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2020.09.18

編集部コラム「キソの大切さ」
編集部コラム「キソの大切さ」

★月陸編集部★

攻め(?)のアンダーハンド

リレーコラム🔥

毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!

第60回「キソの大切さ(井上 敦)

最近の小誌では、先日発売された2020年10月号を含め、強豪チームのトレーニングを紹介しています。

あらためて読み返しながら、私自身が陸上をしていた四半世紀前を思い出し、「当時は動き作りやドリルを疎かにしていたな」と後悔めいたものを覚えました。

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高校入学当時、ウォーミングアップとしてジョグ(トラック2周)、体操の後に、私の高校では「キソ」と呼ばれるドリルのようなものを何種類かやっていましたが、専門の指導者がおらず、どんな姿勢がいいのか、正しい身体の動かし方もわかりませんでしたし、先輩の見様見真似。さらに、中長距離ブロックだった私は、その日のメイン練習によっては、「キソ」をしない日も結構多かったです。ですので、いまだに、どんなメニューがあったか思い出せません・・・・・・。

高1の冬に順大・澤木啓祐先生のクリニック(講習会)が新潟・十日町市で行われた際、先輩と一緒に各駅停車の電車を乗り継ぎ、2時間以上かけて行って、順大の動き作り(確か調整運動と言っていた内容です)を教わりました。そこで覚えたものを、学校の練習でも取り入れて、最初のうちは結構やっていました。しかし、徐々に減っていきました。

あれから25年――。取材で全国高体連合宿や強豪校の練習にもお邪魔していますが、そこで活躍している高校生の動きを見ていると、動き作りやドリルの大切さを実感します。さらに、大事なことは、その際にどこを強化しているか、自分自身で理解しているという点です。取材で話を聞くと、すらすらと説明して、こちらも納得しています。

そういう意味では、私が高校に入った時にやった「キソ」は、それぞれのメニューの意図を理解していなくて、ほとんど自分の競技につながっていなかったですね。県新人1500m6位が高校時代の最高成績でしたが、もっと、しっかりしていれば地区大会やインターハイにも行けたのかなと、今も思うことがあります。

最新号(10月号)では、「秋はキレで勝負」と題して、各分野で実績のある先生方にトレーニングを紹介していただきましたし、月陸トレーニングセミナーでは社高校(兵庫)にお邪魔しました。

そのうち、私は「秋はキレで勝負」のジャンプ編として横浜国立大・伊藤信之先生の取材に行きました。跳躍種目でキレを出すトレーニング・動きというのは、どんな内容かなと思いましたが、教えていただいたのは身体の軸を作るための姿勢を意識し、股関節の力を使うなど基本的なものでした。


キレを出すにも基本が大事!

でも、それが大事なのです。伊藤先生は「基本技術の要素をスキルとして身につけていって、次にそのスキルを強度の高いトレーニングで発揮することで、力がついていく」とおっしゃっていました。そこから女子100mハードルの木村文子選手(エディオン)や、女子三段跳の宮坂楓選手(ニッパツ)といった、卒業後も日本のトップで活躍する選手が生まれてきました。

メインの練習に比べて、動き作りやドリルは地味かもしれません。でも、習慣化して続けることこそが、結果につながるとあらためて感じる今日この頃です。

井上 敦(いのうえ あつし)
1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上界では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で最初は100mを始めたものの、その年の東京世界選手権でファイナリストとなった高野進選手に憧れて400mに転向。しかし、県大会に進めなかったうえに、中3秋の駅伝で区間賞獲得や県大会出場でまたまた転向を決意。高校では中距離をメインに、2年時の県新人大会1500mで6位入ったのが最高成績。

編集部コラム第59回「思い込みを捨てる」(山本)
編集部コラム第58回「それ、ドーピングだよ」(向永)
編集部コラム第57回「東京五輪へ“もう1度”あと1年」(小川)
編集部コラム第56回「魔法の言葉」(船越)
編集部コラム第55回「月陸ってどんな雑誌?」(松永)
編集部コラム第54回「インターハイ種目別学校対抗(女子編)」(大久保)
編集部コラム第53回「明確なビジョン」(井上)
編集部コラム第52回「人間性を磨く」(山本)
編集部コラム第51回「指が痛い。」(向永)
編集部コラム第50回「温故知新」(小川)
編集部コラム第49回「対面取材」(船越)
編集部コラム第48回「日本選手権優勝者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第47回「インターハイ種目別学校対抗(男子編)」(大久保)
編集部コラム第46回「月陸に自分が載った」(井上)
編集部コラム第45回「陸上競技と関わり続ける」(山本)
編集部コラム第44回「逃げるとどうなる?」(向永)
編集部コラム第43回「成長のヒント」(小川)
編集部コラム第42回「日本実業団記録」(大久保)
編集部コラム第41回「思い出の2016年長野全中」(松永)
編集部コラム第40回「葛藤」(船越)
編集部コラム第39回「何も咲かない寒い日は……」(井上)
編集部コラム第38回「社会の一員としての役割」(山本)
編集部コラム第37回「大学生、高校生、中学生に光を」(向永)
編集部コラム第36回「Tokyo 2020+1」(小川)
編集部コラム第35回「善意」(船越)
編集部コラム第34回「ピンチをチャンスに」(松永)
編集部コラム第33回「日本記録アラカルト」(大久保)
編集部コラム第32回「独断で選ぶ2019年度高校陸上界5選」(井上)
編集部コラム第31回「記録と順位」(山本)
編集部コラム第30回「答えを見つけ出す面白さ」(向永)
編集部コラム第29回「初めてのオリンピック」(小川)
編集部コラム第28回「人生意気に感ず」(船越)
編集部コラム第27回「学生駅伝〝区間賞〟に関するアレコレ」(松永)
編集部コラム第26回「2019年度 陸上界ナンバーワン都道府県は?」(大久保)
編集部コラム第25回「全国男子駅伝の〝私見〟大会展望」(井上)
編集部コラム第24回「箱根駅伝の高速化を検証」(山本)
編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本)
編集部コラム第23回「みんなキラキラ」(向永)
編集部コラム第22回「国立競技場」(小川)
編集部コラム第21回「〝がんばれ〟という言葉の力と呪縛」(船越)
編集部コラム第20回「日本記録樹立者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第19回「高校陸上界史上最強校は?(女子編)」(大久保)
編集部コラム第18回「独断で選ぶ全国高校駅伝5選」(井上)
編集部コラム第17回「リクジョウクエスト2~そして月陸へ~」(山本)
編集部コラム第16回「強い選手の共通点?」(向永)
編集部コラム第15回「続・ドーハの喜劇?」(小川)
編集部コラム第14回「初陣」(船越)
編集部コラム第13回「どうなる東京五輪マラソン&競歩!?」(松永)
編集部コラム第12回「高校陸上界史上最強校は?(男子編)」(大久保)
編集部コラム第11回「羽ばたけ日本の中距離!」(井上)
編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
編集部コラム第8回「アナウンス」(小川)
編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)

 

★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。 暇つぶし程度にご覧ください!

第60回「キソの大切さ(井上 敦)

最近の小誌では、先日発売された2020年10月号を含め、強豪チームのトレーニングを紹介しています。 あらためて読み返しながら、私自身が陸上をしていた四半世紀前を思い出し、「当時は動き作りやドリルを疎かにしていたな」と後悔めいたものを覚えました。 高校入学当時、ウォーミングアップとしてジョグ(トラック2周)、体操の後に、私の高校では「キソ」と呼ばれるドリルのようなものを何種類かやっていましたが、専門の指導者がおらず、どんな姿勢がいいのか、正しい身体の動かし方もわかりませんでしたし、先輩の見様見真似。さらに、中長距離ブロックだった私は、その日のメイン練習によっては、「キソ」をしない日も結構多かったです。ですので、いまだに、どんなメニューがあったか思い出せません・・・・・・。 高1の冬に順大・澤木啓祐先生のクリニック(講習会)が新潟・十日町市で行われた際、先輩と一緒に各駅停車の電車を乗り継ぎ、2時間以上かけて行って、順大の動き作り(確か調整運動と言っていた内容です)を教わりました。そこで覚えたものを、学校の練習でも取り入れて、最初のうちは結構やっていました。しかし、徐々に減っていきました。 あれから25年――。取材で全国高体連合宿や強豪校の練習にもお邪魔していますが、そこで活躍している高校生の動きを見ていると、動き作りやドリルの大切さを実感します。さらに、大事なことは、その際にどこを強化しているか、自分自身で理解しているという点です。取材で話を聞くと、すらすらと説明して、こちらも納得しています。 そういう意味では、私が高校に入った時にやった「キソ」は、それぞれのメニューの意図を理解していなくて、ほとんど自分の競技につながっていなかったですね。県新人1500m6位が高校時代の最高成績でしたが、もっと、しっかりしていれば地区大会やインターハイにも行けたのかなと、今も思うことがあります。 最新号(10月号)では、「秋はキレで勝負」と題して、各分野で実績のある先生方にトレーニングを紹介していただきましたし、月陸トレーニングセミナーでは社高校(兵庫)にお邪魔しました。 そのうち、私は「秋はキレで勝負」のジャンプ編として横浜国立大・伊藤信之先生の取材に行きました。跳躍種目でキレを出すトレーニング・動きというのは、どんな内容かなと思いましたが、教えていただいたのは身体の軸を作るための姿勢を意識し、股関節の力を使うなど基本的なものでした。 キレを出すにも基本が大事! でも、それが大事なのです。伊藤先生は「基本技術の要素をスキルとして身につけていって、次にそのスキルを強度の高いトレーニングで発揮することで、力がついていく」とおっしゃっていました。そこから女子100mハードルの木村文子選手(エディオン)や、女子三段跳の宮坂楓選手(ニッパツ)といった、卒業後も日本のトップで活躍する選手が生まれてきました。 メインの練習に比べて、動き作りやドリルは地味かもしれません。でも、習慣化して続けることこそが、結果につながるとあらためて感じる今日この頃です。
井上 敦(いのうえ あつし) 1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上界では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で最初は100mを始めたものの、その年の東京世界選手権でファイナリストとなった高野進選手に憧れて400mに転向。しかし、県大会に進めなかったうえに、中3秋の駅伝で区間賞獲得や県大会出場でまたまた転向を決意。高校では中距離をメインに、2年時の県新人大会1500mで6位入ったのが最高成績。
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