2023.12.15
高機能のパフォーマンスシューズ
スケッチャーズは、1992年にアメリカ・ロサンゼルスで生まれたシューズブランド。誕生から約30年でアメリカ第2位のシェアを獲得するまでに成長している。主にカジュアルシューズを中心に人気が高まっているが、実はスポーツ向けのパフォーマンスシューズも展開。ランニングシューズはトップランナーにも徐々に浸透している。日本でもスケッチャーズのランニングシューズ「Go Run」シリーズを愛用しているアスリートがおり、実業団陸上チーム「富士山の銘水」所属の竹内颯もその1人。竹内は高校までは甲子園を目指して野球一筋ながら、助っ人で出場した駅伝をきっかけに陸上の世界に飛び込んだ異色の経歴の持ち主。2021、22年と5000mで日本選手権に出場し、ニューイヤー駅伝出場経験もある彼がなぜスケッチャーズのシューズに足を通すことになったのか。その魅力を聞いた。
「HYPER BURST ICE」を搭載した2モデル
竹内がシューズ選びの際に最も重視しているのがフィット感。その点において、「かかとがフィットしていないと、走っていて足がすれてマメや水ぶくれができてしまったり、緩くて足が遊んでしまう現象が起きてしまうんですけど、スケッチャーズはそれがなくて故障が少なくなりましたね」と竹内。
さらに、「クッション感が柔らかすぎず、硬すぎず、沈み込みが少ないので、僕みたいなピッチで走る人には合っていると思います」ときっぱり。そんな要望に応えてくれる機能がスケッチャーズには盛り込まれているようだ。
スケッチャーズのパフォーマンスランニングシューズのラインナップの中でも、ミッドソールの厚みが41㎜とボリューム感が際立つのが、『GO RUN Max Road 6™(ゴーラン マックスロード 6)』。液化窒素ガスを注入し臨界発泡させることによって、軽量かつ高反発を実現させた2層構造のミッドソール「HYPER BURST ICE™(ハイパーバースト アイス)」を採用。独自のカーボンプレート「H-Plate」はその名の通り、アルファベットの「H」のような形状で、推進力に加えて、横へのブレを抑える役割があり、安定性を高めている。
「スケッチャーズのなかで一番分厚いシューズになっていて、走っている時のダメージが少ない印象です。とにかくクッションが気持ち良くて、ライド感もすごく良くなっています」と感じているようだ。
同ブランドには、同様の機能を採用している、『GO RUN Ride 11™(ゴーラン ライド 11)』もラインナップされている。ドロップ(シューズのかかととつま先の厚みの差)はともに6㎜でクッション性も高いシューズだが、ミッドソールの厚みは、『Ride 11』が38㎜とやや薄めに設計されており、竹内も2つのモデルを使い分けていると話す。
「用途としては比較的似ていますが、Max Road 6はよりゆっくり長く走る時に履きます。一方、Ride 11の方が軽くなっているので、ペースもコントロールしやすく、普段のジョグとかで使いやすいなと感じています。フィット感も足に吸い付く感じがして気に入っています。今は一番履いていますね」
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「GO RUN Max Road 6」はクッション性、ライド感もすごく良く、「GO RUN Ride 11」(写真)は軽量でペースもコントロールしやすい。ジョグの時はこの2つのモデルを使い分けている
さらにどちらもアウトソールの素材は、グリップ性抜群の「Goodyear®Performance Outsoles(グッドイヤー パフォーマンス アウトソール)」(以下、Goodyear)を採用しており、「接地して蹴った時に滑らずにしっかり蹴れる感覚があります。雨の日でも安心感がある」というのも特徴の1つ。どちらも、「これからランニングを始める人ももちろんですし、アスリートでも使ってほしいですね」と幅広い層にマッチするシューズだと強調する。
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スケッチャーズの「GO RUN」シリーズGoodyear®Performancアウトソールを搭載し、トラクション性、安定性、耐久性を強化
ポイント練習で愛用する軽量の「GO RUN Arch Fit Razor 4」
「簡単に言うと汎用性が高くて、どんな場面でも使いやすいシューズだと思います」
竹内がそう話すのが、『GO RUN™ Arch Fit™ Razor 4(ゴー ラン アーチフィット レイザー 4)』。ミッドソールは今作から新たに超軽量の「HYPER BURST PRO™(ハイパーバーストプロ)」を採用。球状の気泡を固めてミッドソールを作るスーパークリティカル製法によって、軽量性を実現。
現在、メイン練習では竹内が最も使用しているモデルで、「普段のジョグでも使えなくはないですが、それよりもペース走や、30km走をやる時に履いています。どちらかというと速いペースでのメイントレーニングに使いやすいシューズですね」と言う。
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「GO RUN Arch Fit Razor 4」は軽量で接地感もあり、メイン練習でよく使用している
重量は前作よりも増したが、耐久性は大幅に向上。竹内も「今までにないクッション性となっていますし、耐久性が非常に高くなったなと感じます。30km走を数回やっても、前のモデルよりもへたりが少なくて、そのあたりも進化したなって感じます。非常に優れているシューズだと思います」と感じている。
同モデルは市民ランナーにとっては、スケッチャーズのラインナップの中でも、レーシング寄りのモデルに分類され、フルマラソンで3時間から3時間30分くらいを目指すランナーにも使いやすそうだ。
「1km4分から4分30秒くらいのスピードが一番走りやすいなと感じていますので、フルマラソンのレース用としても非常に使いやすいと思います」
こちらのモデルもGoodyear®のアウトソールでグリップ性は担保。ペース走やインターバル、そして距離走など、ペース感覚を意識するシーンで活躍しそうな一足だ。
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「GO RUN Arch Fit Razor 4」はクッション性と耐久性が非常に優れていて、ジョグやフルマラソンなど、あらゆるシーンで便利な一足
日常使いに最適なクッショニングシューズ キーワードは「スリップイン」
竹内はトレーニング以外の日常でも同ブランドのシューズを愛用している。それが、「ハンズフリーで履ける」という革新的技術を搭載した『スリップインズ®:マックスクッショニング プレミア』だ。
コンセプト通り、手を使わずに自然と足を入れることができる履きやすさで話題を集めているシューズで、竹内も「最初に聞いた時は半信半疑だったんですけど、本当に手を使わずスポッと履けたので感動しました」と話す。
さらにミッドソールはクッション性の高い「ULTRA GO™(ウルトラゴー)」プラットフォームを採用。「クッションもすごく良くて、合宿とかで長時間移動する時でも、履いていて疲れないのが良いですね」とランニングシューズを履かない日常のシーンで足の疲労を抑えてくれるパートナーとして愛用しているという。
「普段はスラックス系のパンツを履くことが多いので、カラーもブラックを重宝していますが、ホワイトのカラーも好きで、日によって使い分けています。これらはランナーにも履いてほしいですし、一般の方でも履きやすくておすすめのシューズだと思います」
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ハンズフリースリップインズ®シリーズは靴べらのようなかかとで立ったままでも座ったままでも手を使わずにスッと履ける、画期的なシューズ。ランニングシューズを履かない日常のシーンで足の疲労を抑えてくれるパートナーとして愛用している
野球一筋から一転、陸上の世界へ 新天地でニューイヤー駅伝進出に貢献
スケッチャーズを履き始めた当初、インターネットなどから情報を調べ、アメリカからシューズを取り寄せていたという竹内。シューズ選びも型破りながら、その経歴を極めて異色なものだ。
大阪府出身で小学校から兄の影響で野球を始め、中学時代には複数の高校から勧誘があった中、センバツ出場経験もある岡山・興譲館に推薦で進学するほど、野球一筋だった竹内。だが、高校3年の夏の選手権敗退後の秋に陸上部の助っ人で出場した県高校駅伝で人生が大きく転機を迎える。
「兄に負けないように野球のトレーニングで毎朝10kmぐらい走って鍛えていました。中学時代から1500mを4分18秒で走っていたのですが、高校では体力測定で3分55秒くらいまでタイムを縮められました。駅伝は誘われて出たんですが、3区を区間2位で走れて、意外と通用するなと思うようになりました」
その後、大学や実業団からの勧誘もあり、「陸上の世界で勝負してみたいと思うようになった」と考え、NTNへ入社。「最初は陸上のことが何もわからなくて、練習について行くのもやっとだった」と振り返るが、2015、16年と全日本実業団選手権ジュニア1500mを連覇。2019年に中央発條に移籍すると、2021年には5000mで13分31秒73をマークし、日本選手権に出場も果たした。
2023年春には、山梨県初の実業団チームとして2022年に発足した富士山の銘水へ加入。創部2年目で11月3日に行われた東日本実業団駅伝に初めて挑み、竹内も5区(7.8km)を担当。チームは11位に入り、元日に行われるニューイヤー駅伝への初出場を決める快挙を達成している。
「練習環境も良く、ここで強くなって、富士山の銘水というチームもさらにアピールしていきたい」と言って目を輝かせた。
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所属する「富士山の銘水」は創部2年目でニューイヤー駅伝出場を決めた。竹内(前列右から5人目)は東日本予選では5区を担当
※この記事は『月刊陸上競技』2024年1月号に掲載しています
文/田中 葵、撮影/船越陽一郎
高機能のパフォーマンスシューズ
スケッチャーズは、1992年にアメリカ・ロサンゼルスで生まれたシューズブランド。誕生から約30年でアメリカ第2位のシェアを獲得するまでに成長している。主にカジュアルシューズを中心に人気が高まっているが、実はスポーツ向けのパフォーマンスシューズも展開。ランニングシューズはトップランナーにも徐々に浸透している。日本でもスケッチャーズのランニングシューズ「Go Run」シリーズを愛用しているアスリートがおり、実業団陸上チーム「富士山の銘水」所属の竹内颯もその1人。竹内は高校までは甲子園を目指して野球一筋ながら、助っ人で出場した駅伝をきっかけに陸上の世界に飛び込んだ異色の経歴の持ち主。2021、22年と5000mで日本選手権に出場し、ニューイヤー駅伝出場経験もある彼がなぜスケッチャーズのシューズに足を通すことになったのか。その魅力を聞いた。「HYPER BURST ICE」を搭載した2モデル
竹内がシューズ選びの際に最も重視しているのがフィット感。その点において、「かかとがフィットしていないと、走っていて足がすれてマメや水ぶくれができてしまったり、緩くて足が遊んでしまう現象が起きてしまうんですけど、スケッチャーズはそれがなくて故障が少なくなりましたね」と竹内。 さらに、「クッション感が柔らかすぎず、硬すぎず、沈み込みが少ないので、僕みたいなピッチで走る人には合っていると思います」ときっぱり。そんな要望に応えてくれる機能がスケッチャーズには盛り込まれているようだ。 スケッチャーズのパフォーマンスランニングシューズのラインナップの中でも、ミッドソールの厚みが41㎜とボリューム感が際立つのが、『GO RUN Max Road 6™(ゴーラン マックスロード 6)』。液化窒素ガスを注入し臨界発泡させることによって、軽量かつ高反発を実現させた2層構造のミッドソール「HYPER BURST ICE™(ハイパーバースト アイス)」を採用。独自のカーボンプレート「H-Plate」はその名の通り、アルファベットの「H」のような形状で、推進力に加えて、横へのブレを抑える役割があり、安定性を高めている。 「スケッチャーズのなかで一番分厚いシューズになっていて、走っている時のダメージが少ない印象です。とにかくクッションが気持ち良くて、ライド感もすごく良くなっています」と感じているようだ。
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ポイント練習で愛用する軽量の「GO RUN Arch Fit Razor 4」
「簡単に言うと汎用性が高くて、どんな場面でも使いやすいシューズだと思います」 竹内がそう話すのが、『GO RUN™ Arch Fit™ Razor 4(ゴー ラン アーチフィット レイザー 4)』。ミッドソールは今作から新たに超軽量の「HYPER BURST PRO™(ハイパーバーストプロ)」を採用。球状の気泡を固めてミッドソールを作るスーパークリティカル製法によって、軽量性を実現。
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日常使いに最適なクッショニングシューズ キーワードは「スリップイン」
竹内はトレーニング以外の日常でも同ブランドのシューズを愛用している。それが、「ハンズフリーで履ける」という革新的技術を搭載した『スリップインズ®:マックスクッショニング プレミア』だ。 コンセプト通り、手を使わずに自然と足を入れることができる履きやすさで話題を集めているシューズで、竹内も「最初に聞いた時は半信半疑だったんですけど、本当に手を使わずスポッと履けたので感動しました」と話す。
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野球一筋から一転、陸上の世界へ 新天地でニューイヤー駅伝進出に貢献
スケッチャーズを履き始めた当初、インターネットなどから情報を調べ、アメリカからシューズを取り寄せていたという竹内。シューズ選びも型破りながら、その経歴を極めて異色なものだ。 大阪府出身で小学校から兄の影響で野球を始め、中学時代には複数の高校から勧誘があった中、センバツ出場経験もある岡山・興譲館に推薦で進学するほど、野球一筋だった竹内。だが、高校3年の夏の選手権敗退後の秋に陸上部の助っ人で出場した県高校駅伝で人生が大きく転機を迎える。 「兄に負けないように野球のトレーニングで毎朝10kmぐらい走って鍛えていました。中学時代から1500mを4分18秒で走っていたのですが、高校では体力測定で3分55秒くらいまでタイムを縮められました。駅伝は誘われて出たんですが、3区を区間2位で走れて、意外と通用するなと思うようになりました」 その後、大学や実業団からの勧誘もあり、「陸上の世界で勝負してみたいと思うようになった」と考え、NTNへ入社。「最初は陸上のことが何もわからなくて、練習について行くのもやっとだった」と振り返るが、2015、16年と全日本実業団選手権ジュニア1500mを連覇。2019年に中央発條に移籍すると、2021年には5000mで13分31秒73をマークし、日本選手権に出場も果たした。 2023年春には、山梨県初の実業団チームとして2022年に発足した富士山の銘水へ加入。創部2年目で11月3日に行われた東日本実業団駅伝に初めて挑み、竹内も5区(7.8km)を担当。チームは11位に入り、元日に行われるニューイヤー駅伝への初出場を決める快挙を達成している。 「練習環境も良く、ここで強くなって、富士山の銘水というチームもさらにアピールしていきたい」と言って目を輝かせた。 [caption id="attachment_121418" align="alignnone" width="800"]
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2025年3月号 (2月14日発売)
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