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2024.02.16

山西利和か池田向希か…パリ五輪切符をつかむのは!?“世界で最も熾烈な代表争い”/日本選手権20km競歩
山西利和か池田向希か…パリ五輪切符をつかむのは!?“世界で最も熾烈な代表争い”/日本選手権20km競歩

日本選手権20km競歩の様子(23年)

第107回日本選手権20km競歩が2月18日に兵庫県神戸市で行われる。今夏のパリ五輪代表選考会を兼ねた大一番。有力選手と内定条件などを見ていこう。

男子は「世界で最も熾烈」とも言われるレースとなる。ドーハ、オレゴンと世界選手権連覇した山西利和(愛知製鋼)、東京五輪&オレゴン世界選手権銀メダルの池田向希(旭化成)は世界トップウォーカーだ。

ここに、日本選手権6度優勝の実績を誇る髙橋英輝(富士通)、35kmで世界選手権2大会連続メダルの川野将虎(旭化成)が加わる。

昨年のブダペスト世界選手権では入賞ゼロという結果に終わった男子20km競歩陣。山西はその前年に35kmに挑戦したことなどもあり仕上がりが遅れたことが影響したというが、「長いキャリアを考えれば意味のあること」と捉えている。池田は「スタミナが足りなかった」とレース後に話していた。

対日本を目指して欧州勢はスタミナ強化や厚底シューズへの適応などを図り、そこに対応できなかったかたちだった。そこで見つかった課題をここまでどのように消化してきたかも見どころになる。

髙橋は日本選手権で無類の強さを誇ってきたスピードウォーカー。ケガなどもあり何度も引退を考えたが、そのたびに世界の舞台に戻ってきた。

注目が川野。昨年のブダペスト世界選手権35kmでは、日本競歩の意地を示す銅メダルを獲得した。早くからパリ五輪を見据えて20kmも視界に入れながらスタミナを強化している。それを表すように、ブダペストの後に出た高畠20kmでは1時間18分52秒で優勝した。

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パリ五輪の代表枠は3つ。今大会での内定条件は、派遣設定記録1時間19分30秒を突破して優勝した1人のみ。ただし、日本代表選考基準によると、派遣設定記録と参加標準記録(1時間20分10秒)を突破して出場資格を得た選手のうち、優先順は
(1)日本選手権3位以内+派遣設定記録
(2)全日本競歩能美3位以内+派遣設定記録
(3)日本選手権3位以内+参加標準記録
(4)全日本競歩能美3位以内+参加標準記録
となっていることから、日本選手権で派遣設定記録を突破して上位3人に入れば代表入りがほぼ確実視される。まさに“一発勝負”の様相。記録と順位、どちらも求めていかなくてはならない。

上記4人のうち、山西は派遣設定記録・参加標準記録ともに突破していない。また、他に大会までに派遣設定記録をクリアしているのは、古賀友太(大塚製薬)、村山裕太郎(富士通)、髙橋和生(ADワークスグループ)、そして参加標準記録は野田明宏(自衛隊体育学校)が突破済み。

古賀は昨年のブダペストで日本勢最上位の12位。明大出身でスピードが持ち味。歩型に課題があったが改善されつつある。アジア選手権金メダリストの村山はケガで長く苦しんできたがようやく能力が開花した。早大卒の髙橋和は、昨年の高畠で自己記録を3分近く更新する1時間19分26秒。厚底シューズに適応して結果に結びつけた。

35kmでブダペスト6位の野田、同代表の丸尾知司(愛知製鋼)、オレゴン世界選手権20km6位の住所大翔(順大院)ら、まさに多士済々だ。

以前は“レースを支配”する山西に、じっくりと勝機をうかがう池田という構図だったが、昨年のレースで自分から仕掛けたのが池田だった。オレゴン世界選手権のように、2人によるラストスパート合戦となるか。そこに川野らがどう粘るかが勝敗のポイントとなりそうだ。

女子も選考基準は同じだが、大会までに派遣設定記録(1時間28分30秒)、参加標準記録(1時間29分20秒)をクリアしている該当選手はなし。優勝争いは藤井菜々子(エディオン)と岡田久美子(富士通)になりそう。

ドーハ、オレゴンと世界選手権2大会連続入賞していた藤井だが、昨年のブダペストでは14位と悔しい結果に。この種目で1時間27分41秒の日本記録を持つのが岡田。ブダペストは35kmで代表入りしたが、腰の痛みで欠場を余儀なくされた。それでも、姿勢など基礎から身体を見直し、1月の元旦競歩10kmを42分50秒と14年ぶりに日本新を樹立。復活を遂げた。2人が競り合いながらペースを上げて記録を狙いにいくことになるだろう。

昨年、ワールドランキングでブダペストに出場した柳井綾音(立命大)と梅野倖子(順大)も有力。35kmでブダペスト入賞の園田世玲奈(NTN)もスピードを磨いており、上位争いしそう。河添香織(自衛隊体育学校)、内藤未唯(神奈川大)あたりも上位争いか。いずれも、まずは参加標準記録突破で、代表の出場資格を得るのが重要になる。

日本選手権20km競歩は2月18日(日)、兵庫県神戸市の六甲アイランドの甲南大学西側コースで実施。男子は8時50分、女子は10時35分に号砲が鳴る。レースの模様はライブ配信される。また、当日にはU20世界選手権の代表選考会となるU20選抜(男子・女子10km)も併催される。

第107回日本選手権20km競歩が2月18日に兵庫県神戸市で行われる。今夏のパリ五輪代表選考会を兼ねた大一番。有力選手と内定条件などを見ていこう。 男子は「世界で最も熾烈」とも言われるレースとなる。ドーハ、オレゴンと世界選手権連覇した山西利和(愛知製鋼)、東京五輪&オレゴン世界選手権銀メダルの池田向希(旭化成)は世界トップウォーカーだ。 ここに、日本選手権6度優勝の実績を誇る髙橋英輝(富士通)、35kmで世界選手権2大会連続メダルの川野将虎(旭化成)が加わる。 昨年のブダペスト世界選手権では入賞ゼロという結果に終わった男子20km競歩陣。山西はその前年に35kmに挑戦したことなどもあり仕上がりが遅れたことが影響したというが、「長いキャリアを考えれば意味のあること」と捉えている。池田は「スタミナが足りなかった」とレース後に話していた。 対日本を目指して欧州勢はスタミナ強化や厚底シューズへの適応などを図り、そこに対応できなかったかたちだった。そこで見つかった課題をここまでどのように消化してきたかも見どころになる。 髙橋は日本選手権で無類の強さを誇ってきたスピードウォーカー。ケガなどもあり何度も引退を考えたが、そのたびに世界の舞台に戻ってきた。 注目が川野。昨年のブダペスト世界選手権35kmでは、日本競歩の意地を示す銅メダルを獲得した。早くからパリ五輪を見据えて20kmも視界に入れながらスタミナを強化している。それを表すように、ブダペストの後に出た高畠20kmでは1時間18分52秒で優勝した。 パリ五輪の代表枠は3つ。今大会での内定条件は、派遣設定記録1時間19分30秒を突破して優勝した1人のみ。ただし、日本代表選考基準によると、派遣設定記録と参加標準記録(1時間20分10秒)を突破して出場資格を得た選手のうち、優先順は (1)日本選手権3位以内+派遣設定記録 (2)全日本競歩能美3位以内+派遣設定記録 (3)日本選手権3位以内+参加標準記録 (4)全日本競歩能美3位以内+参加標準記録 となっていることから、日本選手権で派遣設定記録を突破して上位3人に入れば代表入りがほぼ確実視される。まさに“一発勝負”の様相。記録と順位、どちらも求めていかなくてはならない。 上記4人のうち、山西は派遣設定記録・参加標準記録ともに突破していない。また、他に大会までに派遣設定記録をクリアしているのは、古賀友太(大塚製薬)、村山裕太郎(富士通)、髙橋和生(ADワークスグループ)、そして参加標準記録は野田明宏(自衛隊体育学校)が突破済み。 古賀は昨年のブダペストで日本勢最上位の12位。明大出身でスピードが持ち味。歩型に課題があったが改善されつつある。アジア選手権金メダリストの村山はケガで長く苦しんできたがようやく能力が開花した。早大卒の髙橋和は、昨年の高畠で自己記録を3分近く更新する1時間19分26秒。厚底シューズに適応して結果に結びつけた。 35kmでブダペスト6位の野田、同代表の丸尾知司(愛知製鋼)、オレゴン世界選手権20km6位の住所大翔(順大院)ら、まさに多士済々だ。 以前は“レースを支配”する山西に、じっくりと勝機をうかがう池田という構図だったが、昨年のレースで自分から仕掛けたのが池田だった。オレゴン世界選手権のように、2人によるラストスパート合戦となるか。そこに川野らがどう粘るかが勝敗のポイントとなりそうだ。 女子も選考基準は同じだが、大会までに派遣設定記録(1時間28分30秒)、参加標準記録(1時間29分20秒)をクリアしている該当選手はなし。優勝争いは藤井菜々子(エディオン)と岡田久美子(富士通)になりそう。 ドーハ、オレゴンと世界選手権2大会連続入賞していた藤井だが、昨年のブダペストでは14位と悔しい結果に。この種目で1時間27分41秒の日本記録を持つのが岡田。ブダペストは35kmで代表入りしたが、腰の痛みで欠場を余儀なくされた。それでも、姿勢など基礎から身体を見直し、1月の元旦競歩10kmを42分50秒と14年ぶりに日本新を樹立。復活を遂げた。2人が競り合いながらペースを上げて記録を狙いにいくことになるだろう。 昨年、ワールドランキングでブダペストに出場した柳井綾音(立命大)と梅野倖子(順大)も有力。35kmでブダペスト入賞の園田世玲奈(NTN)もスピードを磨いており、上位争いしそう。河添香織(自衛隊体育学校)、内藤未唯(神奈川大)あたりも上位争いか。いずれも、まずは参加標準記録突破で、代表の出場資格を得るのが重要になる。 日本選手権20km競歩は2月18日(日)、兵庫県神戸市の六甲アイランドの甲南大学西側コースで実施。男子は8時50分、女子は10時35分に号砲が鳴る。レースの模様はライブ配信される。また、当日にはU20世界選手権の代表選考会となるU20選抜(男子・女子10km)も併催される。

日本選手権20km競歩主なエントリー選手をチェック

●男子 池田向希(旭化成) 川野将虎(旭化成) 古賀友太(大塚製薬) 髙橋英輝(富士通) 村山裕太郎(富士通) 髙橋和生(ADワークスグループ) 野田明宏(自衛隊体育学校) 住所大翔(順大) 山西利和(愛知製鋼) 丸尾知司(愛知製鋼) ●女子 藤井菜々子(エディオン) 柳井綾音(立命大) 岡田久美子(富士通) 園田世玲奈(NTN) 梅野倖子(順大) 渕瀬真寿美(建装工業) 河添香織(自衛隊体育学校)

日本選手権20km競歩のライブ配信をチェック!

https://www.youtube.com/watch?v=4dfSb_NU9-o

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