2023.11.04
男子短距離の谷口耕太郎(凸版印刷)が現役を引退したことを自身のSNSで表明した。
谷口は1994年生まれ。11月3日で29歳になった。中2で野球から陸上に転向。中3時には全中200mで8位、ジュニア五輪6位と全国クラスで活躍した。神奈川・弥栄高3年時の新潟インターハイでは、同学年の大瀨戸一馬(小倉東高)、橋元晃志(川薩清修館高)、1学年下の桐生祥秀(洛南高)らとしのぎを削り、200mで21秒10の自己ベストを出して3位に入った。
2013年、中大に進学してすぐに関東インカレ4×100mリレーで優勝に貢献。個人はもちろん、リレーで大きな存在感を放っていく。7月に200mで当時U20日本歴代7位タイの20秒63をマーク。翌年には20秒45(当時・学生歴代10位)の好記録を叩き出す。日本インカレ4×100mリレーで初の全国タイトルを手にした。
3年時には世界リレー4×100mリレーで日本代表入り。大瀨戸、桐生、藤光謙司とバトンをつないで3位。北京世界選手権の出場権獲得に貢献いた。日本は世界大会において2008年北京五輪以来の表彰台だった。6月のアジア選手権では200mで代表入りして4位。7月のユニバーシアード4×100mリレーではアンカーを務め、大瀨戸、長田拓也、諏方達郎、谷口のオーダーで12年ぶりの金メダルを獲得した。
北京世界選手権でもリレー代表入りしている。同年の日本陸連アスレティックス・アワードでは優秀選手賞を受賞した。4年時は日本選手権200mで7位。4×100mリレーでは日本インカレを3度走り一度も負けないなど、『リレーの中大』の中心としてチームを牽引した。
17年に凸版印刷に入社。アジア選手権2大会連続代表入りして6位。2020年9月の練習中に左アキレス腱を断裂し、懸命にリハビリに励んで21年にレースに復帰したが本来の走りを取り戻すことはできなかった。今年5月の東日本実業団対抗100mが現役ラストランとなった。
自身のSNSで「勝てない人生」と題して思いを吐露。本人が「中学2年から陸上競技を始めて世界大会にも出場してきた。でも、一度も1位を取ったことがない」と綴ったように個人のタイトルとは不思議と縁がなかったが、それでもリレーでは絶大な信頼を得る走りは出色だった。復帰までの過程での葛藤を明かしつつ、「勝つことよりも、その道に挑戦し続けることの方が重要」だと思ったという。現在は社業に専念しており、誕生日だった11月3日に引退を表明した。
谷口は「勝てなかったが、良い陸上人生だった。支えてくださったすべての方への感謝と、競技を離れてもがきながらも頑張ってこられた経験を胸に、今日からまた頑張っていこうと思う」と感謝の言葉を綴っている。自己ベストは100m10秒37、200m20秒45。
100mの高校記録が18年ぶりに塗り替えられるなど、個性豊かなスプリンターがそろった1994年度生まれにあって、谷口もまた確かな存在感を放った忘れがたきスプリンターだった。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.17
不破聖衣来が香港で10kmレースに出場 9位でフィニッシュ
2024.11.20
【箱根駅伝2025名鑑】早稲田大学
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.16
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.01
吉田圭太が住友電工を退部 「充実した陸上人生を歩んでいきたい」競技は継続
2024.11.07
アシックスから軽量で反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST 5」が登場!
-
2024.10.27
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]
2024.11.20
M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」
神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]
2024.11.20
第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑
・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会