会見に臨んだ右代、中村、山﨑、ヘンプヒル(信濃毎日新聞社/日本陸連)
9月26日、27日に長野市営陸上競技場で行われる第104回日本選手権・混成競技の前日会見が長野市内のホテルで行われ、十種競技に出場する右代啓祐(国士舘クラブ)、中村明彦(スズキAC)、七種競技に出場する山﨑有紀(スズキAC)、ヘンプヒル恵(アトレ)が登壇し、意気込みを語った。
十種競技日本記録(8308点)を持ち、通算8度の選手権優勝を誇る右代は「現状、自分の中でできることは全部やってきた」。スプリント種目については「上半身をリラックスして使えるように」取り組んできたと話し、得意の投てき種目では「ウエイトトレーニングの回数を減らして技術にフォーカスしてきた。それがどういったかたちで出るか楽しみ」と語る。34歳となり、「1年、1年が大事な年齢になってきた」と言い、「6年ぶりの自己記録更新、日本記録更新を目指していきたい」と決意を語った。中村は「少し肉離れをしたため、スピードがどこまで出せるか」をポイントに挙げ、「来年に向けてポジティブな要素をたくさん作っていければ」と、3年ぶり王座奪還を目指す。
七種競技で連覇中の山﨑は「ポイントは得意のスプリント種目と投てき。一つひとつ思い切ってできれば自己ベスト更新につながる」と話す。2年ぶりに出場するヘンプヒルは「悩んだ時期もありましたが、陸上が好きというのを改めて実感した」と舞台に戻ってきた充実感を漂わせ、日本記録更新に「自信がある」と堂々と語った。
今大会は無観客で実施。4選手とも「コロナ禍の中で開催されて、出場できることに感謝したい」と声をそろえる。右代は「日本トップクラスの選手たちが集まり、みんなで自己ベストを目指して戦う。スポーツの原点、素晴らしい面を伝えていければ。僕たちにはそういった使命がある」と、第一人者としてのコメントを発信した。なお、2日間ともライブ配信される。
右代啓祐
「今回の日本選手権はコロナ禍の中で開催できるということで、挑戦する場がない中で開催してもらえることに感謝して戦いたい。現状は自分の中でできることは全部やってきた。自己記録更新、日本記録更新を6年ぶりにできるように。1年1年が大事な時期、年齢になってきている。東京五輪に弾みになるような2日間にしたい。今年は2試合出ていますが、100m、走幅跳、砲丸投という3種目がつながることをテーマに取り組んでいた。そこで思うように記録が伸びれば良い感じになると思うので、そこに注目してもらえれば。十種競技は1人の頑張りだけではできない。みんなで十種競技、七種競技を作り上げるんだという気持ちが、無観客でもものすごい力が発揮できる。日本トップクラスの選手たちが、みんなで自己ベストを目指して戦うというスポーツの原点、素晴らしい部分を、ライブ配信を通してファンや子供たち、仲間に伝えていければ。僕たちにはそういった使命がある」
中村明彦
「いつもと違う大会なので、いつもと違う自分を見せたい。これまでは種目が進むにつれて力んだりネガティブになったりすることが多かったので、そこをポジティブにできるようにしていきたいです。十種競技で五輪を目指すようになったきっかけが、12年のロンドン五輪(400mハードルで出場)で、たくさんの観客の中で十種競技が行われているのを見てから。無観客は残念ですが、ライブ配信でたくさん応援してもらえるように願って頑張りたい。スプリント種目でどれだけ走れるか、タイムを出せるかがポイントになる。来年に向けてポジティブな要素をたくさん作って終えられれば」
山﨑有紀
「この厳しい状況の中で開催されて、出場できることがうれいしです。1種目、1種目やって、結果的に自己ベスト更新ができればいいなと思います。得意としているスプリント種目と砲丸投、やり投で思い切って気持ちよく競技ができれば自己ベストにつながる。無観客は少し寂しさもあるが、ライブ配信をしてくださるので、応援してくださっていると思いながら、その声援を力に変えたい。選手一人ひとりが会場を盛り上げて、それが伝わればいいなと思います」
ヘンプヒル恵
「去年、ケガで出られなかったので、そのぶんもしっかり練習してきました。100mハードルと走幅跳がポイントで、ハードルは今年ベストも出せていますし、スピードが上がっているので走幅跳にもつなげていきたい。ケガがあってうまくいかない時期は、内面に目を向けることができた。陸上から離れたこともありましたが、それでも陸上のことを考えて、陸上が好き、戻りたいと思いました。今年は自分で考えてチャレンジできているので、再現性がある。出ちゃった記録ではなく、(記録を)出すためのプロセスを踏んできた。日本記録更新の自信はあります」
■日本選手権・混成競技
9月26日、27日/長野市営陸上競技場
大会HP
ライブ配信1日目
ライブ配信2日目
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