2023.12.27
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)
第84回(2008年/平成20年)
早大12年ぶり往路V 3校途中棄権の波乱
11月の全日本大学駅伝で圧勝した駒大、出雲駅伝3連覇で前年3位の東海大の“2強”と予想された第84回大会。
東農大が4年ぶり、帝京大が3年ぶりに予選会突破を果たした一方で、前年出場校では國學院大、明大が本戦に駒を進めなかった。
1区では13位までが先頭から30秒差という大混戦となり、城西大の佐藤直樹(2年)が区間賞を獲得。駒大が2位、早大が3位と好スタートを切った反面、前回優勝校の順大はまさかの20位スタートとなった。
2区では9位でタスキを受け取った山梨学大のメクボ・ジョブ・モグス(3年)が爆走。三代直樹(順大)が持つ区間記録を9年ぶりに23秒更新する走りで先頭へ立った。1分26秒差の2位に中央学大が入り、伊達秀晃(4年)が13人抜きを見せた東海大が3位、ギタウ・ダニエル(2年)が15人抜きを演じた日大が4位に順位を上げた。
3区で大きく順位を押し上げたのが早大。前年の大阪世界選手権に出場した竹澤健介(3年)がケガを抱えながらの激走で12位から5位までジャンプアップ。中大も上野裕一郎(4年)が区間2位の好走で7位から3位に浮上した。
4区では大きな順位変動はなかったものの、2位から9位までが1分07秒差という大激戦へ。山上りの5区では早大の駅伝主将・駒野亮太(4年)が素晴らしい走りを見せた。6位でタスキを受けた駒野は駒大の安西秀幸(4年)とともに先頭の山梨学大を11km地点で逆転。駒野は前年に今井正人(順大)がマークした区間記録に7秒と迫る激走で安西を突き放し、12年ぶりの往路優勝を手にした。
往路2位は駒大。山梨学大が3位に入り、関東学連選抜が大健闘の4位に食い込んだ。また、5区では順大の小野裕幸(3年)が脱水症状を起こし、残り500m地点で無念のリタイヤとなった。前回優勝校が途中棄権となるのは1996年の山梨学大以来だった。
往路を制した早大は6区の加藤創大(2年)が区間2位に48秒差をつける区間賞で後続を突き放す。しかし、駒大は7区の豊後友章(4年)が区間2位、8区の深津卓也(2年)が区間トップと快走を続け、この時点で早大との差は15秒。優勝争いのゆくえは9区まで持ち込まれた。
9区では駒大の堺晃一(4年)が早大の三輪真之(3年)を抜き去り、逆に1分以上の大差をつけて勝負あり。10区でも駒大が逃げ切り、3年ぶり6度目の総合優勝を達成した。早大は2002年以来のトップ3で見せ場を作ったものの、終盤の底力がわずかに足りなかった。
3位は9区で篠藤淳(4年)が区間新記録を樹立した中央学大が入り、大学の過去最高順位を更新。往路4位と健闘した関東学連選抜が復路でも順位をキープして総合4位に食い込んだ。
終盤がアクシデントが続出し、9区では大東大、10区では東海大と、ともにシード圏内につけていた2校が途中棄権となる事態に。これによりシード争いは激戦となり、9区終了時で11位だった日大は2つ順位を上げて9位でフィニッシュ。9位から一時11位まで順位を落としていた東洋大は、東海大のアクシデントに救われるかたちで10位を確保した。
一方で城西大は3年連続の“シード次点”となる11位。前回シード校の日体大(12位)、専大(14位)もシード権を失った。
なお、チームは途中棄権となったものの、東海大の7区・佐藤悠基(3年)は区間記録を15年ぶりに18秒更新し、1年時の3区、2年時の1区と続いて3年連続区間新の偉業を達成した。
参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
第84回(2008年/平成20年) 早大12年ぶり往路V 3校途中棄権の波乱
11月の全日本大学駅伝で圧勝した駒大、出雲駅伝3連覇で前年3位の東海大の“2強”と予想された第84回大会。 東農大が4年ぶり、帝京大が3年ぶりに予選会突破を果たした一方で、前年出場校では國學院大、明大が本戦に駒を進めなかった。 1区では13位までが先頭から30秒差という大混戦となり、城西大の佐藤直樹(2年)が区間賞を獲得。駒大が2位、早大が3位と好スタートを切った反面、前回優勝校の順大はまさかの20位スタートとなった。 2区では9位でタスキを受け取った山梨学大のメクボ・ジョブ・モグス(3年)が爆走。三代直樹(順大)が持つ区間記録を9年ぶりに23秒更新する走りで先頭へ立った。1分26秒差の2位に中央学大が入り、伊達秀晃(4年)が13人抜きを見せた東海大が3位、ギタウ・ダニエル(2年)が15人抜きを演じた日大が4位に順位を上げた。 3区で大きく順位を押し上げたのが早大。前年の大阪世界選手権に出場した竹澤健介(3年)がケガを抱えながらの激走で12位から5位までジャンプアップ。中大も上野裕一郎(4年)が区間2位の好走で7位から3位に浮上した。 4区では大きな順位変動はなかったものの、2位から9位までが1分07秒差という大激戦へ。山上りの5区では早大の駅伝主将・駒野亮太(4年)が素晴らしい走りを見せた。6位でタスキを受けた駒野は駒大の安西秀幸(4年)とともに先頭の山梨学大を11km地点で逆転。駒野は前年に今井正人(順大)がマークした区間記録に7秒と迫る激走で安西を突き放し、12年ぶりの往路優勝を手にした。 往路2位は駒大。山梨学大が3位に入り、関東学連選抜が大健闘の4位に食い込んだ。また、5区では順大の小野裕幸(3年)が脱水症状を起こし、残り500m地点で無念のリタイヤとなった。前回優勝校が途中棄権となるのは1996年の山梨学大以来だった。 往路を制した早大は6区の加藤創大(2年)が区間2位に48秒差をつける区間賞で後続を突き放す。しかし、駒大は7区の豊後友章(4年)が区間2位、8区の深津卓也(2年)が区間トップと快走を続け、この時点で早大との差は15秒。優勝争いのゆくえは9区まで持ち込まれた。 9区では駒大の堺晃一(4年)が早大の三輪真之(3年)を抜き去り、逆に1分以上の大差をつけて勝負あり。10区でも駒大が逃げ切り、3年ぶり6度目の総合優勝を達成した。早大は2002年以来のトップ3で見せ場を作ったものの、終盤の底力がわずかに足りなかった。 3位は9区で篠藤淳(4年)が区間新記録を樹立した中央学大が入り、大学の過去最高順位を更新。往路4位と健闘した関東学連選抜が復路でも順位をキープして総合4位に食い込んだ。 終盤がアクシデントが続出し、9区では大東大、10区では東海大と、ともにシード圏内につけていた2校が途中棄権となる事態に。これによりシード争いは激戦となり、9区終了時で11位だった日大は2つ順位を上げて9位でフィニッシュ。9位から一時11位まで順位を落としていた東洋大は、東海大のアクシデントに救われるかたちで10位を確保した。 一方で城西大は3年連続の“シード次点”となる11位。前回シード校の日体大(12位)、専大(14位)もシード権を失った。 なお、チームは途中棄権となったものの、東海大の7区・佐藤悠基(3年)は区間記録を15年ぶりに18秒更新し、1年時の3区、2年時の1区と続いて3年連続区間新の偉業を達成した。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)第84回箱根駅伝総合成績をチェック
●総合成績 1位 駒大 11時間05分00秒 2位 早大 11時間07分29秒 3位 中央学大11時間11分05秒 4位 関東学連選抜11時間12分25秒 5位 亜細亜大11時間14分10秒 6位 山梨学大11時間15分00秒 7位 中大 11時間16分32秒 8位 帝京大 11時間16分48秒 9位 日大 11時間16分52秒 10位 東洋大 11時間17分12秒 11位 城西大 11時間20分19秒 12位 日体大 11時間20分30秒 13位 国士大 11時間23分43秒 14位 専大 11時間25分37秒 15位 神奈川大11時間27分22秒 16位 法大 11時間28分06秒 17位 東農大 11時間30分58秒 東海大 途中棄権 大東大 途中棄権 順大 途中棄権 ●区間賞 1区 佐藤直樹(城西大)1時間04分37秒 2区 M.J.モグス(山梨学大) 1時間06分23秒 3区 竹澤健介(早大) 1時間03分32秒 4区 阿宗高広(国士大) 55分24秒 5区 駒野亮太(早大) 1時間18分12秒 6区 加藤創大(早大) 59分15秒 7区 佐藤悠基(東海大)1時間02分35秒 8区 深津卓也(駒大) 1時間04分57秒 9区 篠藤淳(中央学大)1時間08分01秒 10区 永岩義人(城西大)1時間10分14秒
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