HOME 学生長距離

2023.12.08

【Playback箱根駅伝】第17回/日大が往路・復路とも制して2連覇達成 同年ベルリン五輪代表も疾走
【Playback箱根駅伝】第17回/日大が往路・復路とも制して2連覇達成 同年ベルリン五輪代表も疾走

第17回箱根駅伝/日大6区の矢萩丹治から7区の松永重へ

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第17回(1936年/昭和11年)
日大が連覇達成!往路・復路とも2年連続完全 横浜専門学校初出場

前回出場の13校に初出場の横浜専門学校(現・神奈川大)を加えた14校が参加して行われた。

レース序盤にリードしたのは14、15回と連覇している早大。1区の朝倉充が区間賞を獲得すると、2区の島野信一も区間3位で先頭を死守した。

しかし、1区で9位と出遅れていた中大が、2区の栗本仁が区間賞の走りで4位に浮上。3区では、この年に行われたベルリン五輪の5000mと10000mで4位入賞を果たすことになる村社講平が区間賞の快走を見せて首位を奪った。

2連覇が懸かる日大は4区から反撃を開始。3位でタスキを受けた細川欽三が区間賞で、早大を抜いて2位に上がると、5区では2年連続の山上りとなった鈴木房重がこちらも区間賞の快走で中大をかわす。勝負を決めて往路2連覇を果たした。

鈴木は後にベルリン五輪のマラソン代表に選ばれるが、本番直前に現地で体調を崩して補欠に。不本意ながら10000mに回った不運の選手でもある。

広告の下にコンテンツが続きます

日大がトップをひた走る復路。そこから5分10秒差の2位でスタートした早大は6区・大野正次の区間賞で3分6秒差まで追い上げるた。しかし、日大は7~9区の松永重、棚木大、鈴木勇が3区間連続で区間賞を獲得して勝負あり。早大を大きく突き放した。

前回同様に日大が往路、復路ともに制して総合2連覇を達成。2位の早大に6分17秒差をつける完勝だった。

この年に3区を走った森本一徳は第11回大会から連続7回(歯学部4年、法学部3年)で出場。後年、日大監督、関東学連会長などを歴任した。

ベルリン五輪マラソンは日本統治時代とあって日本代表として出場した朝鮮半島出身の孫基禎が金メダルに輝いたが、同じ朝鮮生まれで、同年に明大の3区を走った南昇竜が銅メダルを獲得している。

参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第17回(1936年/昭和11年) 日大が連覇達成!往路・復路とも2年連続完全 横浜専門学校初出場

前回出場の13校に初出場の横浜専門学校(現・神奈川大)を加えた14校が参加して行われた。 レース序盤にリードしたのは14、15回と連覇している早大。1区の朝倉充が区間賞を獲得すると、2区の島野信一も区間3位で先頭を死守した。 しかし、1区で9位と出遅れていた中大が、2区の栗本仁が区間賞の走りで4位に浮上。3区では、この年に行われたベルリン五輪の5000mと10000mで4位入賞を果たすことになる村社講平が区間賞の快走を見せて首位を奪った。 2連覇が懸かる日大は4区から反撃を開始。3位でタスキを受けた細川欽三が区間賞で、早大を抜いて2位に上がると、5区では2年連続の山上りとなった鈴木房重がこちらも区間賞の快走で中大をかわす。勝負を決めて往路2連覇を果たした。 鈴木は後にベルリン五輪のマラソン代表に選ばれるが、本番直前に現地で体調を崩して補欠に。不本意ながら10000mに回った不運の選手でもある。 日大がトップをひた走る復路。そこから5分10秒差の2位でスタートした早大は6区・大野正次の区間賞で3分6秒差まで追い上げるた。しかし、日大は7~9区の松永重、棚木大、鈴木勇が3区間連続で区間賞を獲得して勝負あり。早大を大きく突き放した。 前回同様に日大が往路、復路ともに制して総合2連覇を達成。2位の早大に6分17秒差をつける完勝だった。 この年に3区を走った森本一徳は第11回大会から連続7回(歯学部4年、法学部3年)で出場。後年、日大監督、関東学連会長などを歴任した。 ベルリン五輪マラソンは日本統治時代とあって日本代表として出場した朝鮮半島出身の孫基禎が金メダルに輝いたが、同じ朝鮮生まれで、同年に明大の3区を走った南昇竜が銅メダルを獲得している。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第17回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 日大 12時間54分22秒 2位 早大 13時間00分39秒 3位 中大 13時間21分49秒 4位 慶大 13時間23分23秒 5位 法大 13時間35分48秒 6位 東京文理科大 13時間37分44秒 7位 専大 13時間41分18秒 8位 明大 14時間11分11秒 8位 日本歯科医専 14時間27分11秒 10位 拓大 14時間38分04秒 11位 東洋大 14時間48分57秒 12位 立教大 14時間50分10秒 13位 東農大 14時間51分44秒 14位 横浜専門 15時間04分05秒 ●区間賞 1区 朝倉充(早大) 1時間14分58秒 2区 栗本仁(中大) 1時間11分14秒 3区 村社講平(中大) 1時間12分46秒 4区 細川欽三(日大) 1時間10分47秒 5区 鈴木房重(日大) 1時間37分51秒 6区 大野正次(早大) 1時間22分51秒 7区 松永重(日大) 1時間10分53秒 8区 棚木大(日大) 1時間15分45秒 9区 鈴木勇(日大) 1時間08分00秒 10区 竹中正一郎(慶大) 1時間12分27秒

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.03.29

青学大・若林宏樹の学生ラストランは2位!TBS感謝祭マラソン激走「箱根よりきつかった」

青学大の若林宏樹がTBSの「オールスター感謝祭2025春」に出演した。若林は番組恒例の赤坂ミニマラソンに出場して2位だった。 約5km、心臓破りの坂がランナーたちを苦しめる番組の人気企画。今年の箱根駅伝で5区区間新を出し […]

NEWS 女子やり投で16歳・嚴子怡が64m83 自身のU20世界記録を42cm塗り替え3度目の更新

2025.03.29

女子やり投で16歳・嚴子怡が64m83 自身のU20世界記録を42cm塗り替え3度目の更新

3月28日に中国・成都で行われた投てきの招待競技会女子やり投で、16歳の嚴子怡が自身の持つU20世界記録を42cm更新する64m83を放った。 嚴は2008年5月生まれ。2023年に国際学校スポーツ連盟が主催するU15世 […]

NEWS 鈴木琉胤5000mで高校歴代2位13分25秒59 “世界”のレースを体感して日本人トップ 4月から早大へ/WAコンチネンタルツアー

2025.03.29

鈴木琉胤5000mで高校歴代2位13分25秒59 “世界”のレースを体感して日本人トップ 4月から早大へ/WAコンチネンタルツアー

2025年の世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ゴールド初戦となるモーリー・プラント競技会が3月29日、豪州・メルボルンで行われた。 男子5000mには4月から早大に進学する鈴木琉胤(八千代松陰高3千葉)が出場。高校歴 […]

NEWS 走高跳で男女上位 真野友博1位、髙橋渚1m86で2位 100mH田中佑美Vで3位まで日本勢/WAコンチネンタルツアー

2025.03.29

走高跳で男女上位 真野友博1位、髙橋渚1m86で2位 100mH田中佑美Vで3位まで日本勢/WAコンチネンタルツアー

2025年の世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ゴールド初戦となるモーリー・プラント競技会が3月29日、豪州・メルボルンで行われた。 日本からは22名が出場し、2種目で優勝。走高跳では男子が昨年のパリ五輪代表で22年世 […]

NEWS 編集部コラム「いつのまにか700号超え」

2025.03.29

編集部コラム「いつのまにか700号超え」

攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム?? 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報

page top