2023.12.29
12月30日に開催される2023全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)の前日会見と開会式が、静岡県富士市内で29日に行われた。
会見には全日本大学女子駅伝での上位6チームの監督が参加。名城大の米田勝朗監督、大東大の外園隆監督、立命大の杉村憲一監督、城西大の赤羽周平監督、日体大の佐藤洋平監督、大阪学大の弘潤一監督がそれぞれ意気込みや目標などを話した。
大会5連覇中の名城大・米田監督は「どの選手も、全日本よりも状態が上がっている。ミスなく走ることができれば大丈夫」と自信をのぞかせる。
全日本で補員となった主将の増渕祐香(4年)は今回6区で、「4年間の中でも最も調子がいいと思う。3年生以下は、彼女を気持ちよく卒業させてあげたいと思ってるはずなのでがんばってほしい」と最上級生の求心力に期待。前半から貯金を積み上げるレースイメージで、最終区間までに余裕が持てる展開を思い描いている。
大東大は2週間前に3名がインフルエンザに感染したという苦境を明かし、1区、5区以外は事前の想定とは大きく異なるオーダーとなったが、「大会新記録で優勝」を狙って勝負に出る。
5区のサラ・ワンジル(1年)までに「1分差なら合格点。最悪でも1分20秒差なら逆転できる。ただこの区間終了時点で、トップに立つだけでなく、20?30秒くらい差をつけたい」と目論んでいる。1年生5人の若い布陣で、2区・蔦野萌々香(1年)を勝負のカギに挙げた。
立命大は優勝が目標。「全日本はいい流れだったが残念ながら優勝はできなかった。その後2ヵ月間、富士山では絶対に優勝すると思ってトレーニングに励んできた」と杉村監督。11月に10000m32分40秒47の自己新をマークした5区・福永楓花(3年)の地道な努力が良い影響をチームに与えており、士気が高まっているという。前半重視のオーダーで、逃げ切りを図る。
城西大は5位以内を目標に掲げる。「全日本は4位だったが、表彰台に立つチームとは差がある現状を、選手たちは冷静に分析している」と赤羽監督。後半3区間に自信を持ち、「5位が目指せる位置でエース区間・5区の髙橋葵(2年)にタスキを渡せれば、目標が達成できると思う。目標達成のいい状態で来年に向かいたい」と話した。
日体大の佐藤監督は「コンディショニングに重点を置いてきた。状態は悪くないと思う」と話し、メダル獲得を目指して臨む。「ウチのエースは山崎りさ(3年)。世界で活躍する選手になってほしい。彼女の成長のためにも良いチームメイトが必要で、それが今回2区を走る尾形唯莉(3年)。名城大の米澤さん(奈々香、2年)と戦って、エースと呼ばれるようになってほしい」と佐藤監督は期待を寄せる。ただ1人の4年生・保坂晴子にも「自分がいい成績に導く覚悟をもっている。最後にやってくれるはず」と太鼓判を押した。
前回2位の大阪学大・弘監督は「日本一の山は富士山。でも、2番目の山の名前は知られていない。1位以外は優勝の引き立て役というのが現実だ、ということを伝えて取り組んできた」という。全日本は6位で、それ以上の順位は狙える手応えを持っている。「全日本で出遅れた(1区19位)小林舞妃留(3年)に、今回しっかりと自分の走りをして区間賞をとってほしい」と、期待する選手に次期キャプテンの名を挙げた。
なお、注目された拓大の不破聖衣来(3年)は補員登録。取材に応じた五十嵐利治監督は「無理に狙わせていなかった。ケガをするから無理に合わせなかっただけ。故障しないよう、長期的に考えていている」と話し、「来年、何がなんでも五輪というつもりではない」と状況を説明する。チームの状態については「順調で、みんなの目標は5位。どこまで近づけるか。1、7区は区間賞狙えます」と自信をのぞかせた。
レースは12月30日10時に号砲。富士山本宮浅間大社鳥居前をスタート、富士総合運動公園陸上競技場をフィニッシュとする7区間43.4kmで行われる。大会の模様はフジテレビ系列(テレビ静岡)で9時55分から生中継される。
文/中村 外
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.12.03
やり投・北口榛花が今年も「変わり羽子板」に登場!「明るくなってほしい」と願い込め
-
2024.12.02
-
2024.12.01
2024.11.10
全国高校駅伝の都道府県代表出そろう!男子前回Vの佐久長聖、2位・倉敷ら駒進める
2024.11.07
アシックスから軽量で反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST 5」が登場!
2024.11.06
駅伝シーズンに向け、ナイキの「EKIDEN PACK」コレクションが登場!
-
2024.11.24
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.12.03
100mHパリ五輪代表の福部真子が「菊池病」を公表 高熱などと闘う 練習再開「失ったもんは取り返す」
女子100mハードル日本記録保持者でパリ五輪代表の福部真子(日本建設工業)が自身のSNSを更新し、組織球性壊死性リンパ節炎、通称「菊池病」と診断されたことを明かした。 菊池病の主な症状は発熱と頸部(首)のリンパ節腫脹とい […]
2024.12.03
やり投・北口榛花が今年も「変わり羽子板」に登場!「明るくなってほしい」と願い込め
雛人形などを扱う人形専門店の「久月」が明るい話題を提供した人を描く「変わり羽子板」を12月3日にお披露目し、女子やり投の北口榛花(JAL)が昨年に続いてモデルとして採用された。 メジャーリーグの大谷翔平(ドジャース)や、 […]
2024.12.03
来年の東京デフリンピックへ向け熱戦!日本デフ選手権 国体出場歴もある佐々木琢磨が100m、200mで貫禄のV
聴覚障害のアスリートが競う第2回世界デフ国別・地域別対抗選手権(DAT)兼第21回日本デフ選手権が11月30日~12月1日に東京・駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で行われた(ハンマー投のみ29日に大井で実施)。 […]
2024.12.02
1万mで塩尻和也が27分36秒37で1着タイ 山谷昌也27分50秒77 伊藤達彦、長嶋幸宝、鈴木健吾らも27分台/日体大長距離競技会
第318回日体大長距離競技会兼第13回NITTAIDAI Challenge Games(NCG)が12月1日に行われ、NCG男子10000mは日本記録保持者の塩尻和也(富士通)、フィレモン・キプラガット(愛三工業)の2 […]
2024.12.02
東洋大男子長距離部門がセブン銀行と契約「日々挑戦する心で革新」箱根駅伝からロゴ入りユニ着用
株式会社セブン銀行は12月2日、東洋大学陸上競技部男子長距離部門の公式トレーニングウェア・公式ユニフォームへのロゴ掲出に関する契約を締結したと発表した。 東洋大は箱根駅伝で優勝4度を誇り、19年連続シード権獲得中。スクー […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会