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2024.01.14

宮城が大逆転で29年ぶり栄冠!年末の都大路の雪辱期した仙台育英高勢とOGら「全員の力」結集/都道府県女子駅伝
宮城が大逆転で29年ぶり栄冠!年末の都大路の雪辱期した仙台育英高勢とOGら「全員の力」結集/都道府県女子駅伝

24年都道府県女子駅伝で優勝した宮城。右がアンカーの小海遥(第一生命グループ)、左が佐藤広樹監督

◇皇后盃第42回全国都道府県対抗女子駅伝(1月14日/京都・西京極陸上競技場発着9区間:42.195km)

第42回都道府県対抗女子駅伝が行われ、宮城が2時間16分30秒で1995年以来29年ぶり2度目の優勝を飾った。

1区19位から、粘り強くつなぎきった。7区を終えてトップの兵庫と47秒差の3位。そして、佐藤広樹監督が「自信を持っていた」という8区、9区で一気に勝負を懸ける。

まずは、中学生区間の8区で男乕結衣(五城中)が快走を見せた。千葉を抜き去ると、トップ・兵庫の背中にグングンと迫る。区間記録の9分30秒には届かず「区間新を出せなかったのは残念」と振り返るものの、歴代2位タイの9分41秒で駆け抜けて堂々の区間賞。3000mで今季中学ランキング2位(日本人トップ)の9分30秒20のスピードを発揮し、兵庫に9秒差まで詰め寄った。

仕上げはアンカーの小海遥(第一生命グループ)。男乕の走りに「力のある選手と聞いていたので、上げてくるなとは思ったけど、こんなに詰めてくれるなんて」と驚き、勇気をもらった。

昨年7月のアジア選手権10000m金メダル、12月の日本選手権10000mで日本歴代7位の30分57秒67をマークして3位を占めた20歳は、兵庫の太田琴菜(日本郵政グループ)との差をじわりじわりと詰めて並びかける。そこからすぐに抜け出すことはせず、「絶対に優勝できるところで行こう」と自分の身体との対話に集中した。

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そいて、5.3km付近で前に出る。途中、地元・京都の川村楓(岩谷産業)に6秒差まで迫られたが、終盤は徐々にリードを広げていった。

右手を掲げてフィニッシュテープを切った小海は、「このチームで走らせていただけて、本当にうれしい」と笑顔で振り返ると同時に、「優勝はみんなの力です」と語った。

佐藤監督が「今年は各世代で力のある選手が集まってくれた」と振り返るほど、戦力充実で臨んだ宮城。だが、「優勝を目標にやってきた」としつつ、仙台育英高出身で学生女子駅伝6年連続2冠を誇る名城大の主軸・米澤奈々香がメンバー外になるなど、「2日前にオーダーを少し変えないといけなかった」と不安も抱えていたという。

その中で、「序盤をしのいで、中盤から徐々に追い上げていく」(佐藤監督)流れを想定。その狙いを実現させたのが、同じ都大路を舞台に行われた年末の全国高校駅伝で2位となった仙台育英高の選手たちだ。

全国高校駅伝と同じ1区を走った細川あおい(2年)が9位と好走し、2年時のインターハイで800m優勝を果たした壁谷衿奈(3年)が5位に浮上。3区で2つ順位を下げたが、4区ではOGの佐々木梨七(積水化学)が再び5位に押し戻す。

5区の長岡みさき(2年)が4位に上げ、6区では橘山莉乃(3年)が中継所手前で3位に押し上げる。全国高校駅伝のアンカーでフィニッシュ直前に神村学園高(鹿児島)のカリバ・カロライン(3年)に逆転を許したが、その悔しさをぶつける力走は、間違いなく逆転劇の布石となった。

小海も仙台育英高出身。先輩や後輩たちの奮闘に「優勝」への思いをさらに強くし、8人の汗と想いが染み込んだタスキを、真っ先にフィニッシュへと届けてみせた。

「全員が役割を果たし、走ってくれた選手たちが全力を尽くしてくれました」。佐藤監督はそう話し、改めて選手たちの奮闘を称えた。

◇皇后盃第42回全国都道府県対抗女子駅伝(1月14日/京都・西京極陸上競技場発着9区間:42.195km) 第42回都道府県対抗女子駅伝が行われ、宮城が2時間16分30秒で1995年以来29年ぶり2度目の優勝を飾った。 1区19位から、粘り強くつなぎきった。7区を終えてトップの兵庫と47秒差の3位。そして、佐藤広樹監督が「自信を持っていた」という8区、9区で一気に勝負を懸ける。 まずは、中学生区間の8区で男乕結衣(五城中)が快走を見せた。千葉を抜き去ると、トップ・兵庫の背中にグングンと迫る。区間記録の9分30秒には届かず「区間新を出せなかったのは残念」と振り返るものの、歴代2位タイの9分41秒で駆け抜けて堂々の区間賞。3000mで今季中学ランキング2位(日本人トップ)の9分30秒20のスピードを発揮し、兵庫に9秒差まで詰め寄った。 仕上げはアンカーの小海遥(第一生命グループ)。男乕の走りに「力のある選手と聞いていたので、上げてくるなとは思ったけど、こんなに詰めてくれるなんて」と驚き、勇気をもらった。 昨年7月のアジア選手権10000m金メダル、12月の日本選手権10000mで日本歴代7位の30分57秒67をマークして3位を占めた20歳は、兵庫の太田琴菜(日本郵政グループ)との差をじわりじわりと詰めて並びかける。そこからすぐに抜け出すことはせず、「絶対に優勝できるところで行こう」と自分の身体との対話に集中した。 そいて、5.3km付近で前に出る。途中、地元・京都の川村楓(岩谷産業)に6秒差まで迫られたが、終盤は徐々にリードを広げていった。 右手を掲げてフィニッシュテープを切った小海は、「このチームで走らせていただけて、本当にうれしい」と笑顔で振り返ると同時に、「優勝はみんなの力です」と語った。 佐藤監督が「今年は各世代で力のある選手が集まってくれた」と振り返るほど、戦力充実で臨んだ宮城。だが、「優勝を目標にやってきた」としつつ、仙台育英高出身で学生女子駅伝6年連続2冠を誇る名城大の主軸・米澤奈々香がメンバー外になるなど、「2日前にオーダーを少し変えないといけなかった」と不安も抱えていたという。 その中で、「序盤をしのいで、中盤から徐々に追い上げていく」(佐藤監督)流れを想定。その狙いを実現させたのが、同じ都大路を舞台に行われた年末の全国高校駅伝で2位となった仙台育英高の選手たちだ。 全国高校駅伝と同じ1区を走った細川あおい(2年)が9位と好走し、2年時のインターハイで800m優勝を果たした壁谷衿奈(3年)が5位に浮上。3区で2つ順位を下げたが、4区ではOGの佐々木梨七(積水化学)が再び5位に押し戻す。 5区の長岡みさき(2年)が4位に上げ、6区では橘山莉乃(3年)が中継所手前で3位に押し上げる。全国高校駅伝のアンカーでフィニッシュ直前に神村学園高(鹿児島)のカリバ・カロライン(3年)に逆転を許したが、その悔しさをぶつける力走は、間違いなく逆転劇の布石となった。 小海も仙台育英高出身。先輩や後輩たちの奮闘に「優勝」への思いをさらに強くし、8人の汗と想いが染み込んだタスキを、真っ先にフィニッシュへと届けてみせた。 「全員が役割を果たし、走ってくれた選手たちが全力を尽くしてくれました」。佐藤監督はそう話し、改めて選手たちの奮闘を称えた。

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