2020.09.25
【シューズレポ】
サブスリー編集者が語る!!
メディフォーム「RUNNERS HI(ランナーズ・ハイ)2」
中学時代から陸上競技に取り組み、今も市民ランナーとして走り続けている月陸編集者(マラソンの自己ベストは2時間43分)が、注目のシューズをトライアル! 今回はアキレスが開発・販売しているMEDIFOAM(メディフォーム)の「RUNNERS HI(ランナーズ・ハイ)2」(税別12,600円)を紹介する。
「走るリカバリーシューズ」を打ち出すMEDIFOAM(メディフォーム)の「RUNNERS HI(ランナーズ・ハイ)2」。9月中旬にゼビオグループで先行販売された
上級者も使える「アクティブリカバリー」モデル
長距離ランナーにとって大事なことは何だろうか。もしアンケートを取ったら最も多い回答は「怪我(けが)をしないこと」になるに違いない。長い距離のランニングで自らを追い込むランナーにとって、それだけ怪我はつきものであり、脚や腰などに痛みがなく練習を継続できることは重要課題と言える。
そこに着目してアキレスが開発したのが『MEDIFOAM(メディフォーム)』のシューズだ。「怪我せずに走り続けられることが一番大切なこと」をコンセプトとして2017年に誕生し、現在は「走るリカバリーシューズ」としてジョギング用の「ベーシックリカバリー」だけでなく、レース対応モデル「パフォーマンスリカバリー」まで幅広く展開している。
そして、今年9月には新カテゴリーとして「アクティブリカバリー」が登場。これはマラソン4時間切りから3時間半程度のランナーのほか、学生などの現役アスリートが疲労回復のジョグでも使えるシューズという位置づけだ。「RUNNERS HI(ランナーズ・ハイ)2」はこのカテゴリーの代表格となる。
大きな特徴はミッドソールにアキレス独自のポリウレタン素材である「MEDIFOAM:MF45」を採用していること。MEDIFOAM MF45は一般的なソール素材であるEVAに比べ、衝撃吸収性が約10%、反発弾性は約50%もアップ。しかも、従来のMEDIFOAM素材よりも柔らかさが増しており、耐久性(へたりにくさ)はEVAの約2倍となっている。このMEDIFOAM:MF45を採用した「RUNNERS HI 2」は、怪我を防ぎ、ランニングを継続できるようにするというブランドコンセプトをかたちにしたシューズと言えるだろう。
「RUNNERS HI 2」の分解図。アキレス独自のポリウレタン素材をミッドソールとして採用し、衝撃吸収性や反発弾性をアップしている
疲労感が少ない「不思議なシューズ」
では、実際の履き心地はどうなのか。「RUNNERS HI 2」に足を入れたところ、最初は「意外と硬いな」という印象を受けた。
近年のトレンドである厚底ハイクッションシューズのような柔らかさはなく、ソールの形状変化が少ない分、安定感がある。同じアキレスが販売しているBROOKS(ブルックス)の「Ghost(ゴースト)12」とは違ってドロップ(前足部と踵の高低差)も抑え気味のため、「勝手に脚が回る」というよりは自分の意志で走りをコントロールできるシューズだ。
スッキリしたデザインのアッパーは全体的にゆとりがあり、通常25.0~25.5cmのシューズを履く筆者は25.5cmがほどよくフィット。重量は25.5cmで実測276gとジョギング用モデルとしては標準的で、特に重さは気にならないだろう。
もっとも、この靴の真価は試着しただけではわからない。走ってみると驚くべき発見があった。それは、脚への疲労感が想像以上に少ないことだ。
アスファルトの上をジョギングしてみると、MEDIFOAM:MF45のソールはゴムのような感触。クッション性や反発はそれほど強くは感じないものの、走りを邪魔しないためにストレスが少ない。スピードを上げるのも、ゆっくり走りたい時にペースを落とすのも容易で、目的に応じて走りをコントロールしやすい。
そして、脚へのダメージが少ないというのが最大の特徴だ。そこまで柔らかさを感じるソールではないはずなのに、接地のたびに「MEDIFOAM:MF45」のソールが衝撃を吸収してくれる感覚があり、不思議なほどに脚の筋肉にダメージが残りにくい。これは実際に走ってみて初めて納得できる性能だろう。
脚への疲労感が少ないのが特徴。足を入れるだけでなく、実際に走ってみて初めて性能を理解できるシューズだ
ちなみに、この靴を履いてトラックでスピードを出そうとすると、ロードの時とは違ってソールの柔らかさが強く感じられるという一面がある。短い距離のダッシュでも柔らかく感じるため、1km4分を切るスピードで走る場合は「パフォーマンスリカバリー」モデルを使うほうが賢明だろう。
それでも、1km5分台~4分台後半のペースでの走りやすさと、脚へのダメージの少なさは特筆すべきものがある。この靴を「リカバリーシューズ」として手元に置いておくことでトレーニングの幅が広がりそうだ。
文/山本慎一郎
<関連記事>
【誌面転載/PR】藤原 新が語るメディフォームの「アクティブリカバリー」
(月刊陸上競技2020年10月号掲載記事)
【PR】MEDIFOAMに「アクティブリカバリー」モデルが新登場
※カラーバリエーションも紹介
【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! BROOKS「Hyperion Elite(ハイペリオン エリート)2」
【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! BROOKSの「HYPERION TEMPO(ハイペリオンテンポ)」
【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! BROOKS「Ghost12」
日本初の男子中距離プロチーム「阿見AC SHARKS」発足のストーリー
【誌面転載/PR】「阿見AC SHARKS」がBROOKSのシューズを語る
(月刊陸上競技2020年5月号掲載記事)
【イベント】 非公認のタイムトライアルイベント「スペシャルチャレンジin鴻巣」が開催
【PR】「MEDIFOAM」と「BROOKS」を展開 アキレスにとっての〝シューズ事業〟とは/誌面転載
【シューズレポ】 サブスリー編集者が語る!! メディフォーム「RUNNERS HI(ランナーズ・ハイ)2」
中学時代から陸上競技に取り組み、今も市民ランナーとして走り続けている月陸編集者(マラソンの自己ベストは2時間43分)が、注目のシューズをトライアル! 今回はアキレスが開発・販売しているMEDIFOAM(メディフォーム)の「RUNNERS HI(ランナーズ・ハイ)2」(税別12,600円)を紹介する。
上級者も使える「アクティブリカバリー」モデル
長距離ランナーにとって大事なことは何だろうか。もしアンケートを取ったら最も多い回答は「怪我(けが)をしないこと」になるに違いない。長い距離のランニングで自らを追い込むランナーにとって、それだけ怪我はつきものであり、脚や腰などに痛みがなく練習を継続できることは重要課題と言える。 そこに着目してアキレスが開発したのが『MEDIFOAM(メディフォーム)』のシューズだ。「怪我せずに走り続けられることが一番大切なこと」をコンセプトとして2017年に誕生し、現在は「走るリカバリーシューズ」としてジョギング用の「ベーシックリカバリー」だけでなく、レース対応モデル「パフォーマンスリカバリー」まで幅広く展開している。 そして、今年9月には新カテゴリーとして「アクティブリカバリー」が登場。これはマラソン4時間切りから3時間半程度のランナーのほか、学生などの現役アスリートが疲労回復のジョグでも使えるシューズという位置づけだ。「RUNNERS HI(ランナーズ・ハイ)2」はこのカテゴリーの代表格となる。 大きな特徴はミッドソールにアキレス独自のポリウレタン素材である「MEDIFOAM:MF45」を採用していること。MEDIFOAM MF45は一般的なソール素材であるEVAに比べ、衝撃吸収性が約10%、反発弾性は約50%もアップ。しかも、従来のMEDIFOAM素材よりも柔らかさが増しており、耐久性(へたりにくさ)はEVAの約2倍となっている。このMEDIFOAM:MF45を採用した「RUNNERS HI 2」は、怪我を防ぎ、ランニングを継続できるようにするというブランドコンセプトをかたちにしたシューズと言えるだろう。
疲労感が少ない「不思議なシューズ」
では、実際の履き心地はどうなのか。「RUNNERS HI 2」に足を入れたところ、最初は「意外と硬いな」という印象を受けた。 近年のトレンドである厚底ハイクッションシューズのような柔らかさはなく、ソールの形状変化が少ない分、安定感がある。同じアキレスが販売しているBROOKS(ブルックス)の「Ghost(ゴースト)12」とは違ってドロップ(前足部と踵の高低差)も抑え気味のため、「勝手に脚が回る」というよりは自分の意志で走りをコントロールできるシューズだ。 スッキリしたデザインのアッパーは全体的にゆとりがあり、通常25.0~25.5cmのシューズを履く筆者は25.5cmがほどよくフィット。重量は25.5cmで実測276gとジョギング用モデルとしては標準的で、特に重さは気にならないだろう。 もっとも、この靴の真価は試着しただけではわからない。走ってみると驚くべき発見があった。それは、脚への疲労感が想像以上に少ないことだ。 アスファルトの上をジョギングしてみると、MEDIFOAM:MF45のソールはゴムのような感触。クッション性や反発はそれほど強くは感じないものの、走りを邪魔しないためにストレスが少ない。スピードを上げるのも、ゆっくり走りたい時にペースを落とすのも容易で、目的に応じて走りをコントロールしやすい。 そして、脚へのダメージが少ないというのが最大の特徴だ。そこまで柔らかさを感じるソールではないはずなのに、接地のたびに「MEDIFOAM:MF45」のソールが衝撃を吸収してくれる感覚があり、不思議なほどに脚の筋肉にダメージが残りにくい。これは実際に走ってみて初めて納得できる性能だろう。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.03.28
-
2025.03.28
-
2025.03.28
2025.03.23
女子は長野東が7年ぶりの地元V アンカー・田畑陽菜が薫英女学院を逆転/春の高校伊那駅伝
-
2025.03.25
2025.03.02
初挑戦の青学大・太田蒼生は途中棄権 果敢に先頭集団に挑戦/東京マラソン
2025.03.02
太田蒼生は低体温症と低血糖で途中棄権 「世界のレベルを知れて良い経験」/東京マラソン
-
2025.03.23
-
2025.03.19
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.03.28
【世界陸上プレイバック】五輪ボイコットきっかけに創設!クラトフヴィロヴァが女子400mと800mで今も大会記録に残る2冠 日本は室伏重信ら出場も入賞ゼロ
今年、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪大会を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。これま […]
2025.03.28
【高校生FOCUS】女子三段跳・山﨑りりや(鳴門渦潮高)日本高校女子初の13m到達、大学で学生記録挑戦
FOCUS! 高校生INTERVIEW 山﨑りりや Yamasaki Ririya 鳴門渦潮高3徳島 高校アスリートをフォーカスするコーナー。年度末を迎えますが、振り返ってみれば、2024年度は高校生による日本記録樹立を […]
2025.03.28
3泊4日の全国高体連合宿終了! 「高め合える仲間がいっぱいできた」 来年度は宮崎で開催予定
大阪・ヤンマースタジアム長居を主会場に行われた2024年度の日本陸連U-19強化研修合宿・全国高体連陸上競技専門部強化合宿が3月28日、3泊4日の全日程を終えた。全国から集まった選手たちは交流を深め、試合での再会を誓った […]
2025.03.28
資格停止中の競歩・池田向希がCASに不服申し立て「一日も早く競技 を再開」
旭化成は3月28日、所属選手である競歩の池田向希が受けたアンチ・ドーピング規則違反による4年間の資格停止処分について、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に不服申し立てを行ったと発表した。 男子20km競歩で東京五輪銀メダリスト […]
2025.03.28
【男子円盤投】福宮佳潤(東京高1) 50m73=高1歴代2位&4人目の50mオーバー
3月28日、東京都多摩市の国士大多摩陸上競技場で第7回国士大競技会が行われ、高校用規格の男子円盤投(1.75kg)において福宮佳潤(東京高1)が50m73をマークした。この記録は高校1年生の歴代ランキングで2位。高1で史 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報