HOME 高校

2023.10.29

薫英女学院が1時間9分35秒で18年連続優勝! 男子は関大北陽がエース・七枝直の力走で4年ぶり8回目のV/大阪府高校駅伝
薫英女学院が1時間9分35秒で18年連続優勝! 男子は関大北陽がエース・七枝直の力走で4年ぶり8回目のV/大阪府高校駅伝

23年大阪府高校駅伝で優勝した女子の薫英女学院(小田美月)と男子の関大北陽(大濵優輝)

全国高校駅伝(12月24日/京都)の出場権を懸けた大阪府高校駅伝が10月28日、ヤンマースタジアム長居を発着点とする長居公園周回コースで行われ、女子(5区間21.0975km)は薫英女学院が1区から1度も先頭を許らず1時間9分35秒で18連覇を達成。男子(7区間42.195km)は3連覇を狙った清風を5区で逆転した関大北陽が2時間9分33秒で4年ぶり8度目の頂点に立った。

31校が出場した女子は、1区(6km)の終盤で薫英女学院の2年生エース・塚本夕藍が抜け出し流れをつかむと、4区まで連続区間賞と危なげない走りで後続との差を広げ快勝。「1、2年中心の若いチームだけあり、不安もありましたが現時点でのベストオーダーで臨むことができました。1区で主導権を握れたことが大きかったですね」と安田功監督もホッと胸をなで下ろす。

これまで大阪府内では圧倒的な強さを誇っていたが、インターハイ路線を軸にトラックでは前回2位の東大阪大敬愛が力を付けてきており、今回は接戦も予想されたなかでのレース。それでも、「敬愛が強いのはわかっていましたが、私たちも秋以降、チーム状態も上がり勢いがあったので自信を持って臨むことができた」と3年生としてただ一人メンバー入りし、4区(3km)で区間賞(9分45秒)を獲得した向井友希は話す。

その言葉通り、序盤でリードを広げ全国切符を手にした。ただ、1区の塚本は「1時間8分台を狙っていたので満足のいく結果ではありません。私も水本先輩(佳菜/現・エディオン)のタイム(19分17秒)より30秒遅かったです」と悔しさを口にし、「ここからチーム全体でもう一段階底上げして、都大路では優勝争いができるように仕上げていきたいです」と気を引き締める。「何が起こるか分からないのが駅伝。昨年は力が入り過ぎ故障者を出してしまった。今年は駅伝に向けじっくりチームを作ってきた。府大会でしっかり勝ち切れたのは良かった」と安田監督は話す。昨年の都大路1区で区間賞を獲得した水本のような絶対的エースは不在なものの、伝統の総合力は健在。若い力で都大路でも旋風を巻き起こすつもりだ。

一方、薫英女学院に挑んだ東大阪大敬愛は1区で想定以上に遅れ、1分11秒差の2位。「2区の北村(凛・2年)が直前で故障し、ギリギリ間に合ったという状況で本来のオーダーを組むことができなかった」と野口雅嗣監督。5区(5区)でインターハイ800m優勝の久保凛(1年)が区間賞(16分23秒)を獲得して一矢報いたものの、薫英女学院の壁は高かった。北村の故障はあったが、チーム状態は上昇してきていると言い、「近畿大会でしっかり切符をつかみたい」と巻き返しを誓った。

40校が参加した男子は、関大北陽が1区(10km)で先頭から53秒差の6位と出遅れたものの、4区(8.0875Km)で5000m13分52秒18のベストを持つ七枝直(3年)が区間賞(24分41秒)の力走。トップまで8秒差と詰め寄ると5区(3km)の田畑里空(1年)が先頭の清風を逆転。七枝は「自分のところで流れを変えるつもりで走りました」とエースの使命を果たす走りで流れを引き寄せ、4年ぶりの栄冠をつかんだ。

広告の下にコンテンツが続きます

全国大会は12月24日、京都市のたけびしスタジアム京都を発着点に行われる。記念大会となる女子は都道府県代表に加え、地区代表も出場する。

文/花木 雫

全国高校駅伝(12月24日/京都)の出場権を懸けた大阪府高校駅伝が10月28日、ヤンマースタジアム長居を発着点とする長居公園周回コースで行われ、女子(5区間21.0975km)は薫英女学院が1区から1度も先頭を許らず1時間9分35秒で18連覇を達成。男子(7区間42.195km)は3連覇を狙った清風を5区で逆転した関大北陽が2時間9分33秒で4年ぶり8度目の頂点に立った。 31校が出場した女子は、1区(6km)の終盤で薫英女学院の2年生エース・塚本夕藍が抜け出し流れをつかむと、4区まで連続区間賞と危なげない走りで後続との差を広げ快勝。「1、2年中心の若いチームだけあり、不安もありましたが現時点でのベストオーダーで臨むことができました。1区で主導権を握れたことが大きかったですね」と安田功監督もホッと胸をなで下ろす。 これまで大阪府内では圧倒的な強さを誇っていたが、インターハイ路線を軸にトラックでは前回2位の東大阪大敬愛が力を付けてきており、今回は接戦も予想されたなかでのレース。それでも、「敬愛が強いのはわかっていましたが、私たちも秋以降、チーム状態も上がり勢いがあったので自信を持って臨むことができた」と3年生としてただ一人メンバー入りし、4区(3km)で区間賞(9分45秒)を獲得した向井友希は話す。 その言葉通り、序盤でリードを広げ全国切符を手にした。ただ、1区の塚本は「1時間8分台を狙っていたので満足のいく結果ではありません。私も水本先輩(佳菜/現・エディオン)のタイム(19分17秒)より30秒遅かったです」と悔しさを口にし、「ここからチーム全体でもう一段階底上げして、都大路では優勝争いができるように仕上げていきたいです」と気を引き締める。「何が起こるか分からないのが駅伝。昨年は力が入り過ぎ故障者を出してしまった。今年は駅伝に向けじっくりチームを作ってきた。府大会でしっかり勝ち切れたのは良かった」と安田監督は話す。昨年の都大路1区で区間賞を獲得した水本のような絶対的エースは不在なものの、伝統の総合力は健在。若い力で都大路でも旋風を巻き起こすつもりだ。 一方、薫英女学院に挑んだ東大阪大敬愛は1区で想定以上に遅れ、1分11秒差の2位。「2区の北村(凛・2年)が直前で故障し、ギリギリ間に合ったという状況で本来のオーダーを組むことができなかった」と野口雅嗣監督。5区(5区)でインターハイ800m優勝の久保凛(1年)が区間賞(16分23秒)を獲得して一矢報いたものの、薫英女学院の壁は高かった。北村の故障はあったが、チーム状態は上昇してきていると言い、「近畿大会でしっかり切符をつかみたい」と巻き返しを誓った。 40校が参加した男子は、関大北陽が1区(10km)で先頭から53秒差の6位と出遅れたものの、4区(8.0875Km)で5000m13分52秒18のベストを持つ七枝直(3年)が区間賞(24分41秒)の力走。トップまで8秒差と詰め寄ると5区(3km)の田畑里空(1年)が先頭の清風を逆転。七枝は「自分のところで流れを変えるつもりで走りました」とエースの使命を果たす走りで流れを引き寄せ、4年ぶりの栄冠をつかんだ。 全国大会は12月24日、京都市のたけびしスタジアム京都を発着点に行われる。記念大会となる女子は都道府県代表に加え、地区代表も出場する。 文/花木 雫

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.02.22

【大会結果】第108回日本選手権クロスカントリー(2025年2月22日)

【大会結果】第108回日本選手権クロスカントリー(2025年2月22日/福岡・海の中道海浜公園) ●男子10km 1位 三浦龍司(SUBARU)   28分24秒 2位 井川龍人(旭化成)   28分25秒 3位 塩尻和 […]

NEWS 今年も福岡でクロカン日本一決定戦! 日本選手権&U20日本選手権クロカンに有力選手が多数出場

2025.02.22

今年も福岡でクロカン日本一決定戦! 日本選手権&U20日本選手権クロカンに有力選手が多数出場

第108回日本選手権クロスカントリー、第40回U20日本選手権クロスカントリーは今日2月22日、福岡・海の中道海浜公園の1周2kmのコースを舞台に行われる。 日本選手権は男子が10km、女子が8kmで争われ、男子にはパリ […]

NEWS 編集部コラム「奥が深い」

2025.02.21

編集部コラム「奥が深い」

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]

NEWS ひらまつ病院にニューイヤー駅伝3年連続出走の三田眞司が加入 「チームの最高順位に貢献」

2025.02.21

ひらまつ病院にニューイヤー駅伝3年連続出走の三田眞司が加入 「チームの最高順位に貢献」

ひらまつ病院は2月16日付で、サンベルクスに所属していた三田眞司が加入したと発表した。 29歳の三田は神奈川県出身。光明学園相模原高では3年時に全国都道府県対抗男子駅伝4区9位と力走。国士大では3年時に全日本大学駅伝で3 […]

NEWS 斎藤将也、不破聖衣来、菖蒲敦司らが欠場を発表/日本選手権クロカン

2025.02.21

斎藤将也、不破聖衣来、菖蒲敦司らが欠場を発表/日本選手権クロカン

福岡クロカン事務局は第108回日本選手権クロスカントリーの2月21日時点での欠場者リストを公開した。 男子では斎藤将也(城西大)や谷本昂士郎(順大)ら5人が新たに欠場を発表。女子は不破聖衣来、新井沙希(ともに拓大)、板井 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年3月号 (2月14日発売)

2025年3月号 (2月14日発売)

別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝

page top