【PR】藤原 新が語る
メディフォームの「アクティブリカバリー」/誌面転載
新旧さまざまなブランドがしのぎを削るランニングシューズ業界において、〝リカバリー〟という独自の着眼点でシューズを開発・発表しているMEDIFOAM(メディフォーム)。この9月には新カテゴリーも加わり、ラインナップがさらに充実している。
今回はブランド発足当初の2017 年からシューズ開発に携わり、翌年9月からブランドアドバイザーを務める2012年ロンドン五輪男子マラソン代表の藤原新さん(スズキアスリート男子マラソンヘッドコーチ)にインタビュー。メディフォームのシューズや、この秋の新作「RUNNERS HI(ランナーズハイ)2」について語ってもらった。
シューズからトレーニングまで、独自のランニング理論を語った藤原新さん(スズキアスリートクラブ男子マラソンヘッドコーチ)。MEDIFOAM(メディフォーム)の新作「RUNNERS HI(ランナーズハイ)2」とともに
独自のミッドソールを搭載
「バネを同調させる感覚が持てる」
株式会社アキレスが2017年3月から展開しているMEDIFOAM(メディフォーム)は、「走るリカバリーシューズ」をコンセプトにしている。ランニングブームによって新たに走り始める人が増えた一方で、その多くが膝や腰を痛めてランニングをやめていることから、同社は「リカバリー」に着目してソール素材を開発。こうして一般的なソール素材であるEVAよりも優れている「MEDIFOAMミッドソール」が誕生し、製品が完成した。
現在メディフォームとアドバイザリー契約を結び、スズキアスリートクラブ男子マラソンヘッドコーチを務める藤原新さん(2012年ロンドン五輪代表)はメディフォームの特徴をこう語る。
「最初に履いた時は『反発はすごいけど硬いな』と感じました。あとはフィッティングが気になったので、このあたりのバランスをアドバイスさせていただきました。今は、速く走れるシューズでも走り方(フォーム)が変わってしまうものもあります。単に速く走るのが目的であればそれでもいいかもしれませんが、特に練習では速く走ることがすべてではありません。メディフォームはクッションに粘り気があり、走りのタイミングというか、バネとシューズを同調させる感覚が持てるシューズ。こういったコンセプトのブランド、シューズは大事だと思います」
藤原さんは2008年頃から足首の慢性的な痛みを抱えながら競技を続けてきた。継続した練習ができないことも多く、現在はコーチ業をメインとしている。ただ、走ることを完全にやめたわけではなく、そういう状態の中で欠かせないのがメディフォームのシューズだという。
「私は足首の腱が切れてしまっているので、手術をしても完治するかはわかりません。継続して走ると足が持たないという感じです。でも、メディフォームは安定感があって、プロネーション(着地時の踵の傾き)も気になる私には合っています。特に、スピードを出す時には『MELOS(メロス)』だと調子がいいんです。どう良いのか説明は難しいですが、足首の痛みが出にくくて走りやすいので、こればかり履いてます」
メロスはメディフォームのパフォーマンスリカバリーの1つ。こちらも独自のミッドソール素材を採用しており、1km4分ペースで走った時にはふくらはぎの筋活動量が軽減されることが実験で明らかになっている。
2年の歳月をかけて開発
「RUNNERS HI(ランナーズハイ)2」
メディフォームのシューズは目的別に「ベーシックリカバリー」「パフォーマンスリカバリー」とカテゴリーが分けられている。この9月にはそこへ「アクティブリカバリー」が加わり、〝3本柱〟となった。
ベーシックリカバリーはビギナーからマラソン4時間台まで、アクティブリカバリーは4時間切りから3時間半までと、比較的ゆっくり走るランナーに向けたシリーズ。それに対してパフォーマンスリカバリーはマラソン3時間半から2時間台と、上級者の使用を想定している。
今回新たに加わった「アクティブリカバリー」ラインナップでは、約2年をかけて開発した「RUNNERS HI(ランナーズハイ)2」が登場。最大の特徴はミッドソールが改良されたことで、独自のポリウレタン素材の配合を従来のものから変更し、クッション性と軽量性がさらにアップデートされている。既存モデルと比べても手に取ってすぐ感じられる柔らかさがあり、藤原さんも納得の仕上がりになっている。
「シューズはバランスの良さを大事にしています。この『RUNNERS HI 2』はソールが従来よりも柔らかくなっているので、アスファルトを走った時の気持ち良さがあります。ただ柔らかければいい、というわけではないのですが、ベーシックリカバリーはトップ選手の感覚を重視してあえて硬めに設定してある分、こちらはベストバランスに近づいたと感じます」
フィット性も向上しており、藤原さんもその点を評価する。
「RUNNERS HI 2」は前作よりもフィット性が向上。ポリウレタンの配合を変えたことでソールも柔らかくなり、「ベストバランスに近づいている」と藤原さん
「個人的には足の甲をピタッと抑えてくれるところを特に重視します。そこが良ければ、踵やつま先側は多少余裕があっても大丈夫です。それと、スピードを出せるシューズかどうかは軽さよりもフィット感が重要なので、使い勝手はいいと思います。それは足を入れた瞬間に感じることができました」
「練習強度を落としたい日のジョグに」
藤原さんは「RUNNERS HI 2」の用途として「基本はジョグ用」と前置きしつつも、もう少し幅広いシーンでの使用も可能だと考えている。
「練習強度を落としたい日のジョグや、1km5分から6分くらいでゆっくり走るランナーにお薦めです。ただ、スピードもまったく出せないわけではありません。1km4分とか3分45秒くらいのペースでも全然走れますし、流し(ウィンドスプリント)で使っても問題ありません。もちろん、シューズは用途に合わせて履き分けが必要だと考えていて、多少重さもあるのでスピード練習でこの靴を積極的に履くことはありませんが、万人受けするモデルだと思います」
現役時代は実業団を辞めてプロランナーとして活動し、一時はケニアを拠点にトレーニングをするなど独自の活動をして世界と戦ってきた藤原さん。指導者となった今、そういった経験をどのように落とし込もうとしているのだろうか。
「理想としては『生活と走ることを一体化させる』ということです。これは陸上にすべてを捧げて何かを制限するとかではなく、走るための環境を自分で作り上げるという意味です。いろいろな考え方があると思いますが、自分なりに環境そのものを変えていくことは大事で、それができるようになると長い目で見た時にタフさが出てくると思います」
2012年の東京マラソンで2時間7分48秒の自己新をマークし、同年のロンドン五輪代表を勝ち取った藤原さん。それを含めてマラソンでの〝サブテン(2時間10分切り)〟は5回を数えるが、一方で失速するレースも多かった。その要因を藤原さんは「フォームです」と言い切り、試行錯誤の末に導き出した独自の理論を明かした。
「フォームに関しては高校時代から意識してきて、ずっと試行錯誤してきました。私の場合は『脇腹』を意識して2軸で走ります。脚を引き上げる時は腸腰筋で動かすのが一般的ですが、私は脇腹をねじって、脇腹で脚を引っ張り上げるようなイメージです。そのほうが横方向の力が加わって強い力が出せる感覚がありました」
フォームに関しては感覚的な部分も大きいと感じており、藤原さん自身の考えををどう指導に取り入れていくかは模索を続けている。
「それぞれに理想のフォームはあると思いますが、それを的確に言葉で表現するのは難しいですね。たとえ言葉で表現できても再現できないでしょうから、どれだけ走りの中で理解できるかです。良いフォームで走れている時に、それを頭で理解できればベスト。走る中で納得して再現できるかが大事です。どこを意識するかは人それぞれですが、感覚をつかむための下地はフィジカルトレーニング的な要因が大きいので、そこへのアプローチは考えています」
走ることが生活の一部になれば「それが楽しさにもつながるはず」と藤原さん。長距離のトレーニングで最も頻度が高いジョギングに適した「RUNNERS HI 2」は、アスリートの〝成長〟を支える存在になりそうだ。
文/田中 葵
※この記事は『月刊陸上競技』2020年10月号に掲載しています
MEDIFOAMの分解図(モデルはRUNNERS HI 2)
「MEDIFOAM」とはMedical(医療の)とFoam(発泡体)を組み合わせた造語で、衝撃吸収性、反発弾性、耐久性に優れた特性を持つ、アキレスが自社開発したポリウレタン素材のこと。それがブランド名となって2017年から展開されている。
同社の実験データでは、一般的なソール素材であるEVAに比べると衝撃吸収率が約10%、反発弾性が約50%向上し、耐久性はベーシック・パフォーマンスリカバリーが約3倍、アクティブリカバリーは約2倍に。これをミッドソールに採用することでランニングで痛めがちな脚、膝、腰などに過剰な負担をかけずに走れるようになっている。
RUNNERS HI 2(レインボー)
RUNNERS HI 2(ネイビー)
RUNNERS HI 2(パープル)
RUNNERS HI 2(オーロラ)
※オーロラ以外の3色はゼビオグループ先行発売
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メディフォームのシューズは目的別に「ベーシックリカバリー」「パフォーマンスリカバリー」とカテゴリーが分けられている。この9月にはそこへ「アクティブリカバリー」が加わり、〝3本柱〟となった。 ベーシックリカバリーはビギナーからマラソン4時間台まで、アクティブリカバリーは4時間切りから3時間半までと、比較的ゆっくり走るランナーに向けたシリーズ。それに対してパフォーマンスリカバリーはマラソン3時間半から2時間台と、上級者の使用を想定している。 今回新たに加わった「アクティブリカバリー」ラインナップでは、約2年をかけて開発した「RUNNERS HI(ランナーズハイ)2」が登場。最大の特徴はミッドソールが改良されたことで、独自のポリウレタン素材の配合を従来のものから変更し、クッション性と軽量性がさらにアップデートされている。既存モデルと比べても手に取ってすぐ感じられる柔らかさがあり、藤原さんも納得の仕上がりになっている。 「シューズはバランスの良さを大事にしています。この『RUNNERS HI 2』はソールが従来よりも柔らかくなっているので、アスファルトを走った時の気持ち良さがあります。ただ柔らかければいい、というわけではないのですが、ベーシックリカバリーはトップ選手の感覚を重視してあえて硬めに設定してある分、こちらはベストバランスに近づいたと感じます」 フィット性も向上しており、藤原さんもその点を評価する。 「RUNNERS HI 2」は前作よりもフィット性が向上。ポリウレタンの配合を変えたことでソールも柔らかくなり、「ベストバランスに近づいている」と藤原さん 「個人的には足の甲をピタッと抑えてくれるところを特に重視します。そこが良ければ、踵やつま先側は多少余裕があっても大丈夫です。それと、スピードを出せるシューズかどうかは軽さよりもフィット感が重要なので、使い勝手はいいと思います。それは足を入れた瞬間に感じることができました」「練習強度を落としたい日のジョグに」
藤原さんは「RUNNERS HI 2」の用途として「基本はジョグ用」と前置きしつつも、もう少し幅広いシーンでの使用も可能だと考えている。 「練習強度を落としたい日のジョグや、1km5分から6分くらいでゆっくり走るランナーにお薦めです。ただ、スピードもまったく出せないわけではありません。1km4分とか3分45秒くらいのペースでも全然走れますし、流し(ウィンドスプリント)で使っても問題ありません。もちろん、シューズは用途に合わせて履き分けが必要だと考えていて、多少重さもあるのでスピード練習でこの靴を積極的に履くことはありませんが、万人受けするモデルだと思います」 現役時代は実業団を辞めてプロランナーとして活動し、一時はケニアを拠点にトレーニングをするなど独自の活動をして世界と戦ってきた藤原さん。指導者となった今、そういった経験をどのように落とし込もうとしているのだろうか。 「理想としては『生活と走ることを一体化させる』ということです。これは陸上にすべてを捧げて何かを制限するとかではなく、走るための環境を自分で作り上げるという意味です。いろいろな考え方があると思いますが、自分なりに環境そのものを変えていくことは大事で、それができるようになると長い目で見た時にタフさが出てくると思います」 2012年の東京マラソンで2時間7分48秒の自己新をマークし、同年のロンドン五輪代表を勝ち取った藤原さん。それを含めてマラソンでの〝サブテン(2時間10分切り)〟は5回を数えるが、一方で失速するレースも多かった。その要因を藤原さんは「フォームです」と言い切り、試行錯誤の末に導き出した独自の理論を明かした。 「フォームに関しては高校時代から意識してきて、ずっと試行錯誤してきました。私の場合は『脇腹』を意識して2軸で走ります。脚を引き上げる時は腸腰筋で動かすのが一般的ですが、私は脇腹をねじって、脇腹で脚を引っ張り上げるようなイメージです。そのほうが横方向の力が加わって強い力が出せる感覚がありました」 フォームに関しては感覚的な部分も大きいと感じており、藤原さん自身の考えををどう指導に取り入れていくかは模索を続けている。 「それぞれに理想のフォームはあると思いますが、それを的確に言葉で表現するのは難しいですね。たとえ言葉で表現できても再現できないでしょうから、どれだけ走りの中で理解できるかです。良いフォームで走れている時に、それを頭で理解できればベスト。走る中で納得して再現できるかが大事です。どこを意識するかは人それぞれですが、感覚をつかむための下地はフィジカルトレーニング的な要因が大きいので、そこへのアプローチは考えています」 走ることが生活の一部になれば「それが楽しさにもつながるはず」と藤原さん。長距離のトレーニングで最も頻度が高いジョギングに適した「RUNNERS HI 2」は、アスリートの〝成長〟を支える存在になりそうだ。 文/田中 葵 ※この記事は『月刊陸上競技』2020年10月号に掲載していますMEDIFOAMの分解図(モデルはRUNNERS HI 2)
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