2023.12.02
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)
第5回(1924年/大正13年)
五輪代表の明大・八島健三が健脚披露 10区で東京高師を逆転
前年の1923年9月1日に関東大震災が起きた影響で開催が危ぶまれたが、沿線の復興にめどがつき、コースを一部変更して行われた。前回2位の中大は不出場。日本歯科医専が2年ぶりに出場した。
往路は先頭が激しく入れ替わるレースとなる。1区では東農大が林譲二郎の快走でトップ中継を果たすと、2区では早大が先頭に立った。
草創期は長距離選手を10人集めるのに苦戦するチームも少なくなく、専門外の中距離選手やフィールド種目の選手もしばしば借り出された。東農大の2区を走った棚橋源一郎は棒高跳の選手。先頭でタスキをもらって力走するも区間8位と苦戦して6位に順位を落とした。
3区では5位でスタートした明大の高橋釋三郎が区間賞の走りで4人抜き。一気に先頭に立った。明大は4区でも首位をキープしたが、5区で東京高師の栗本義彦が区間賞の走りを見せて明大を逆転。東京高師が2年ぶりに往路優勝を果たした。
6区でも佐藤秀三郎が区間新記録の快走で東京高師が2位明大との差を2分44秒4から13分26秒に広げる。それでも明大は7区の永谷寿一が1人で7分34秒も差を詰める区間新記録の激走で逆転優勝に望みをつないだ。
永谷の走りで勢いに乗った明大はその後も差を詰めて、9区終了時点で東京高師との差を1分余りとする。
明大の10区を任されたのは入学前の小樽中3年の時、1920年アントワープ五輪のマラソンに出場したエースの八島健三。八島は東京高師の畠山勇三を勢いよく追いかけると、鈴ヶ森で追いつきそのまま引き離す。復路で驚異的な追い上げを見せた明大が3年ぶり2回目の優勝を飾った。
最終区で逆転を許した東京高師は2位。3連覇を狙った早大は3位に終わった。
参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
第5回(1924年/大正13年) 五輪代表の明大・八島健三が健脚披露 10区で東京高師を逆転
前年の1923年9月1日に関東大震災が起きた影響で開催が危ぶまれたが、沿線の復興にめどがつき、コースを一部変更して行われた。前回2位の中大は不出場。日本歯科医専が2年ぶりに出場した。 往路は先頭が激しく入れ替わるレースとなる。1区では東農大が林譲二郎の快走でトップ中継を果たすと、2区では早大が先頭に立った。 草創期は長距離選手を10人集めるのに苦戦するチームも少なくなく、専門外の中距離選手やフィールド種目の選手もしばしば借り出された。東農大の2区を走った棚橋源一郎は棒高跳の選手。先頭でタスキをもらって力走するも区間8位と苦戦して6位に順位を落とした。 3区では5位でスタートした明大の高橋釋三郎が区間賞の走りで4人抜き。一気に先頭に立った。明大は4区でも首位をキープしたが、5区で東京高師の栗本義彦が区間賞の走りを見せて明大を逆転。東京高師が2年ぶりに往路優勝を果たした。 6区でも佐藤秀三郎が区間新記録の快走で東京高師が2位明大との差を2分44秒4から13分26秒に広げる。それでも明大は7区の永谷寿一が1人で7分34秒も差を詰める区間新記録の激走で逆転優勝に望みをつないだ。 永谷の走りで勢いに乗った明大はその後も差を詰めて、9区終了時点で東京高師との差を1分余りとする。 明大の10区を任されたのは入学前の小樽中3年の時、1920年アントワープ五輪のマラソンに出場したエースの八島健三。八島は東京高師の畠山勇三を勢いよく追いかけると、鈴ヶ森で追いつきそのまま引き離す。復路で驚異的な追い上げを見せた明大が3年ぶり2回目の優勝を飾った。 最終区で逆転を許した東京高師は2位。3連覇を狙った早大は3位に終わった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)第5回箱根駅伝総合成績をチェック
●総合成績 1位 明大 14時間25分09秒6 2位 東京高師 14時間27分55秒2 3位 早大 14時間35分02秒8 4位 東農大 14時間52分01秒8 5位 慶大 15時間09分11秒1 6位 法大 15時間13分50秒6 7位 東大農学実科 15時間49分17秒4 8位 日本歯科医専 16時間09分34秒0 9位 日大 16時間15分57秒8 ●区間賞 1区 林譲二郎(東農大) 1時間22分44秒 2区 岡田英夫(慶大) 1時間17分17秒 3区 高橋釋三郎(明大) 1時間22分31秒 4区 不明 5区 栗本義彦(東京高師) 1時間47分04秒2 6区 佐藤秀三郎(東京高師) 1時間26分09秒 7区 永谷寿一(明大) 1時間15分35秒 8区 不明 9区 不明 10区 八島健三(明大) 1時間18分43秒
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.02.22
石井優吉がショートトラック800m1分46秒41の日本新!
2025.02.22
JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン
-
2025.02.22
-
2025.02.22
-
2025.02.22
-
2025.02.21
2025.02.17
日本郵政グループ女子陸上部 「駅伝日本一」へのチームづくりとコンディショニング
2025.02.16
男子は須磨学園が逆転勝ち! 女子は全国Vの長野東が強さ見せる/西脇多可高校新人駅伝
-
2025.02.22
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.16
2025.02.02
【大会結果】第77回香川丸亀国際ハーフマラソン(2025年2月2日)
2025.02.02
大迫傑は1時間1分28秒でフィニッシュ 3月2日の東京マラソンに出場予定/丸亀ハーフ
-
2025.02.14
-
2025.02.09
-
2025.02.02
-
2025.01.26
-
2025.01.31
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.02.23
「ラストはいい切れ味」三浦龍司が納得の優勝 2位井川龍人も5000m12分台へ手応え/日本選手権クロカン
◇第108回日本選手権クロスカントリー(2月22日/福岡・海の中道海浜公園) 26年1月の世界クロスカントリー選手権(米国・タラハシー)の代表選考を兼ねた第108回日本陸上競技選手権大会クロスカントリーが2月22日、福岡 […]
2025.02.22
石井優吉がショートトラック800m1分46秒41の日本新!
2月21日、米国ペンシルベニア州カレッジステーションでペンシルベニア州立大の学内学内競技会が同校の室内競技場(1周200m)で行われ、男子800mで石井優吉(ペンシルベニア州立大)が1分46秒41のショートラック日本記録 […]
2025.02.22
JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン
◇大阪マラソン2025(2月24日/大阪・大阪府庁前スタート・大阪城公園フィニッシュ) 大阪マラソンの主催者は2月22日、招待選手の西山雄介(トヨタ自動車)がコンディション不良により欠場することを発表した。 西山は22年 […]
2025.02.22
【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(花園高3) 61m59=一般規格高校歴代2位
2月22日、京都市の京産大総合グラウンド競技場で第11回京都陸協記録会が行われ、一般規格の男子ハンマー投でアツオビン・アンドリュウ(花園高3京都)が高校歴代2位となる61m59をマークした。 アツオビンは昨年のU20日本 […]
2025.02.22
円盤投・堤雄司が自己2番目の61m76でV 女子100mH青木益未は13秒04 福田翔太、郡菜々佳も優勝/WAコンチネンタルツアー
世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ブロンズラベルのインターナショナル・トラック・ミート2025が2月22日、ニュージーランドのクライストチャーチで行われ、男子円盤投で堤雄司(ALSOK群馬)が61m76のセカンドベス […]
Latest Issue
最新号

2025年3月号 (2月14日発売)
別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝