2023.12.27
GMOインターネットグループは12月27日、元日の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)に向けての「決戦直前記者会見」を開いた。
冒頭に同社代表取締役グループ代表の熊谷正寿氏が、優勝を目標に掲げながら5位だった前回を「最高の選手をそろえ、最高の練習環境を整えれば優勝できると甘く見ていた」と明かした。そして、その反省のうえで「万全の態勢でニューイヤー駅伝を迎えようとしている」と力強く語る。
陸上部の亀鷹律良監督、EKIDENダイレクターの原晋氏も同席したトークセッションでは、正月の決戦に向けての作戦名を発表。「GMOワクワク大作戦」を掲げ、初の頂点に挑む。
チームミーティングで作戦を決めた経緯について、熊谷代表は「会社としは『1番』が経営の信念。でも、1番でなければいけないとプレッシャーをかけ続けてはいけない。スポーツ心理学上、厳しい練習の後はリラックスして楽しむことが実力を発揮することにつながる」と説明。そして、「選手にたちにはここまでトレーニングを積み重ねたのだから、当日はワクワク、ドキドキしながら楽しんできてほしいというメッセージを伝えたかった」と続けた。
今回の作戦名は、原ダイレクターが監督を務める青学大が、箱根駅伝で初優勝を飾った2015年時に使った作戦名に、社名を加えたもの。原ダイレクターも「やるべきことをやれば、最後はワクワクしながら、未来志向でいくことで成果が出る、という論文などが出ていたので、それを利用した」と当時を振り返る。
そして、その「やるべきこと」は本番に向けて万端だという。
ニューイヤー駅伝では初出場だった2020年に、いきなり5位に入賞。その後は2年連続で9位と入賞に一歩届かなかったが、前回は、2022年10月にプレイングダイレクターとして参画した大迫傑(Nike)を軸に、再び5位を占めた。
今季は11月の東日本実業団駅伝では、MGC出場者を擁していたことで特例措置で完走すれば順位に関わらずニューイヤー駅伝の出場権を得らえる。そのため、あくまでもニューイヤーを見据えての調整の一環と割り切ったレースをして17位だった。ただ、亀鷹監督は「12月に入ってチーム状況が上向き、『勝てるんじゃないか』という雰囲気が出てきた。これは勝つしかないという思いでニューイヤーに臨む」と力強く語った。
熊谷代表が自らケニアに赴いてスカウトした2022年オレゴン世界選手権5000m銀メダリストのヤコブ・クロップ(ケニア)という大砲を擁しており、「(インターナショナル区間の)4区でトップに立ち、5区以降を逃げ切る」(亀鷹監督)というのがメインプラン。そのために、2連覇中のHonda、富士通、トヨタ自動車らに2区、3区で「30秒差以内で食らいつくこと」をポイントに挙げる。
今大会から4区までの区間距離がガラリと変わり、前回まで4区だった最長区間が2区に。各チームはそこにエースを投入すると見られる。そこでの力の差を冷静に捉えつつ、出足の1区で、前回は村山鉱太が果たしたトップ中継の再現を狙い、流れをつかみにいく。5~7区には「駅伝に強い選手を並べる」と自信を持っており、前半の戦い方次第で目標達成に届く想定だ。大迫については亀鷹監督は「出走します」ときっぱりと語り、区間については「ワクワクする区間で」と話した。
また、「GMOわくわく大作戦」の一環として、優勝した暁には選手にプライベートジェットでの「ご家族・大切な方への恩返しの旅」を贈ること、さらにSNSを使った総額200万円のプレゼントキャンペーンを行うことも発表された。
2015年に熊谷代表が、原ダイレクターの「これまでにない新しいチームを作ってほしい」という要望を受け、2016年にスタートしたGMOインターネットグループ陸上部。1月1日に「1番」に輝くための体制は、整った。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.03.28
-
2025.03.28
-
2025.03.28
2025.03.23
女子は長野東が7年ぶりの地元V アンカー・田畑陽菜が薫英女学院を逆転/春の高校伊那駅伝
-
2025.03.25
2025.03.02
初挑戦の青学大・太田蒼生は途中棄権 果敢に先頭集団に挑戦/東京マラソン
2025.03.02
太田蒼生は低体温症と低血糖で途中棄権 「世界のレベルを知れて良い経験」/東京マラソン
-
2025.03.23
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.03.29
齋藤みう3000m障害で9分41秒57 自己ベスト4秒以上更新して日本歴代6位、学生歴代2位
第319回日体大長距離競技会初日が3月29日、神奈川・横浜市の同大学健志台キャンパス競技場で行われ、女子3000m障害で齋藤みう(日体大4)が日本歴代6位、学生歴代2位の9分41秒57をマークした。 齋藤のこれまでのベス […]
2025.03.28
【世界陸上プレイバック】五輪ボイコットきっかけに創設!クラトフヴィロヴァが女子400mと800mで今も大会記録に残る2冠 日本は室伏重信ら出場も入賞ゼロ
今年、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪大会を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。これま […]
2025.03.28
【高校生FOCUS】女子三段跳・山﨑りりや(鳴門渦潮高)日本高校女子初の13m到達、大学で学生記録挑戦
FOCUS! 高校生INTERVIEW 山﨑りりや Yamasaki Ririya 鳴門渦潮高3徳島 高校アスリートをフォーカスするコーナー。年度末を迎えますが、振り返ってみれば、2024年度は高校生による日本記録樹立を […]
2025.03.28
3泊4日の全国高体連合宿終了! 「高め合える仲間がいっぱいできた」 来年度は宮崎で開催予定
大阪・ヤンマースタジアム長居を主会場に行われた2024年度の日本陸連U-19強化研修合宿・全国高体連陸上競技専門部強化合宿が3月28日、3泊4日の全日程を終えた。全国から集まった選手たちは交流を深め、試合での再会を誓った […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報