HOME 国内

2024.02.17

第一人者・岡田久美子「感謝の気持ち」胸に3大会五輪へ 藤井菜々子「強い気持ちで」/日本選手権20km競歩
第一人者・岡田久美子「感謝の気持ち」胸に3大会五輪へ 藤井菜々子「強い気持ちで」/日本選手権20km競歩

会見に登壇した(左から)岡田久美子(富士通)、藤井菜々子(エディオン)、園田世玲奈(NTN)

◇第107回日本選手権20km競歩(2月18日/兵庫県神戸市・六甲アイランド)

パリ五輪代表選考会となる日本選手権20km競歩を前日に控え、有力選手が前日会見に臨んだ。女子会見には岡田久美子(富士通)、藤井菜々子(エディオン)、園田世玲奈(NTN)が登壇した。

この種目の日本記録(1時間27分41秒)を持つ岡田は、リオ、東京に続いて3度目のオリンピックを狙う。

昨年のブダペスト世界選手権は35km競歩で代表入りしたものの、直前に腰を痛めて欠場。「今でも思い出すとつらい」とこぼすほど傷を負った。その後は11月中旬くらいまで状態が戻らず、引退も考えた。

それでも、「姿勢や身体のバランスを改善して、身体を柔らかく使うことを意識してきました。柔らかい筋肉をつけつつ強く、しなやかに歩けるように」と岡田。その成果から、元旦競歩では10kmで42分50秒の日本新樹立と結果も気持ちも上向いた。

初五輪のリオが16位、東京五輪は15位。「1個ずつしか上がらない厳しい戦い」なのがオリンピックだが、「3回目、今度こそという思いがあります」。度重なるケガなどを乗り越えて立つ選考レース。「支えてくれた方々への感謝の気持ちを持って、内定を取って恩返ししたい」と覚悟を語った。

広告の下にコンテンツが続きます

ドーハ、オレゴンと世界選手権2大会連続入賞していた藤井。昨年のブダペストは「序盤から速いペースになってついていけなかった」と14位に終わった。

「猛暑で設定通り行けなかったり、途中で止めてしまったり、速いペースの練習ができなかった反省があるので、秋から冬にかけてスピード練習を重点的にやってきました」と語る。その結果、「余裕度も出てきた」と手応えを感じている。2大会連続五輪へ「強い気持ちを持って臨みたい」と語った。

岡田、藤井とも、派遣設定記録切りのためには「前半は1km4分25秒くらいのイーブンペースで行き、後半どれだけペースアップできるか」をポイントに置く。

現時点で派遣設定記録1時間28分30秒、参加標準記録1時間29分20秒の突破者はいない。派遣設定記録を切って優勝すれば即時内定。今大会でどこをクリアしてパリ切符をつかめるか。

昨年のブダペストは35km競歩で7位入賞を果たした園田。その後は「1ヵ月後くらいに疲労が来た」ことと、「坐骨神経痛」により「思うような練習ができなかった」と明かす。

歩けない時期もあったが、その間は「身体の各パパーツを丁寧に強化を図り、動きのバランスや歩型を改善する意識で取り組んできました」と言う。

遅咲きのウォーカーとして、世界選手権2度出場して結果を残してきたが、「オリンピックは特別なものというのは海外のレースで伝わってきましたし、私もずっとあこがれてきた舞台」。まずは参加標準記録を目指し、「最後まであきらめない」気持ちで歩ききる構えだ。

日本選手権20km競歩の女子は2月18日、朝10時35分に号砲が鳴る。

◇第107回日本選手権20km競歩(2月18日/兵庫県神戸市・六甲アイランド) パリ五輪代表選考会となる日本選手権20km競歩を前日に控え、有力選手が前日会見に臨んだ。女子会見には岡田久美子(富士通)、藤井菜々子(エディオン)、園田世玲奈(NTN)が登壇した。 この種目の日本記録(1時間27分41秒)を持つ岡田は、リオ、東京に続いて3度目のオリンピックを狙う。 昨年のブダペスト世界選手権は35km競歩で代表入りしたものの、直前に腰を痛めて欠場。「今でも思い出すとつらい」とこぼすほど傷を負った。その後は11月中旬くらいまで状態が戻らず、引退も考えた。 それでも、「姿勢や身体のバランスを改善して、身体を柔らかく使うことを意識してきました。柔らかい筋肉をつけつつ強く、しなやかに歩けるように」と岡田。その成果から、元旦競歩では10kmで42分50秒の日本新樹立と結果も気持ちも上向いた。 初五輪のリオが16位、東京五輪は15位。「1個ずつしか上がらない厳しい戦い」なのがオリンピックだが、「3回目、今度こそという思いがあります」。度重なるケガなどを乗り越えて立つ選考レース。「支えてくれた方々への感謝の気持ちを持って、内定を取って恩返ししたい」と覚悟を語った。 ドーハ、オレゴンと世界選手権2大会連続入賞していた藤井。昨年のブダペストは「序盤から速いペースになってついていけなかった」と14位に終わった。 「猛暑で設定通り行けなかったり、途中で止めてしまったり、速いペースの練習ができなかった反省があるので、秋から冬にかけてスピード練習を重点的にやってきました」と語る。その結果、「余裕度も出てきた」と手応えを感じている。2大会連続五輪へ「強い気持ちを持って臨みたい」と語った。 岡田、藤井とも、派遣設定記録切りのためには「前半は1km4分25秒くらいのイーブンペースで行き、後半どれだけペースアップできるか」をポイントに置く。 現時点で派遣設定記録1時間28分30秒、参加標準記録1時間29分20秒の突破者はいない。派遣設定記録を切って優勝すれば即時内定。今大会でどこをクリアしてパリ切符をつかめるか。 昨年のブダペストは35km競歩で7位入賞を果たした園田。その後は「1ヵ月後くらいに疲労が来た」ことと、「坐骨神経痛」により「思うような練習ができなかった」と明かす。 歩けない時期もあったが、その間は「身体の各パパーツを丁寧に強化を図り、動きのバランスや歩型を改善する意識で取り組んできました」と言う。 遅咲きのウォーカーとして、世界選手権2度出場して結果を残してきたが、「オリンピックは特別なものというのは海外のレースで伝わってきましたし、私もずっとあこがれてきた舞台」。まずは参加標準記録を目指し、「最後まであきらめない」気持ちで歩ききる構えだ。 日本選手権20km競歩の女子は2月18日、朝10時35分に号砲が鳴る。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.03.28

【世界陸上プレイバック】五輪ボイコットきっかけに創設!クラトフヴィロヴァが女子400mと800mで今も大会記録に残る2冠 日本は室伏重信ら出場も入賞ゼロ

今年、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪大会を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。これま […]

NEWS 【高校生FOCUS】女子三段跳・山﨑りりや(鳴門渦潮高)日本高校女子初の13m到達、大学で学生記録挑戦

2025.03.28

【高校生FOCUS】女子三段跳・山﨑りりや(鳴門渦潮高)日本高校女子初の13m到達、大学で学生記録挑戦

FOCUS! 高校生INTERVIEW 山﨑りりや Yamasaki Ririya 鳴門渦潮高3徳島 高校アスリートをフォーカスするコーナー。年度末を迎えますが、振り返ってみれば、2024年度は高校生による日本記録樹立を […]

NEWS 3泊4日の全国高体連合宿終了! 「高め合える仲間がいっぱいできた」 来年度は宮崎で開催予定

2025.03.28

3泊4日の全国高体連合宿終了! 「高め合える仲間がいっぱいできた」 来年度は宮崎で開催予定

大阪・ヤンマースタジアム長居を主会場に行われた2024年度の日本陸連U-19強化研修合宿・全国高体連陸上競技専門部強化合宿が3月28日、3泊4日の全日程を終えた。全国から集まった選手たちは交流を深め、試合での再会を誓った […]

NEWS 資格停止中の競歩・池田向希がCASに不服申し立て「一日も早く競技 を再開」

2025.03.28

資格停止中の競歩・池田向希がCASに不服申し立て「一日も早く競技 を再開」

旭化成は3月28日、所属選手である競歩の池田向希が受けたアンチ・ドーピング規則違反による4年間の資格停止処分について、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に不服申し立てを行ったと発表した。 男子20km競歩で東京五輪銀メダリスト […]

NEWS 【男子円盤投】福宮佳潤(東京高1) 50m73=高1歴代2位&4人目の50mオーバー

2025.03.28

【男子円盤投】福宮佳潤(東京高1) 50m73=高1歴代2位&4人目の50mオーバー

3月28日、東京都多摩市の国士大多摩陸上競技場で第7回国士大競技会が行われ、高校用規格の男子円盤投(1.75kg)において福宮佳潤(東京高1)が50m73をマークした。この記録は高校1年生の歴代ランキングで2位。高1で史 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報

page top