HOME 駅伝

2024.01.15

29年ぶりVの宮城「設定を上回ってくれた」仙台育英勢は年末の悔しさ晴らす日本一/都道府県女子駅伝
29年ぶりVの宮城「設定を上回ってくれた」仙台育英勢は年末の悔しさ晴らす日本一/都道府県女子駅伝

佐藤監督を胴上げする宮城のメンバーたち

◇皇后盃第42回全国都道府県対抗女子駅伝(1月14日/京都・西京極陸上競技場発着9区間:42.195km)

中学生から社会人まで9人のランナーが情熱と希望のタスキをつないだ都道府県対抗女子駅伝は、最終区で逆転した前回10位の宮城が2時間16分30秒で1995年の第13回大会以来29年ぶり2度目の頂点に立った。

まさに総合力の勝利だった。「メンバーがそろっていたこともあり、今回は優勝を目標にしていました」と佐藤広樹監督。序盤区間から「設定を上回る走りでタスキをつないでくれました」と言う。

8区の男乕結衣(五城中3)が区間賞の快走で、「先頭との差をつめてくれたところで優勝できるかなと思いました」。最後は京都がグングン追い上げてくるなか「小海(遥・第一生命グループ)ならいってくれると信じていました。選手・スタッフが一丸となって素晴らしい結果を残してくれて感無量です」と笑顔で選手の健闘を称えた。

1区の細川あおい(仙台育英高2)が9位と流れをつかむと、2区で5位へ浮上。その後も上位でレースを進め、4区の佐々木梨七(積水化学)、6区の橘山莉乃(仙台育英高3)がともに区間2位と好走し3位へ。さらに8区で男乕が区間賞の快走でトップとの差を一気に縮めVを引き寄せた。

区間2位の力走で栄光のフィニッシュテープを切った小海は、「1区からみんなが頑張っていい位置でつないでくれたので、絶対優勝するという気持ちで走りました」と、3km過ぎに先頭をいく兵庫に並びかけると、10kmという長丁場だけあり、「余裕を残しつつ、優勝できる位置でレースを進めました」と一気に引き離すのではなく、ペースを維持し安全策に出る。

しかし、中間地点を前に、「後続に対する声援が近づいてきたので、ここで行かなきゃ」とギアチェンジ。7位から一気に2位まで順位を上げ、40秒近くあった差を10秒前後まで詰めてきた京都の川村楓(岩谷産業)の追い上げを封じ20秒差で抑えた。

「最後まで勝負に徹した走りができた」と笑顔の小海。同じ舞台で行われた全国高校駅伝で、母校の仙台育英高がフィニッシュ寸前で逆転されたシーンを見て、「大会は違いますが、ここで優勝して後輩たちに自信を取り戻してもらいたかったのでうれしい」としみじみと話す。

第11回~17回大会まで1度の優勝を含み7年連続入賞を果たすも、その後は低迷。第37回大会まで20年間入賞から遠ざかるなど長いトンネルが続いた。

しかし、38回大会で2位に復帰するとコロナ禍の中止を経て40回で3位、そして今回と仙台育英高の現役・OGを中心に再び上位常連に返り咲いた。

奪回を目指した京都は20秒差で2年連続の2位。2区以降、中・高校生らの活躍で上位をキープした広島が、名城大の主軸として活躍するアンカーの谷本七星が6位から3人を抜き21年ぶりの入賞となる過去最高タイの3位と躍動した。

千葉、神奈川、前回覇者の大阪と続き、2区を務めた田中希実(New Balance)の区間賞の力走でトップに立ち、8区までレースをリードした兵庫は最後にかわされて7位だった。

◇皇后盃第42回全国都道府県対抗女子駅伝(1月14日/京都・西京極陸上競技場発着9区間:42.195km) 中学生から社会人まで9人のランナーが情熱と希望のタスキをつないだ都道府県対抗女子駅伝は、最終区で逆転した前回10位の宮城が2時間16分30秒で1995年の第13回大会以来29年ぶり2度目の頂点に立った。 まさに総合力の勝利だった。「メンバーがそろっていたこともあり、今回は優勝を目標にしていました」と佐藤広樹監督。序盤区間から「設定を上回る走りでタスキをつないでくれました」と言う。 8区の男乕結衣(五城中3)が区間賞の快走で、「先頭との差をつめてくれたところで優勝できるかなと思いました」。最後は京都がグングン追い上げてくるなか「小海(遥・第一生命グループ)ならいってくれると信じていました。選手・スタッフが一丸となって素晴らしい結果を残してくれて感無量です」と笑顔で選手の健闘を称えた。 1区の細川あおい(仙台育英高2)が9位と流れをつかむと、2区で5位へ浮上。その後も上位でレースを進め、4区の佐々木梨七(積水化学)、6区の橘山莉乃(仙台育英高3)がともに区間2位と好走し3位へ。さらに8区で男乕が区間賞の快走でトップとの差を一気に縮めVを引き寄せた。 区間2位の力走で栄光のフィニッシュテープを切った小海は、「1区からみんなが頑張っていい位置でつないでくれたので、絶対優勝するという気持ちで走りました」と、3km過ぎに先頭をいく兵庫に並びかけると、10kmという長丁場だけあり、「余裕を残しつつ、優勝できる位置でレースを進めました」と一気に引き離すのではなく、ペースを維持し安全策に出る。 しかし、中間地点を前に、「後続に対する声援が近づいてきたので、ここで行かなきゃ」とギアチェンジ。7位から一気に2位まで順位を上げ、40秒近くあった差を10秒前後まで詰めてきた京都の川村楓(岩谷産業)の追い上げを封じ20秒差で抑えた。 「最後まで勝負に徹した走りができた」と笑顔の小海。同じ舞台で行われた全国高校駅伝で、母校の仙台育英高がフィニッシュ寸前で逆転されたシーンを見て、「大会は違いますが、ここで優勝して後輩たちに自信を取り戻してもらいたかったのでうれしい」としみじみと話す。 第11回~17回大会まで1度の優勝を含み7年連続入賞を果たすも、その後は低迷。第37回大会まで20年間入賞から遠ざかるなど長いトンネルが続いた。 しかし、38回大会で2位に復帰するとコロナ禍の中止を経て40回で3位、そして今回と仙台育英高の現役・OGを中心に再び上位常連に返り咲いた。 奪回を目指した京都は20秒差で2年連続の2位。2区以降、中・高校生らの活躍で上位をキープした広島が、名城大の主軸として活躍するアンカーの谷本七星が6位から3人を抜き21年ぶりの入賞となる過去最高タイの3位と躍動した。 千葉、神奈川、前回覇者の大阪と続き、2区を務めた田中希実(New Balance)の区間賞の力走でトップに立ち、8区までレースをリードした兵庫は最後にかわされて7位だった。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.11.21

早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結

11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]

NEWS 立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン

2024.11.21

立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン

第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]

NEWS M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」

2024.11.20

M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」

神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]

NEWS 第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑

2024.11.20

第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑

・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]

NEWS 八王子ロングディスタンスのスタートリスト発表!! 1万m26分台狙うS組は鈴⽊芽吹、遠藤⽇向、羽生拓矢、篠原倖太朗らが出場!

2024.11.20

八王子ロングディスタンスのスタートリスト発表!! 1万m26分台狙うS組は鈴⽊芽吹、遠藤⽇向、羽生拓矢、篠原倖太朗らが出場!

東日本実業団連盟は11月20日、2024八王子ロングディスタンス(11月23日)のスタートリストを発表した。 来年の世界選手権男子10000mの参加標準記録(27分00秒00)の突破を狙う『S組』では、日本の実業団に所属 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top