2024.02.02
第107回日本選手権・室内競技が2月3、4日、大阪城ホールで行われる。パリ五輪イヤーの“開幕戦”とも言える一戦。世界を目指すための大事な試金石となる。注目種目を見ていこう。
男子では、60mハードルに高山峻野(ゼンリン)が参戦。110mハードルで13秒10(日本歴代3位)の記録を持ち、東京五輪、世界選手権3回の代表歴がある。前回は7秒64をマークして優勝。連覇なるか。他にも藤井亮汰(三重県スポーツ協会)や伸び盛りの町亮汰(国武大)らにも好記録が期待できる。
走高跳には22年オレゴン世界選手権入賞、昨年のアジア大会銅メダルの真野友博(九電工)が出場。さらに、東京五輪代表で一時は現役を退いた衛藤昂(神戸デジタル・ラボ)が本格的に現役復帰を果たす。すでに2m26まで記録を伸ばしており、優勝争いしそう。ブダペスト世界選手権代表の長谷川直人(新潟アルビレックスRC)も注目の1人だ。
棒高跳では5m61のベストを持つ澤慎吾(きらぼし銀行)、昨年のブダペスト世界選手権代表の柄澤智哉(日体大)の2人が高いレベルで争えるか。
注目は走幅跳。昨年、8m26を跳びブダペスト世界選手権に出場した吉田弘道(神崎郡陸協)、東京五輪代表で鹿児島特別国体を8m07で制して復活した津波響樹(大塚製薬)、秋に8m台を連発してケガから戻ってきた藤原孝輝(東洋大)、そして日本記録保持者・昨年日本選手権Vの城山正太郎(ゼンリン)とそろい踏み。室内日本記録(8m19/橋岡優輝)を見据えたジャンプ合戦になりそう。
多田修平(住友電工)がアジア室内選手権に専念するため欠場となった60mは、高校生の黒木海翔(東福岡高)に注目が集まる。昨秋には100mで10秒19(高校歴代2位)をマーク。中大進学前の高校最後の大舞台でタイトル奪取なるか。三段跳は宮尾真仁(東洋大)にビッグジャンプの予感が漂う。
女子60mはタレントがそろった。100mで11秒24(日本歴代2位)の兒玉芽生(ミズノ)、11秒36(同4位タイ)でブダペスト世界選手権代表の君嶋愛梨沙(土木管理総合)の、日本ツートップが出場予定。兒玉は1月にアスタナ室内に出て7秒37をマーク、君嶋はジャマイカで7秒56をマークしている。鶴田玲美(南九州ファミリーマート)、スタートが得意な三浦愛華(園田学園女大)も上位に食い込みそう。室内日本記録は福島千里の7秒29で、世界を見据えるのであればどこまで近づけるかが目安になる。
60mハードルは福部真子(日本建設工業)と田中佑美(富士通)が出場を見送るが、100mハードル前日本記録保持者の青木益未(七十七銀行)が出場。8秒05の室内日本記録を持つ青木はこの大会にめっぽう強く5連覇中だ。昨年はケガに泣いたが、世界基準である7秒台突入を見据えている。12秒台ハードラーの清山ちさと(いちご)、大松由季(CDL)にも注目だ。また、100mハードルと七種競技のインターハイ連続2冠の林美希(中京大中京高・愛知)が高校ラストレースに挑む。卒業後は早大に進学する。
走高跳は好調の髙橋渚(センコー)を見逃せない。昨年は1m80オーバーで安定し、1m85のベストを跳んだ。さらに初戦となったアスタナ室内で1m84をクリア。1m80台後半にバーを掛けられるか。
昨年のアジア大会で4m48の日本記録を跳んで銀メダルの殊勲を上げた棒高跳の諸田実咲(アットホーム)が登場。4m50オーバーが現実味を帯びてきた。走幅跳は地元・大阪出身の竹内真弥(ミズノ)、七種競技をメインとする熱田心(岡山陸協)が優勝争いとなりそう。三段跳には学生記録を持つ船田茜理(武庫川女大院)に好記録の期待が懸かる。
U20・18・16のカテゴリーである「2024日本室内陸上競技大阪大会」も併催。U20の男子60mハードル(U20規格)の山中恭介(市船橋高・千葉)や渕上翔太(東福岡高・福岡)、男子走幅跳の成川倭士(東海大附翔洋高・静岡)、同女子60mの山形愛羽(熊本中央高・熊本)、60mハードルの松田晏奈(長崎日大高・長崎)、谷中天架(大分雄城台高・大分)、木梨光菜(倉敷中央高・岡山)、棒高跳の柳川美空(前橋育英高・群馬)らに注目。U18では男子100m中学記録保持者の片山瑛太(鎌ケ谷二中・千葉)が60mに出場する。
国内では数少ない室内競技会で、全国規模は今大会だけ。迫力満点のパフォーマンスは入場無料で観戦できるほか、大会の様子はライブ配信でも観られる。
日本選手権・室内競技の主な注目エントリー選手をチェック!
●男子 ・60m 黒木海翔(東福岡高3福岡) 藤原寛人(中大) 岡崎隼弥(アスリートリンク) ・60mH 高山峻野(ゼンリン) 藤井亮汰(三重県スポーツ協会) 町亮汰(国武大) ・走高跳 真野友博(九電工) 衛藤昂(神戸デジタル・ラボ) 瀬古優斗(滋賀陸協) 長谷川直人(新潟アルビレックスRC) ・棒高跳 澤慎吾(きらぼし銀行) 柄澤智哉(日体大) 竹川倖生(丸元産業) ・走幅跳 吉田弘道(神崎郡陸協) 津波響樹(大塚製薬) 藤原孝輝(東洋大) 城山正太郎(ゼンリン) ・三段跳 山下祐樹(富士防) 宮尾真仁(東洋大) ●女子 ・60m 君嶋愛梨沙(土木管理総合) 兒玉芽生(ミズノ) 鶴田玲美(南九州ファミリーマート) ・60mH 青木益未(七十七銀行) 清山ちさと(いちご) 大松由季(CDL) 林美希(中京大中京高) ・走高跳 髙橋渚(メイスンワーク) 鐡丸美由紀(鹿児島銀行) 武山玲奈(エディオン) ・棒高跳 諸田実咲(アットホーム) 竜田夏苗(ニッパツ) 田中伶奈(吉田石油店) 台信愛(日体大) ・走幅跳 竹内真弥(ミズノ) 熱田心(岡山陸協)日本選手権・室内のライブ配信はこちら!
1日目 メインチャンネル https://youtu.be/Y3Cw_6Ehkew フィールドチャンネル https://youtu.be/iTcUI9xNMY4 2日目 メインチャンネル https://youtu.be/nXNoeD3ukiY フィールドチャンネル https://youtu.be/Cns4E1dM3cw
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2025.01.17
編集部コラム「年末年始の風物詩」
-
2025.01.17
-
2025.01.17
-
2025.01.17
-
2025.01.16
2025.01.12
【テキスト速報】第43回都道府県対抗女子駅伝
-
2025.01.14
-
2025.01.12
-
2025.01.15
2024.12.22
早大に鈴木琉胤、佐々木哲の都大路区間賞2人が来春入学!女子100mH谷中、松田ら推薦合格
-
2024.12.22
-
2024.12.30
-
2025.01.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.01.17
西脇多可新人高校駅伝の出場校決定!男子は佐久長聖、大牟田、九州学院、洛南 女子は長野東、薫英女学院など有力校が登録
1月17日、西脇多可新人高校駅伝の実行委員会が、2月16日に行われる第17回大会の出場チームを発表した。 西脇多可新人高校駅伝は、兵庫県西脇市から多可町を結ぶ「北はりま田園ハーフマラソンコース(21.0795km)」で行 […]
2025.01.17
編集部コラム「年末年始の風物詩」
毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]
2025.01.17
中・高校生充実の長野“4連覇”なるか 実力者ぞろいの熊本や千葉、岡山、京都、福岡も注目/都道府県男子駅伝
◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 中学生から高校生、社会人・大学生のランナーがふるさとのチームでタスキをつなぐ全国都道府県男子駅伝が1月19日に行われる […]
2025.01.17
栁田大輝、坂井隆一郎らが日本選手権室内出場キャンセル 日本室内大阪はスタートリスト発表
日本陸連は2月1日から2日に行われる、日本選手権室内のエントリー状況と、併催の日本室内大阪のスタートリストを発表した。 日本選手権室内では12月にエントリーが発表されていた選手のうち、男子60mに出場予定だったパリ五輪代 […]
2025.01.17
東京世界陸上のチケット一般販売が1月31日からスタート!すでに23万枚が販売、新たな席種も追加
東京2025世界陸上財団は、今年9月に開催される東京世界選手権の観戦チケットの一般販売を1月31日(金)の18時から開始すると発表した。 昨夏に先行販売が始まり、年末年始にも特別販売を実施。すでに23万枚を販売し売れ行き […]
Latest Issue 最新号
2025年2月号 (1月14日発売)
駅伝総特集!
箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
高校駅伝、中学駅伝
富士山女子駅伝