行けるところで行こうと思っていたので、出ました」。

広告の下にコンテンツが続きます

持ちタイムトップ(2時間4分48秒)のステーブン・キッサ(ウガンダ)には背中につかれたが、上りのあった32kmからの1kmを2分56秒、下りに入った次の1kmは2分51秒でカバー。小山、吉田祐也(GMOインターネットグループ)、土井大輔(黒崎播磨)との日本勢との差はじりじりと広げていく。

そして、「こわくてしようがなかった」と言うキッサとの一騎打ちも、残り800mで決着をつける。最後は両手で「1」を掲げ、歓喜のフィニッシュに飛び込んだ。

前回大会で西山和弥(トヨタ自動車)が出した初マラソン日本最高記録の2時間6分45秒、さらには昨年2月に横田俊吾(青学大/現・JR東日本)が出した学生記録の2時間7分47秒を大幅に更新。「勝負に徹しようと思っていたので、その中で記録も出せてうれしいです」と胸を張った。

福井・美方高出身。大学入学後から一気に力をつけ、箱根駅伝では1年時に9区2位、2年時は2区で7位。そして今年は、「てっぺん」を目指すチームのエースとして2年連続の2区を走り、17位から区間3位の力走で8人抜き。目標達成はならなかったが、総合5位を牽引した。新体制になって主将に就任。再び頂点を目指すチームを、大いに鼓舞する結果をつかみ取った。

「一人で練習してきたので、単独で走る練習が生きたと思います」と、勝因を語った平林。五輪は4年後まで待つことになるが、来年の東京世界陸上が視野に入ってくる。

「ここが自分の最高地点ではないと思っているので、自分を信じて精進したい」

学生のステージから、一気に開けた世界を、しっかりと見据えていた。

◇大阪マラソン2024(2月25日/大阪府庁前スタート・大阪城公園フィニッシュ) ジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズGSで、パリ五輪代表選考会マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジを兼ねた大阪マラソン2024が2月25日に行われ、國學院大3年の平林清澄が日本歴代7位、初マラソン日本最高、学生新記録となる2時間6分18秒で優勝を飾った。 パリ五輪代表がいる。五輪代表のラストチャンスに懸けるトップランナーたちも集まった。緊張感あふれる中で、初めての42.195kmを軽やかに、楽し気に、そして力強く駆け抜けた。 パリ五輪の選考に絡むためには、MGC出場権を懸けたレースで完走していることが必須。初マラソンの平林にその権利はなく、自らの走りに集中した。序盤は集団の中でじっくりとレースを進める。 MGCファイナルチャレンジ設定記録(2時間5分50秒)を狙う第1ペースメーカーは1km2分58秒ペース、第2ペースメーカーは3分00秒。中盤で集団が大きく分かれると、平林は先頭集団についた。さらに、パリ五輪代表・小山直城(Honda)が29.4kmあたりで仕掛け、少しリードを奪う展開に持ち込んだが、それを真っ先に追ったのが平林だった。 31km過ぎからの上りを前に、先頭集団は7人。平林は小山の横に並ぶと、32km付近で徐々に前に出る。「あそこまで人数が減っているとは思わなかったですが、行けるところで行こうと思っていたので、出ました」。 持ちタイムトップ(2時間4分48秒)のステーブン・キッサ(ウガンダ)には背中につかれたが、上りのあった32kmからの1kmを2分56秒、下りに入った次の1kmは2分51秒でカバー。小山、吉田祐也(GMOインターネットグループ)、土井大輔(黒崎播磨)との日本勢との差はじりじりと広げていく。 そして、「こわくてしようがなかった」と言うキッサとの一騎打ちも、残り800mで決着をつける。最後は両手で「1」を掲げ、歓喜のフィニッシュに飛び込んだ。 前回大会で西山和弥(トヨタ自動車)が出した初マラソン日本最高記録の2時間6分45秒、さらには昨年2月に横田俊吾(青学大/現・JR東日本)が出した学生記録の2時間7分47秒を大幅に更新。「勝負に徹しようと思っていたので、その中で記録も出せてうれしいです」と胸を張った。 福井・美方高出身。大学入学後から一気に力をつけ、箱根駅伝では1年時に9区2位、2年時は2区で7位。そして今年は、「てっぺん」を目指すチームのエースとして2年連続の2区を走り、17位から区間3位の力走で8人抜き。目標達成はならなかったが、総合5位を牽引した。新体制になって主将に就任。再び頂点を目指すチームを、大いに鼓舞する結果をつかみ取った。 「一人で練習してきたので、単独で走る練習が生きたと思います」と、勝因を語った平林。五輪は4年後まで待つことになるが、来年の東京世界陸上が視野に入ってくる。 「ここが自分の最高地点ではないと思っているので、自分を信じて精進したい」 学生のステージから、一気に開けた世界を、しっかりと見据えていた。

男子マラソン日本歴代10傑をチェック!

男子マラソン日本歴代10傑 2.04.56 鈴木 健吾(富士通)   2021. 2.28 2.05.29 大迫  傑(Nike)    2020. 3. 1 2.05.51 山下 一貴(三菱重工)  2023. 3. 5 2.05.59 其田 健也(JR東日本)  2023. 3. 5 2.06.11 設楽 悠太(Honda)   2018. 2.25 2.06.16 高岡 寿成(カネボウ)  2002.10.13 2.06.18 平林 清澄(國學院大3)  2024. 2.25 NEW 2.06.26 土方 英和(Honda)   2021. 2.28 2.06.33 小山 直城(Honda)   2024. 2.25 NEW 2.06.35 細谷 恭平(黒崎藩磨)  2021. 2.28 ※記録に抜けがありましたので修正しました。

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.02.22

三浦龍司が圧巻スパートで優勝 井川龍人は2年連続2位/日本選手権クロカン

◇第108回日本選手権クロスカントリー(2月22日/福岡・海の中道海浜公園) 来年1月の世界クロスカントリー選手権(米国・タラハシー)の代表選考を兼ねた第108回日本選手権クロスカントリーが行われ、男子(10km)はパリ […]

NEWS 【大会結果】第108回日本選手権クロスカントリー(2025年2月22日)

2025.02.22

【大会結果】第108回日本選手権クロスカントリー(2025年2月22日)

【大会結果】第108回日本選手権クロスカントリー(2025年2月22日/福岡・海の中道海浜公園) ●男子10km 1位 三浦龍司(SUBARU)   28分24秒 2位 井川龍人(旭化成)   28分25秒 3位 塩尻和 […]

NEWS 今年も福岡でクロカン日本一決定戦! 日本選手権&U20日本選手権クロカンに有力選手が多数出場

2025.02.22

今年も福岡でクロカン日本一決定戦! 日本選手権&U20日本選手権クロカンに有力選手が多数出場

第108回日本選手権クロスカントリー、第40回U20日本選手権クロスカントリーは今日2月22日、福岡・海の中道海浜公園の1周2kmのコースを舞台に行われる。 日本選手権は男子が10km、女子が8kmで争われ、男子にはパリ […]

NEWS 編集部コラム「奥が深い」

2025.02.21

編集部コラム「奥が深い」

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]

NEWS ひらまつ病院にニューイヤー駅伝3年連続出走の三田眞司が加入 「チームの最高順位に貢献」

2025.02.21

ひらまつ病院にニューイヤー駅伝3年連続出走の三田眞司が加入 「チームの最高順位に貢献」

ひらまつ病院は2月16日付で、サンベルクスに所属していた三田眞司が加入したと発表した。 29歳の三田は神奈川県出身。光明学園相模原高では3年時に全国都道府県対抗男子駅伝4区9位と力走。国士大では3年時に全日本大学駅伝で3 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年3月号 (2月14日発売)

2025年3月号 (2月14日発売)

別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝

page top