2024.01.01
◇第72回元旦競歩(1月1日/東京・神宮外苑絵画館20km競歩路コース)
女子大学・一般10kmは岡田久美子(富士通)が42分46秒の日本新記録で優勝した。これまでの日本記録は2010年に川﨑真裕美(富士通)がマークした42分50秒で、14年ぶりに塗り替えた。
「信じられないです」と話した岡田。1周1350mを7周あまり歩くコースで行われた。序盤から昨年のブダペスト世界選手権20km代表の柳井綾音(立命大)が先行。ハイペースを刻むなか、岡田はやや離れてついていった。
「夢中で歩いていました。柳井さんから勇気をもらいました」と岡田。序盤は10秒ほどの差があったが、後半に入り、徐々につまる。「勝手にペースが上がっていきました」。残り2周で柳井に追いついた。
ラスト1周に入り、「日本記録って声が聞こえて、『そうなの』と思って振り絞りました」。笑顔で振り返った。
1991年生まれで、これまで女子競歩を牽引してきた。20kmでは五輪に2016年リオ、21年東京と2大会連続で出場。世界選手権は5大会連続で代表に選ばれた。昨年のブダペストもその1つで35kmに出場予定だったが、直前に腰を痛めて欠場している。
「どうしてケガをしたのだろうかと悩んでいました。調べてみると、身体の筋肉で柔らかい部分と固い部分があり、腰は柔らかいけど、胸椎と股関節から脚が固く、柔らかい腰の可動域に動きが合っていなくて、そこがケガにつながっているのではと思いました」
これまでは力強さを出そうと取り組んでいたそうだが、トレーナーと相談して、柔軟性のあるしなやかな筋肉を目指し、ストレッチや動き作りなどを行ってきたという。
しかし、状態はなかなか上がらず、「ブダペストの欠場と合わせて精神的にもきつくて、引退も考えました。両親にも厳しいかもと言いました」。実はこの元旦競歩に両親も呼んでいた。
練習を詰めるようになったのは12月に入ってから。「1km4分30秒ぐらいのペースでしか歩けなかった」と言うが、取り組んできたことがレースに生きたようだ。風が強い中でも「全身にバネがある感じで、身体をうまく使うことができました」。柳井のハイペースにも食らいついた。
五輪実施種目ではないものの、日本記録を更新。「まだ信じられないような気持ちです」。これでトラック、ロードを含めて競歩5種目めの日本記録保持者(トラック2種目、ロード3種目)となる。
次はパリ五輪代表選考会となる2月18日の日本選手権20km(兵庫・神戸)に出場する。「もう1回身体を作り直して、パリで戦えるようにしたいです。言っていることが11月頃と違いますが」と笑顔で話していた。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.03.26
-
2025.03.26
-
2025.03.26
-
2025.03.26
-
2025.03.26
2025.03.23
女子は長野東が7年ぶりの地元V アンカー・田畑陽菜が薫英女学院を逆転/春の高校伊那駅伝
-
2025.03.19
-
2025.03.25
2025.03.02
初挑戦の青学大・太田蒼生は途中棄権 果敢に先頭集団に挑戦/東京マラソン
2025.03.02
太田蒼生は低体温症と低血糖で途中棄権 「世界のレベルを知れて良い経験」/東京マラソン
-
2025.03.23
-
2025.03.19
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.03.26
日本選手権室内・日本室内大阪大会が終了 リレーフェス今年実施せず、U16リレーは7/12~13の日本選手権リレー・混成と併催
日本陸連は3月26日、都内で理事会を開き、2025年度の主要競技会日程を承認した。 これまで、主に毎年2月に実施していた日本選手権室内・日本室内大阪大会は終了とし、25年度から行われない。 同大会は元々、1984年に「国 […]
2025.03.26
【男子3000m】尾田祥太(Runup Academy・中2) 8分37秒25=中2歴代6位
3月22日、名古屋市のパロマ瑞穂北陸上競技場で愛知陸協長距離競技会(第1回トヨタ紡織記録挑戦会)が行われ、男子3000mに出場した尾田祥太(Runup Academy/岡崎南中2愛知)が8分37秒25の中2歴代6位のタイ […]
2025.03.26
セイコーGGPと日本選手権で東京世界陸上の運営トレーニング実施「大会運営に必要な能力・経験」の蓄積目指す
公益財団法人東京2025世界陸上財団は3月26日に理事会を開き、本番での運営能力向上を図るため、運営トレーニングを実施することを発表した。 トレーニングの対象大会は、本番のメイン会場である国立競技場で行われるセイコーゴー […]
2025.03.26
スズキの田原遼太郎が現役引退 800mインターハイ出場 大学時代は関西インカレ1万m優勝
スズキは所属する田原遼太郎が現役を引退し、社業に専念することを発表した。 田原は大阪府出身の26歳。中学から陸上を始め、当初は800mなど中距離に取り組み、13年全中では準決勝まで進んでいる。大阪高でもトラックや高校駅伝 […]
2025.03.26
東京世界陸上ボランティアに3100人が採用 周辺協力者含めて3400人で構成
公益財団法人東京世界陸上財団は3月26日に理事会を開催し、ボランティアの採用結果について発表した。 11月1日から12月17日までの期間で募集し、当初想定していた募集人数3000人程度を大きく上回る8,276人が応募。そ […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報